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8月22日女流プロのキャッチ(プロへの苦言あり)(文・黒木真生)


女流プロ最強新世代


もうすぐ麻雀最強戦「女流プロ最強新世代」があるが、彼女たち8名のキャッチは以下のように決まっている。

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私の顔マークがついている5人が私が付けたものだ。

 

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中月(なかつき)さんのことは、前から「この人連盟に入ってほしかったなー」と思っていた。もちろん、彼女がプロ協会に入ったのがよくないという意味ではなくて、一緒に仕事してみたかったと思ったのである。

 麻雀を見ていて気持ちいいし、人としても気持ちが良かった。華があって、明るい。

 タイ王国の出身であることは、最強戦で取材するまで知らなかった。

 なおさら、いいなーと思った。

 人前に出て仕事をする上で、他人と違うというのは「武器」だと思う。

 最強戦は「麻雀の最強を決めるガチの大会」だが、見る人は楽しいから見るのである。いくら強くても普通のおじさんみたいな4人が打っているより、強くて華やかで個性的な人たちが戦っている方が楽しいだろう。

 だから私もカネポンも、選手の「人と違うところ」をほじくり出そうとやっきになる。

 中月さんは「タイ王国」だけで覚えてもらえると思った。安直かもしれないが、将来は仲田加南さんの「ラリアット」に対抗して「タイキック」を繰り出して戦ってほしい。

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 蒼井(あおい)さんの「イリュージョン」はだいぶ前につけた。たしか「日本プロ麻雀連盟チャンネル」の「ロン2カップ」という番組で付けたのだと思う。蒼井さんとは勉強会でたまに打つのだが、いつも、突如、意外なところから高い手をアガってくるので、びっくりするなあと。で、びっくりといえば「イリュージョン」かなと。

 最強戦で本当にイリュージョンが出るかどうか、見て確認してほしい。

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 駒田真子(こまだまこ)さんは、最初は「パパは満塁男」にしようかと思ったのだが、そろそろ「パパ」ばかりでは良くないかなと。

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もちろん、お父様は元巨人軍の駒田徳広さんで偉大な打者なのであるが、真子さんは真子さんの人格と人生がある。あんまりアピールしなくても、どのみちパパの影響はものすごいのだから、少なくとも通り名から「パパ」の文字だけは取ろうと思った。

 卓上において「満塁」ってどういう状況なのかわからないが、真子さんの打つ麻雀で「満塁ホームラン」が表現された時、ファンは盛り上がってくれると思う。

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 相川さんは、ちょっと安易だったかもしれないのだが、元カリスマメイドさんだったので、そのまま付けた。

 だいたい、初見の人のキャッチを付ける際は、その人の過去についてLINEで取材するのだが、人によって反応はまちまちである。自分の「面白ポイント」に気づいていない人もいれば、かなり自分のキャラを「盛って」伝えてくる人もいる。

 相川さんの話が面白くなかったというわけではなくて、私が彼女の過去と麻雀を結び付けられなかった。それだけのことである。

 だから難しいのだが、まあしょせんは「最強戦限定のキャッチ」なので、そんなに目くじらは立てないでもらいたい。

 付けられたキャッチが気に入れば他の番組とかで使ってもらっても良いし、もっと良いのがあれば変えてもらっても良い。

 何度か最強戦に出ている内にキャラが分かってきて、通り名が変わる人だっている。

 たとえば鈴木たろうさんは、協会内では最初から「ゼウスの選択」だったのだが、最強戦では「麻雀ライアー」からスタートした。ゼウスって全知全能の神であって、あまりにも凄すぎるのではないかと。そう思っていたのだが、どんどんたろうさんが全知全能的になっていったので、そろそろ「ゼウス」解禁でも良いのでは、と思って変更させてもらった。ちなみに本人は、まったくどうでも良いと思っているそうだ。それはそれで、たろうさんらしい。

凄すぎるのはサムいし自分で言うな

 そうなのだ。この通り名というものは、基本的には他人が付けるものなのだ。いわば、あだ名みたいなものだから、自分から「おれを今日から供託泥棒と呼んでおくれよ」って言い出すやつがクラスにいたら「こいつ痛いな」って思うだろう。

 自分で考えるのはもちろん良いことなのだが、うまいこと人から言われている「テイ」にしよう。

 時々、雀荘の壁に目をやると、色紙に「純白の牌奏者」とか書いているのが飾ってあったりするけど、あれも少しサムい。いや自分で言うんかいと。そう思ってしまうのだ。

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 たぶん、たぶん、たぶんお店の人から「書いてください」と頼まれたのだろう。「えー自分で書くの恥ずかしー」と言いながら書いたのだろうから、しょうがないけど、少しだけサムい。

 まだ若手で、名前を覚えてもらうために必死になっている段階の人なら可愛げがあるが、そこそこベテランでもう20年選手ぐらいの人が、自分の通り名を色紙に書くのはちょっとだけ痛い気がする。

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 それと、まだ実績があまりなく、何者か分からない状態の人が「かなり強そう」とか「かなり凄そう」というキャッチを付けてしまうのもサムい場合がある。ここを気を付けないと逆に反感を買ってしまう。

 ただ、たとえばめちゃくちゃガタイが良い若手がいて「卓を全壊させるほどの打点力」とか、めちゃくちゃガリガリに痩せた新人がいて「山奥で麻雀修行してきた男」とかなら「すごいかも」という期待感を持たせてくれるかもしれない。

 そういう、元から特徴がはっきりしている人なら良いのだが、色々と全部フツーな感じの人が「最強」とか「神」とか言ってもサムさが目立ってしまうのである。

嫌だなーと思ってもやってみる


 通り名を付けられた時に「違うなー」とか「嫌だなー」と思っても、一度やってみる方が良い。それは付けてくれた人に対する礼儀とかそういうしょうもないことではなく、自分がイメージする「自分」と、他人から見た「自分」が違う場合があるからだ。

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