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厚生労働省との意見交換会を行いました
2022年1月27日(木)10時半~12時、衆議院第二議員会館にて、療養介護( 筋ジス病棟)利用者の地域移行に関する厚生労働省との意見交換会を行いました。
この意見交換会は、今回で二度目となります。
一度目は、2018年11月25日に行なわれました。その際に提案され、実施に至った厚生労働省が主導の筋ジス病棟実態調査アンケートは、昨年その結果が公表されました。
今回の意見交換会は前回同様、衆議院議員 早稲田ゆき氏が機会を設けてくださりました。
今回は、厚生労働省が主導の筋ジス病棟実態調査結果や、当プロジェクトで行った実態調査結果の内容も踏まえ、筋ジス病棟や療養介護にまつわる制度や地域移行に関する施策について、情報共有や意見交換が行われました。
コロナウイルス感染状況の影響もあり、現地参加とオンライン参加のハイブリッドな形での開催となりました。
当日の様子を簡単に報告いたします。
まず初めに、早稲田議員からのご挨拶があり、続いて、筋ジスプロジェクトの紹介をしました。
その後、厚生労働省医政局、社会・援護局障害保健福祉部の方から下記の通り制度説明等が行われました。
・「国立病院機構が運営する病院の療養介護(筋ジストロフィー病棟)利用者の地域移行に関する実態調査」の結果概要について
・地域医療構想(主に病床の再編・統合について)について
・医療計画及び基準病床算定式について
・第8次医療計画に向けた検討状況について
・第6期障害福祉計画に係る国の指針の入所施設からの地域移行者数及び施設入所者数について
・第7期障害福祉計画の策定に向けたスケジュールについて
・国立病院機構における中期目標及び中期計画(主に療養介護と在宅移行)について
上記の通り、療養介護や医療体制に関する今後の方針などについて、ご説明いただきました。
その後、筋ジスプロジェクト女性ネットワークから療養介護における異性介助と虐待の関係について、以下のような報告や質問をしました。
厚労省から出されている障害者虐待の防止と対応の手引きにおいて、「本人の意思に反した異性介助を繰り返す」ことが心理的虐待の例として挙げられています。
この例の「本人の意思に反した」とは具体的にどういう場合を指すのか、嫌だと自発的に意思表明した場合のことなのかという質問をしました。
なぜこの質問に至ったかと言うと、もしもこれが、嫌だと自ら言えた場合という意味ならば、大勢の当事者が取りこぼされてしまうからです。
異性介助が苦痛だということを、様々な理由により言えない人が数多くいます。力関係の劣勢な立場から意思を伝えることは、本当に簡単なことではないと感じます。この問題意識を、筋ジス病棟入院経験者メンバーを中心に強く持っています。
次に、現在も継続中のものも含まれている「意思に反する異性介助の実例」を資料として提出し、経験者の実際の声を届けました。
また、資料を踏まえて女性ネットワークメンバーから以下の経験談もお伝えしました。
このプロジェクトのメンバーでもある元筋ジス病棟入院患者の女性からは、≪入院中の異性介助について、私も入院中「全てを同性介助というのは人員の都合上難しいとしても、せめて夜勤や入浴担当が全員男性スタッフになることだけは避けてほしい。」と伝えたことがありました。 しかし、そう伝えても、夜勤や入浴担当の男性比率が高い日はありました。そういったことが積み重なるうちに、伝えても無駄だ。どうせ聞き入れてもらえないとあきらめて過ごすようになりました。言えない・言いにくいということは、このようにいろんな側面であると思います。現場で対応しようにも、人員不足によって難しいようでした。それらも含めて、どうにか解決できる方法を検討いただきたいです。》
という意見が伝えられました。
質問に関しては、担当者不在にて後日回答をいただくことになりました。
そして、今後はこの問題について要望し、継続的に議論させていただけるようお願いしました。
最後に参加者からの質疑応答や意見交換がなされ、今回の意見交換会は終わりました。
筋ジスプロジェクトからは、
・療養介護の人員配置基準について、その基準がどのようにできたのか。人手不足解消のため、その基準は見直す予定はあるのか。
などの質問をしました。
今回は、上記の質問に回答可能な担当者が参加していなかったため、明確な回答は得られませんでしたが、後日書面等で回答が得られるとのことでした。
そのほか参加者からも、多くの意見や質問が投げかけられていました。
1時間半という短い時間でしたが、熱量のある時間であったと思います。
今後も、厚生労働省はじめ、各関連機関などと連携を取り、皆さんで筋ジス病棟の未来を考えて行けたらいいと感じました。
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筋ジス病棟の未来を考えるプロジェクト
Mail:
contact.plhn☆gmail.com(ご連絡の際には、☆を@に変更してください)
アンケートフォーム(ご意見などこちらからも可能です):
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