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20枚シナリオの柱の数は8つ、シーンの数は3つ、 見せ場はもっと少なく

20枚シナリオはショートストーリーでは無く、2時間映画の中の10分として考えて書きます。
2時間の映画を書くため以下の情報よりシーンの数を概算してみます。

シーンの数 SAVE THE CATの法則より
2時間で40シーン
1時間で20シーン
20枚シナリオ10分で3シーン

柱の数 ※シナリオの柱の数 いくつくらいがいいか?より20枚シナリオ10分で柱8つ

20枚シナリオ
10枚換算で
1シーン 3.5枚 柱3つ
1シーン 3.5枚 柱3つ
1シーン 3枚  柱2つ
で収まるように課題で練習します。
新井一の「シナリオの基礎技術」では柱を書いたら、まず誰と誰が何をしているのかを必ず書くとあります。
しかしシナリオセンターに通っていると場所の外観などを書かなければならない事も教わります。
例えば
◯山田高校外観・朝
 門に入って行く学生たち
◯同・1年A組・朝
 田中一郎(16)と佐藤花子(16)が机を挟んで向かい合って座っている。
田中「セリフ・・・」
花子「セリフ・・・」
のようになります。
1シーンで柱が2つありますので大まかにシーン一つに柱2つで必要であれば外観の柱を1つ書くように練習します。
しかしこれは普通のシーンの枚数なので、見せ場になると減ります。

下は有名な映画の見せ場のシーン。
20枚で柱とシーンは1つ。

室内 檻のある部屋 夜
 ボイルは、ドアのそばの机で、レクター博士の絵の広げられた山を調べて見上げます。
ボイル「あなたはルールを知っていますか?」
クラリス「以前に面接しましたから」
ボイル「どうぞ」
 彼は絵を渡す。
 クラリスが大きくて白い八角形の部屋を横切る。巨大な一時的な鉄の檻が設置されている。ペンブリーは、その禁止されたドアに面して座っています。彼は立ち上がり、うなずき、彼女のプライバシーを守るために立ち去ります。
ケージの中にそれぞれが床にボルトで固定されたベビーベッドと小さなテーブル、そしてトイレを隠している薄っぺらな紙のスクリーン。レクター博士はテーブルに腰を下ろし、バッファロービルの事件ファイルを調べています。レクター博士は今、白の刑務所のジャンプスーツを着ています。小さなカセットプレーヤーがスチールテーブルにしばられています。
DRレクター「こんばんは、クラリス」
 彼女は没収された木炭画を檻の縁においてレクターに返す。
クラリス「博士、絵をお返しします。さびしいと思って……」
DRレクター「さすが思慮深いね...それとも、クロフォードがご機嫌をうかがいに君を送り込んだのかな?-君たちがこの事件から追い出される前に?」
クラリス「違います。私が来たいから来たんです」              
レクターは回転椅子で回転し、きちんと止まります。恥ずかしそうな笑顔。
DRレクター「ロマンチックだ。誤解されたら大変だ」
 レクター舌打ちをする
DRレクター「アンスラックス島か。あれには騙されたよ。クラリス。君がでっち上げたのか?」
クラリス「そうです」
DRレクター「やられた。しかしキャサリンの件は気の毒だった。チクタク...」
 彼はふざけて椅子で再び回転します。
クラリス「アナグラムの謎々が解けましたよ、博士、ルイス・フレンド?硫化鉄でしょう。貧者の金とも呼ばれている」
DRレクター「クラリス...謎々なんか解いてないで、もっと人生を楽しんだらどうだ」
クラリス「ボルチモアで真実を教えてくれたじゃないですか、博士-続きをお願いします」
DRレクター「事件のファイルは読んだかね…?あの男について知るべきことは、すべてファイルに書いてある」
クラリス「教えてください」
DRレクター「まずは基本だ、クラリス。難しくかんがえるな。マルクス・アウレリウスの哲学書にもそう書いてある。一つ一つ自問するんだ。『中にあるものは何だ?、本質は何だ?』君が追っている男は何をする?」
クラリス「女性を殺します」
DRレクター「違う!それは結果にすぎない。」
 クローズアングル
DRレクター「彼が本当にやりたいのは何だ?殺すことで何が癒される?」
 クラリス答えをもらえないもどかしさで苛立ちながら檻の周りを歩く。
クラリス「怒り……社会的受容……性的な欲求不満……-」
DRレクター「違う、所有したいと望んでいる。それが本質だ。では所有したいという渇望は、どうやって始まる?渇望するものを探し求めるのか?今度はちゃんと考えてから答えるように」
 クラリス、レクターの強い言葉に立ち止まり、またじらされたように歩き始める。
クラリス「いえ……ただ集めて……-」
 クラリス立ち止まる。
DRレクター「そうじゃない。正確に。日常的に目に入るものを所有したいと渇望するところから、すべては始まる。君を舐めまわす視線を感じないのか、クラリス?君も欲しいものを目で探し回るだろう?」
クラリス「ああ、なるほど。では、教えてください……」
DRレクター「だめだ。今度は君が話す番だ、クラリス。もう嘘はお断りだよ。どうして牧場から逃げた?」
クラリス「博士、今そんな話をしている暇は無いんです……」
DRレクター「君にはなくても私には時間がたっぷりある。そうだろう、クラリス?時間を無駄にしないほうが良い。」
クラリス「後で話します。聞いてください。あと5時間で……」
DRレクター「駄目だ。質問に答えなさい。お父さんが殺されて、君は孤児になった。10歳のときだ。親戚に引き取られてモンタナの羊と馬の牧場で暮らした。それから、どうした?」
クラリス「ある朝、逃げ出したわ...」
DRレクター「ただ逃げたのではないだろう。何があって逃げた?何時頃逃げた?」
クラリス「早朝。まだ暗かった」
DRレクター「何かに起こされたということだ。そうだろう。...夢か?なぜ目が覚めた?」
クラリス「変な音が聞こえた」
DR。レクター「何の音だ?
クラリス「あれは……悲鳴。何か子供の声みたいな悲鳴が」
DR。レクター「それで、どうした?」
クラリス「私は階下に行きました...納屋に忍び込んで...怖くて見たくなかったけど、覗かずにいられなくて...」
DR。レクター「そして何をみた、クラリス?何を見たんだ?」
クラリス「子羊。悲鳴を上げてた...」
DRレクター「春の子羊を屠殺してたのだね?
クラリス「だから、みんな叫んでいた」
DRレクター「そして、逃げ出した...」
クラリス「いいえ。まず羊たちを逃がそうとした...小屋の門を開けたのに羊たちは逃げようとしない。当惑して動かない。逃げようとしなかった」.
DR。レクター「でも君は逃げた。そうだろう」
クラリス「逃げた。子羊を一匹抱えて必死でにげたわ」
DR。レクター「どこへ向かって?」
クラリス「わからない。食べ物も水も持ってなかった。とても、とても寒かった。一頭なら……一頭なら救える思ったのに…重くて……すごく重くて...3マイルくらい走ったところで、保安官に連れ戻された。牧場主はとても怒って、私を追い出した。ボーズマンのルーテル教会孤児院に送られた。それいらいあの牧場は見てない...」
DRレクター「君の子羊はどうなった、クラリス?」
クラリス「殺された」
DRレクター「まだ真夜中に目を覚ますことがあるんだね?そうだろうクラリス。暗闇で子羊たちの悲鳴を聞いて目を覚ます」
クラリス「そうです...」
DRレクター「可哀想なキャサリンを救えば、悲鳴が止むと思うんだね、そうだろう...?キャサリンが死ななければ、もう二度と暗闇であの恐ろしい子羊たちの悲鳴に目覚めることもない」
クラリス「わからない...!わからない。」
 彼女は首を横に振って、それ以上言うことを望まない、またはできない
DRレクター「ありがとう、クラリス。ありがとう」
クラリス「名前を教えてください、レクター博士」
 レクター入り口の方を見る。
DRレクター「チルトン博士だ...君もご存じだろ?」
 チルトン、二人の巡査部長ペンブリーとボイルを従えてくる。
チルトン「OK。帰るんだ」
 ペンブリーとボイルは彼のそばにいて、不機嫌そうに見えます。
クラリス「博士、あなたの番です」
チルトン「出ていけ」
クラリス「名前を教えてください」
ボイル「すみませんが、飛行機までご同行願います。命令なので」
 クラリスはレクターから引き離される。レクター立ち上がりクラリスに近づいていく。
DRレクター「勇敢なクラリス。子羊の悲鳴がやんだら知らせてくれ」
 クラリス引きずられながら。
クラリス「博士、名前を!」。
DRレクター「クラリス!事件のファイルだ」
 レクター檻の間から資料を差し出す。クラリス、レクターのところに戻ろうともがく。レクターが差し出したファイルを檻の隙間から受け取るとき、レクターがクラリスの指に触れる。
DRレクター「さようなら、クラリス」
 クラリスはファイルを胸に抱きしめ、レクターを見つめ返す。警官たちがクラリスを押して退出させる。レクター博士が微笑みながら首をかしげながら、ゆっくりと後退していく。

原文と映画の日本語訳、googleで和訳したものなどで作成。
原文ではフラッシュバックがあったりしますが当然カット。
感情から書く脚本術にも教材として使用された有名なシーン。
物書きとして生まれたからには一度はこんなシーンを書いてみたいものだ。

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