プロ麻雀界近代史 連盟員大量離脱の日
【苦渋の選択】
「日本麻雀機構」が構想していた優勝賞金一千万円の大会が危険であることを、馬場裕一さんと私は「近代麻雀編集部」の宇佐美和徳局長に伝えに行った。
仮にその大会が実際に行われ、警察から指導が入ったとしても、それを報道した雑誌や出版社に責任はない。本の売上が下がることもないだろうし、発売中止になったりもしない。
だが、会場になった雀荘は困る可能性がある。雀荘が困ると、雀荘広告収入が減る可能性がある。そうなると間接的に近代麻雀は困る。
そういう理屈が成り立つのではあるが、宇佐美さんは理屈どうこうよりも「そういう危ないのはダメだな」という判断で、一切関わらないと言っていた。
賞金さえ出さなければまったく問題はなさそうで、テレビや雑誌などのマスコミ、特に「MONDO」や「近代麻雀」は扱ってくれそうだったが、そういうわけにもいかなかったようだ。
機構はなぜか「賞金一千万円」にこだわっており、それがネックになっていく。
賞金一千万円の大会を開催するのであれば、プロ連盟は関与できなくなる。
森山茂和副会長(当時)は、おつきあいのあるメディアや取引先に迷惑がかかる可能性がある以上、危険な大会開催を容認するわけにはいかないと言っていた。
「別にそんな賞金を出さなくても良いはずだから」というのが、当初の私や森山さんの見解だった。
が、そうはいかなかったのだ。
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