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夕暮れの中で 作詞*作曲*編曲*イラスト/kinkan
すごーく昔、多分私が中学生か高校生の頃。夕日が差し込む自宅のリビングで、私はアップライトピアノを適当に弾いていた。 ピアノは、若い頃保育園の先生をしていた祖母のもので、少々年季の入ったそれは一番高い音の鍵盤を叩いても音が鳴らないのだ。ところどころ、漆黒の塗装が剥げて、木製の基材が顔を覗かせている。 私も幼稚園から小学校低学年くらいまでピアノを習わせてはもらったけれど、練習が嫌いでよく教室をサボろうとしたので、母の賢明な判断により辞めさせられてしまった。 そんな子供だったけれど、好きな時にピアノの鍵盤の蓋を開けて、好きなように好きな曲を弾くのは、わりと好きだった。(「好き」が多いな) せっかくピアノ教室に通わせてもらったこともあったけれど、難しい楽譜は多分読めないし、読む気にもならないので、いわゆる耳コピで弾くのだ。 左手で、奇跡的にもなんとなく覚えていた名前も知らない和音を。右手は耳コピのメロディーを…。 決して上手くはない。学校で、合唱発表会の伴奏をするよう頼まれたこともない。でも、ピアノをなんとなく弾ける。ただそれだけで、随分と今まで救われてきた気がする。 この曲は、私がまだ大人の一歩手前くらいの子供だった頃、おそらくなんとなく落ち込んでいた時にピアノをあれやこれやと弾いていて、偶然できたメロディーが元になっています。 秋。夏と冬の間の、どこか清々しいような、それでいて物悲しいような。夕暮れの光の中で、人生のいろいろな事を考えた…あなたには、そんな経験はありませんか?