【無料記事】若手プロに知ってもらいたいこと 謝罪するなら最初から書くな
【おことわり】
目的が特殊であるため、ここまでの経緯については一切書かない。
最も見られているポストは40万インプレッションを超えているので、知らない方はいないと思われるが、もしいたらスルーしてほしい。私としても、より多くの人に知らせたいわけではないので。
だったら有料にするという方法もあったのだが、今後の私のnoteの方針についても触れるので、無料にした。
【自分ルールについて】
私の記事の売り方を「炎上商法」と言う人がいるのだが、それは適当ではない。
私は自分から燃やしにいくことはせず、すでに起きてしまった炎上に首を突っ込んで記事を書く。だから「火事場泥棒」と言った方が表現としては近い。
「X」で誰かが何かを発言して、それが「炎上」したと言えるのはどれぐらいからか。私はだいたい10万インプレッションを超えたら「手遅れ」だと思っている。
昔は10万部以上売れる雑誌など珍しくなかったが、今はコンビニに置いてある雑誌でも、10万部未満のものがいくつもある。
たかがSNSと思うかもしれないが、実は麻雀界隈でプチ炎上しただけで、有名な雑誌に掲載されたのと同じぐらいに世間に広まってしまうのである。
もちろん、その10万人全員がポストの内容に目を通すわけではないのだが、それは雑誌も同じだ。
雑誌というものは、隅から隅まで読むものではなくて、読者が興味のある記事だけをチョイスして読んで、終わったらゴミ箱にポイするのが普通だ。
だから、インプレッションと販売部数は、だいたい似たようなものだと私は思っているのである。
10万インプレッションを超えると、そこからの加速は凄い。すぐに20万、30万と伸びていく。
そうなると、もう「なかったこと」にはできない。黙って削除して、以後、一切ふれないというやり方をすると「臭いものにフタをした」という目で見られてしまう。
誰かが必ずスクショを取っていて、何かあるたびにチラつかせてくる。そういう風になるのがお約束のパターンだ。
もし、誰かが「問題になるかも」というポストをしたのを、私がたまたま早目に発見したら、もみ消す方向に動く。
自団体の人だったら直接「消した方が良いと思いますよ」と言うし、他団体の人なら、担当者さんに「これ大丈夫ですか」と送って、あとはその団体に任せる。
過去にいくつもそうやってきたのだが、時々、すでに燃え広がっている案件がある。
そうなったらもう、悪名だろうが悪目立ちだろうが「名前」が売れてしまったのだから、それなりに利用した方が賢い。
燃えてダメージは受けていて、それは簡単には回復できない。マイナスをゼロに戻すのは大変だ。不可能なケースもある。だったら「別の軸」でプラスを作った方が良い。
私はそう考え、火事場に乗り込んで商売を始める。
炎上の理由が「当人に責任なし」であれば全力で擁護する。場合によっては私が代わりに嫌われる。
すでに炎上してしまっていても「本人がぜんぜん悪くない」場合で、本人が「これ以上ふれてほしくない」という場合は、私もその意思を尊重して、見なかったことにする。
「当人の発言が誤解を招くなど良いものではなかった」場合は、これは「ダメ」とキッチリ批判した上で、最後は悪いようにはしない。
ことわっておくが、批判するのは本人を追い込みたいからではなく、同じような失敗をする人が出ないように「教材」になってもらうためである。
追い込みたいだけだったら、黙ってプロ団体の裁きに任せる。そっちの方が辛い。私に記事として書かれるよりも、地味で辛い処分が待っている。もちろん、最悪なのは、私に記事にされた上に処分が下されるケースだが、それが絶対にないとも言えない。
SNSで失言して炎上したぐらいで、団体からガチで叱られて謹慎処分とかになるぐらいなら、私の記事で多少の恥をかいて、ファンの皆さんからお叱りを受け、励ましも受け、その後、それがシャレになるぐらいまで、私なりに努力する。
とまあ、これが理想であって、私がこれまでちゃんとやってこれたかは別の話だ。心当たりのあるプロ雀士たちが「あの時はお世話になりました」と思っているか「ふざけんなテメー。ぜんぜんダメだよお前のせいで」と思っているかは知らない。
私なりのやり方で、私なりにやってきたというだけである。
以上が、私の「自分ルール」だ。
【鍛冶田良一プロに叱られた件】
今回の件で私が謝罪し、記事を取り下げたのは「日本プロ麻雀協会の裏方さんたちに迷惑をかけたから」である。
どの団体でもSNSで問題発言をしたり、他の会員の皆さんの迷惑になるようなことをすると注意される。場合によっては謝罪文を出すことになったり、当該ポストを削除することもある。
もっと厳しいと謹慎処分になったり、本当に最悪のケースは除名とかもあり得る。
で、何かしら「問題ぽいこと」が起きるたびに、団体の担当者や執行部の人は「これはどう対処したらいいのか」というのを話し合って考えなければならない。
SNSでの炎上は24時間営業だから、深夜に「これどうするの?」とLINEでやりとりすることもある。
どこまで行っても程度問題なので、どの程度が適当なペナルティか判断するのは難しい。永遠にルーチンワークにはならず、毎回、その都度、判断するしかない。
本当、非常に面倒で嫌な仕事なのだ。
一度やってみれば分かると思うが、人が人を裁くのってめちゃくちゃストレスで、放り投げたい仕事ナンバーワンかもしれない。
とまあ、そのようにプロ協会の担当者さんたちも頭を悩ましているところに、私の記事が出て、また事態が複雑化してしまった。
その状況を見て、鍛冶田良一副代表が、私に電話をくれたわけである。
鍛冶田は年齢も同じで、団体は違うけど同期だ。プロ入りする前から知り合いで、若い頃は麻雀も打った。
プロ協会ができてからは、鍛冶田も裏方の仕事が多くなり、本当、頑張って切り盛りしているように見える。
本当に信用できる人間で、30年近い付き合いになるが、私は一度も鍛冶田に対して嫌な感情を持ったことがない。
何か麻雀界で事件があると、どちらからともなく連絡し、相談し、情報交換をする。
そういう仲なので、鍛冶田から着信があった時点で私はすべてを察した。
あー、やってしまったと。
本当にごめんなさい。平謝りである。
鍛冶田は優しいから、私をガンガン責めることはないが「ウチも若い子たちが頑張ってるからさ」と言われてしまうと、私はもう謝るしかできない。
鍛冶田から記事を取り下げろとは言われなかったが、私からそれを提案した。ただ謝罪の言葉を述べるだけでは足りないと思ったからだ。
読者の皆様には申し訳なかったが、私なりの恥のかき方をさせてもらった。
【許可を取るべきか否か】
クレームがつかないようにnoteを運用することを第一にするなら、すべてに関して許可を取れば良い。
だが、すでに世に公表しているコメントなどは、許可を取らずに掲載することが多い。
たとえば、SNSで著名人同士が揉めたりすると、その様子はそのまま記事に掲載され「これはどうなの」と批評される。
もちろん、メディアによっては取材と許可取りをすることもあるが、記事の扱いが小さければそこまではしない。
これは正直、無断で掲載される方も、本当は嫌なのかもしれないが、ある種の「持ちつ持たれつ」があるからスルーするのだろう。
ただ、人によっては「あの出版社の仕事だけは受けない」と、恨みを持ってNGを出す著名人もけっこういる。
私のnoteはそこまで大きなメディアではないので「恨まれても平気」というスタンスは取りたくない。
今回は恨まれる結果となってしまったので、これを教訓にして、今後は運用の方針を変えようと思う。
何度も言うが、私は個人を攻撃したりつるし上げたいわけではないし、それをやったからといって記事が売れるわけでもない。
重要なのは起こった「事象」であって、それが題材として存在していれば良いので、個人名を出す必要もない。
これまでは、取材の必要がなければ許可もとらないという姿勢だった。
たとえば「Mリーグ」の観戦記を書く時に、取材が必要でなければ許可も取らない。
「この発言はこういう悪影響につながるかも」という批評や批判は「このプロはここでこう打ったけど、私はこちらの方が有利だと思う」というのと変わらない。
それだけのために許可を取るというのは、私はナンセンスだと思う。
実際にこういう仕事をやってみれば分かるが、本人に許可を取ろうとすると、だいたいは「関係のない他の文章まで口出しされる」のである。
もちろん「いーよいーよ、全部自由に好きに書いて」と言ってくれて、原稿に目も通さない人もいる。
こういう人は書き手にとって非常に助かるのだが、こちらは逆に「気をつけねば」と思うようになる。
OKは出していても、実際に発表した後、本人が記事を読んで「あのさー、あれはさすがにないんじゃね? 間違ってるじゃん」と、後からお叱りを受ける可能性もあるから、ちゃんと書かなきゃと思うし、本人が「読まねー」と言ってきても「いや、ここだけは読んでくださいよ」と、気になる部分だけでもお伺いを立てるようになる。
それが(書き手にとって)理想の関係ではあるのだが、皆が皆、そういう場慣れした人たちばかりではない。
だから今後は、記事として扱っても良いかどうかの許可を取ることにする。
そこで「やめてほしいです」と言われたら書くのを諦める。
ただ、その「事象」が「教材」として面白いのであれば、一般論として書くことにする。場合によっては、たとえ話みたいになるかもしれない。
私も同じ業界の仲間であるから、現状ですら普通のライターさんみたいに容赦なく書くということができないのだが、今後はもっと切れ味が悪くなってしまいそうではある。
が、まあ、そういう立場を作ったのも自分なので、言い訳はせず、少しでも面白い記事を読んでもらえるよう頑張るしかない。
私と同じように、何かを書いて生活の足しにしようという若手プロの皆さんは、私がやったような無様な転倒をしないよう、気を付けていただきたい。
私が残した轍を踏むと、こけるよ。
(了)
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