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配信後記③

ともすれば、これが今年3通目のラブレター。
まだ見ぬGルートのキミに贈る公認心理師キンキーからの恋文だ。


「知の観客」をつくる

僕にとっての東浩紀、ゲンロンへの入り口だった

ちょうど公認心理師を知るのと、ほぼ同じタイミングで茂木(脳科学者)さんのレビュー動画で『ゲンロン戦記』に興味を持った(当時、茂木さんが近所に住んでいたことも、元奥さんがファンだったことも作用して親近感を抱いたのもあるかもしれない、とにかく読まねば!となったのだ)

その後の僕と、東さん(哲学者)が創業したゲンロン(出版社)カフェ(イベントスペース)との関わりについてはnote内のマガジン『ゲンロンと私』を参照のこと

Gルート(経過措置)の公認心理師

区分GがGルート(経過措置)に当たる

(Gルート最後の)第5回公認心理師試験は2022年7月17日に行われた(合格発表は8月26日 午後2:00)

公認心理師は名称独占資格の為、試験合格後、登録申請し、登録証が手元に届いた日から名乗ることができる(現在、登録証はデジタル化されており、おそらく
記載された登録年月日から郵送に伴うタイムラグは解消されたのではないか)

最速で申請した都民の私の元へ登録証が到着したのは10月15日のことである。
記載された登録年月日は9月14日(Gルート最後の日!)

合格後、(イベント準備に向けて)水面下で名刺を作成(登録証が届くまでは「登録申請中」と記載したものと2種類用意する念の入れようである)

分かり易いミスなので、そのまま掲載

臨床心理士が既に定着している為、
シンリシと口頭で窓口担当者に伝えると、漢字変換した際
心理【士】と出てくるのだろう…

公認心理師法

を根拠法とし、「公認心理師の職責」の一丁目一番地として叩き込まれるのが名称にまつわるルール。

だから、合格して堂々と名乗ることには例えようもないカタルシスがあった。

Gルートと亜インテリ

アカデミア(大学)に縁のなかったキンキーにとって、Gルートで公認心理師資格を取得することをメタ的に捉えようとしたとき(何故、メタ的に捉える必要があったか?試しに「Gルート」「公認心理師」でエゴサしてみてくれ)

東さんの見立てが僕を後押しし、奮い立たせてくれた(亜インテリは日本の思想史家、丸山真男による定義で
「学校教員や寺の住職、町役場の公務員といった人々」
それに対して本来のインテリゲンチャと呼んでいるのは
「都市におけるサラリーマン階級、いわゆる文化人ないしジャーナリスト、その他自由知識職業者(教授とか弁護士とか)および学生層」)

つまり、かつて論壇・文壇と呼ばれた自由な言論空間を担ったのは
アカデミズムでもなく、ジャーナリズムでもなく、その中間を司るこの国の豊かな出版文化だった。

それら(心理学含む)人文知を支えてきたのは亜インテリであり、
Gルートは「知の観客」に成り得るポテンシャルを備えているはずだ。

そもそも、僕が公認心理師にピンと来た理由も
かつて東さんが好んで用いた「学際的、領域横断的」な資格と聞かされていたからだ(さて、今現在、各領域の象牙の塔にこもることなく、領域を横断して活躍する公認心理師が何人いるだろうか)

自主イベントとブッキング

それまでビブリオバトルにサブカルの意匠を施して
トークイベントを開催してきたロフト系のハコで
そのままメンタルヘルスのイベントにシフトできたのは
ゲストの手島さんによるところが大きい
公認心理師キンキーの第一声に相応しいイベントだったと思う
公認心理師になったからこそ、思いっ切り趣味に振り切れる
試験問題に俳人が出てくるのが公認心理師試験だぜ?
硬軟織り交ぜての展開が
サブカルクソ野郎から公認心理師に転向した
キンキーの強みだと思ってる
図書館ではパブリックにメンタルヘルス講座
資格に受かったお陰で同級生とも再会
公認心理師試験界隈オフラインイベント in TOKYOで
掟ポルシェファンのプロロゴス山崎先生に
鳥肌を立たせたフライヤーがこちら
今のところ最後の自主イベント
いよいよロフトの庇護を飛び出して?
サブカルの聖地高円寺へ進出!初の有料配信にもリーチ

ここまでが毎回ゲストを招いた対談形式の有料自主イベント(また、11月の #メンヘラナイト の御縁から、2023年1月には母校の専門学校ミューズ音楽院に「卒業後、活躍する音楽家」としてではなく公認心理師として招かれ、ヴォーカル科、コンポーザー(作曲)科の生徒の皆さんの前で凱旋講義を)

ここからはオンラインでお招き頂いたり、自らブッキングして足を運んだ企画

試験勉強開始から合格後まで
公認心理師キンキーの精神的支柱となってくださった
LEC神戸先生のYouTubeチャンネルにお招き頂いた
神戸先生がアシストしてくださった形で
ビブリオバトルを心理界隈で展開できる場所として
ミヤガワRADIO/おじゅんの部屋に登場
ビブリオ界隈では紀伊國屋書店と並ぶ関東の雄、
有隣堂書店が「図書館総合展」本会場のパシフィコ横浜と中継で繋いだ
ビブリオバトル in 有隣堂伊勢崎町本店にエントリー
コロナ禍以降、開催がなかったが
中村淳彦著『悪魔の傾聴』で参戦と見せかけ
内実は「心理界隈ビブリオバトル Vol.1」の告知
(このプレゼンが御縁で中村さんとのイベントに結実)
ミヤガワRADIOへの持ち込みエンタメ企画
Gルート(主に5G)を中心としたリスナーはこれを見て
「ビブリオバトルのキンキーさん」と認知したと思われ
死にたいぐらいに憧れたゲンロン総会にブース出展
臨床心理士がどうとかGルートがどうとか
ホントどーでもいー(呆)
心理学の川を下り、人文知の海へ出たかった
会場ではゲンロン創業者、東浩紀(哲学者)と
共に登壇した今をときめく古市憲寿(社会学者)氏、辻田真佐憲氏
山崎孝明氏と遭遇、ご挨拶と立ち話を
公認心理師キンキーとコミュニティ心理学ラボ名義で出展
隣は教育、通路を挟んでモンゴル語研究と人文知の荒波の中を孤軍奮闘
終了後、たけお先生の相方であるDr.P2からは髙坂先生との共著『緊張本』をご恵投頂いた
もはや学問ですらないw
自分の土俵で相撲を取るとはこれなり
山崎先生、橋口先生とは同い年の73年生まれ

知らんがな


Xスペースを再起動するようになって、ほぼ毎回、必ず聞かれることがある。

「キンキーさんて何者?」「何がきっかけで公認心理師になったの?」

知・ら・ん・が・な

…知らんがな!!!!!(まあ、一度は言わせてくれ←大事なことだから太字で二度言ってるけど)

オンライン・オフラインを問わず(特に2022年秋〜2023年初夏にかけて)
この国で俺ほど、自ら公認心理師と名乗った公認心理師は居ないと勝手に自負している。

Gルート仲間が言うには、ある時期まで公認心理師と打ち込んだら「キンキー」とトップに表示されていたとか、いないとか(SEO対策もバッチリ!)

ただし、これはあくまでこちらの都合

モグリだとか情弱だとか吐き捨てるつもりもなければ

もっと有名に(偉く)なるか、都度、丁寧に説明して差し上げる他ないと結論付けている。

そして今だから言おう。これだけのハードな動きを自らに課して何が残ったか?

離婚した。公認心理師を誰も知らない。公認心理師が配置されるべき領域の多職種も公認心理師が何をしているのかをよく知らない。そして開催したイベントでは誰一人としてGルートの人間を見かけることはなかった。だから、キンキーは無敵の人になった。

これに関しても企画とキャスティングに訴求力がない、本人に魅力と集客力がない、と半ば諦めはついている。そして、それ以上に(俺が必死だったように)Gルートは皆が自分のことで精一杯なのだ、と想像することにしている。

シラスとYouTube

シラスはニコ生(ニコ動?僕はこの文化を通過していない)に可能性を見出し、多大なる影響を受けた東さんが独自に立ち上げた動画配信プラットフォームで、このほど、累計流通取引総額が10億円を突破した(シラスがスタートしたのはコロナ禍の2020年10月)

奇しくも延期された第3回試験を待つ期間であり、
時同じくしてミヤガワRADIOが始動

シラスは配信者をシラサー、視聴者をシラシー
つまりゲンロン友の会に入会し、シラサーになれば
インプットのみの放送大学とは違いアウトプットできる。

かつ、広告収益モデルのYouTubeとも異なり
記名性のコメント欄は民度も高く、バラエティーに富んだ課金設定で収益率も高い。

つまり、アカデミア(大学)に属さない在野研究者(特に人文系)でも
生活していける収入を得ることも夢ではなくなり、大学教員とは違うオルタナティブな生き方の選択肢として、またその活動自体が人文知の発展に寄与する仕組みとなっている。

公認心理師キンキーの次なる野望は、シラスにチャンネルを持つシラサーとなり
出版記念イベントをゲンロンカフェ(東さんがヒントにしたのは世界初のトークライブハウス「ロフトプラスワン」)で打つべし!打つべし!打つべし!

と、まあ

ゲンロン友の会会員はシラスに、
YouTubeとTwitterを主戦場に繋がった公認心理師受験生はGルートに
夢を見た時期もあったろう(遠い目)

手始めに2/18(火)夜
ご近所さんで有名シラシー
ゲンロン友の会会員のやきとりキング二代目
竹田克也さんと配信を予定している


橋口(せーしろー)先生と神戸先生(LEC)

この日から全ては始まったと言っても過言ではない
底冷えのする緊急事態宣言下の東京だった

橋口先生のブログ「ねことひるね」には今でも(メンタルヘルス系YouTuberの会へのカウンターとも言えそうな)アクチュアルな記事がたくさんある。

一時期、界隈で一世を風靡した
「フォーム論」(学部・院で自分の勉強の型=フォームができていないと自覚がある受験生を予備校へ誘導)
「浮気しない」(これと決めた先生の指導法、参考書、過去問題集をコロコロと変えない)など(今やチャンネル登録者20万人超えのはもしょーこと橋本翔太氏もコメント欄で勉強法についての礼を述べていた)

僕の公認心理師試験への入口の一つは「会いに行けるYouTuber」橋口誠志郎との出会いだったし、東京勢としては橋口先生と神戸先生の並びが一番しっくり来ていた(お二人は「学校メンタルヘルス学会」で出会い、共に日野市在住)

遡行的に見れば、Gルートという環境が橋口誠志郎(のちのせーしろー)先生の存在を生んだとも言えるし(確信犯だったからこそ)Gルートの終焉と共に、ネット活動を引退されたのではないだろうか(なぜ、そう振る舞えたか?については橋口さんが(非心理学部から)転部のち臨床心理士(元)を経た公認心理師にしてSC(臨床家)であり、今は論文執筆のテーマを哲学に移し、東京大学大学院博士課程在籍中の「非メンタルヘルス系YouTuber」だ(入会を勧められたが固辞された)からではなかろうか)

せーしろー先生、亡き後
密かにキンキーがその椅子を狙っていたのだが…その夢も今はもう叶わない(Gルートは儚く消えてしまったのだから)

しんりしtvとミヤガワRADIO

名古屋勢ミヤガワ先生の「友達がテレビってチャンネルやってるから、僕はラジオかな」という弁に則れば(カルプロ模試ってぐらいだからね)

しんりしtv(とコロナ禍)がなければ、ミヤガワRADIO=Gルート(公認心理師)にメディアは生まれなかったかもしれないし、のちのメンタルヘルス系YouTuberの会の温床としての機能を果たすこともなかったかもしれない(なぜ、こうなったかについては、ミヤガワ先生が臨床心理士でも公認心理師でもない、予備校講師にして心理学オタクだったからではないか)

公認心理師試験界隈オフラインイベント(in TOKYO)

このイベントタイトルは一つの画期だった(誰がつけたのだろう)
つまり僕らが居た場所は心理界隈ですらない
公認心理師試験界隈の中の蛙でしかなかったのだ(気が遠くなった)
Gルートの卒業式と切り取ったキンキーのツイートに
当日マジックを披露してくれたゲスト松崎朝樹(精神科医)さんが反応してくれた

しんりしtvとプロロゴス

オフラインイベントから一年
名古屋、大阪を経て
しんりしtv 交流会(東京)に集いし60名以上の心理師たち

しんりしtvのチャンネル名は臨床心理士との互換性によるものではないだろうか。

まっすぅ(精神科医、益田裕介氏)もYouTube動画の中ではプロロゴスさんではなく、しんりしtvさんと呼びかけていたし

プロロゴスOB会だったなら、独学の僕は参加しなかっただろう。

その点、同級生の山崎先生のサブカル仕草には親近感を覚えるし
別途、「心理学の読書会」忘年会にもオンラインで参加させてもらったのだが
営利目的の母体が運営しているのを忘れてしまうようなスマートで洗練された身のこなしはリスペクトに堪えない(なぜ、そうあれるのか?については、山崎先生が臨床心理士でも公認心理師でもない、予備校講師にしてサブカル女子だから、ではないか)

メンタルヘルス系YouTuberの会

僕の記憶では確か、2021年度の年末の忘年会から顕在化したように記憶している(その会場がミヤガワRADIOになったことが余計に事態を複雑にしているように思うのは僕だけだろうか)

公認心理師法で最後までネックになった文言は

第42条第2項公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。

である。医療モデルのヒエラルキーそのままに、チャンネル登録者数でライブ配信の日程調整にまで忖度が見られた一時期の様子は頂けないかな、と(最近の事情についてはキャッチアップできてはいないし、適度な距離感を維持したいと個人的には思っている)

東畑開人と山崎孝明

これについては紙(web)幅の関係で別の機会に。

ただし、東浩紀の哲学に影響を受けた二人が
2024年、日本の心理臨床界をアップデートする覇権を取ったのは間違いないと思う。

そこ(編集委員)に信田先生も加わる魔改造

当事者で専門家

当事者に言及した割合は少ないが
去年、下半期のブースターとなった本
よかったら、ぜひ読んでみてほしい

当事者が専門家になるクダリについてはスピーカーに乱入?してくれた林檎センセーが気を吐いてくれた(詳しくはアーカイブで確かめてみてほしい)

また、これまでの記事の文字数を大幅に塗り替える熱量と
昨年、下半期からモヤモヤしていたこれらの感情を言語化するモチベを与えてくれたHanaさんとの再会に感謝。

それはつまり、今の僕に

「キンキーさんて何者?」「何がきっかけで公認心理師になったの?」

と尋ねてくれる人たちとの出会いに。

GルートとEルート(あるいはスキマ世代)

ゲスト回ではない、ゆるいスペース(ルーティン)に
Eルート(プロパー)の方が遊びに来てくださるようになった。

Gルート、Gルートと鼻息荒く書き殴ってきたが
では、Gルートはどれだけ他のルートに目配せ、心配りが行き届いていたか?
(人にもよるだろうが、ほぼ皆無じゃね?)

水谷さんゲスト回の配信後記②では特に触れなかったが、法制度の都合で公認心理師が取れない、俗に言う「スキマ世代」(問題)もい(あ)る訳でね。

新しい読者

公認心理師キンキーに読者は居ない。
そして「知の観客」と見越したGルートも今はもうない。

だから、僕は
新しい読者をつくらなければならない。

ここまで読んでくれたキミみたいな読者を

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公認心理師キンキー
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