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こいつら本物のヤクザだ

皆さんこんにちは。
みんなの気になる樹です。

先日、MWC Barcelona2023というイベントが開催された。
開催地はイベント名を見ても分かるとおり、スペインのバスセロナだ。
このイベントは建前としては、モバイル分野におけるサービスやハードウェアの見本市であるわけだが、その実はダボス会議と同様に各国や企業の利権争いが激しく行われる会合となっている。
そして今年の目玉はフェアシェアだ。

フェアシェアという言葉に聞き馴染みはあるだろうか。
多くの人は聞き馴染みがないだろう。

フェアシェアは、「公平な負担」という意味だ。
なんと耳触りの良い言葉なのだろう。
しかしその中身は全然フェアではない。

この言葉は昨年からEU域内で活発に議論されてきた。

フェアシェア(欧州の主張)をわかり易く言えばこうだ。

■通信トラフィックは指数関数的に増加をしている
■その原因はストリーミングのサブスクが原因
■それに伴って通信設備の投資も大規模になっている
【結果】
アメリカのGAFAM(FANG)が面白いサービスを展開するから欧州の通信容量が増えているわけで、アメリカのそれらの企業が欧州の通信インフラ整備の金を一部出せ。

???

この理屈に納得できる人はどのぐらいいるだろうか。

正直、私は全く理解ができなかった。
確かに、近年の通信トラフィックの大部分はYouTubeやネットフリックス、オンラインゲームなどの大容量データ通信であるのは間違いない。(広告含む)
それらのサービスを提供しているのは、紛れもなく米国のビックテック企業等だ。
しかしそれらのサービスを利用しているのは消費者だ。
消費者がサービスを利用するために行う通信の負担を、サービス提供側がしろというのだ。

そんなことを言い出せば、電力供給網すらもエアコンメーカに設備費用の負担を一部させなければならなくなる。
それに、今はたまたま一部アメリカの企業が通信トラフィックの大部分を占めているわけだが、そういう状態ではなく無数に散らばったサービスの消費の結果、設備投資が膨大になっているという話だったなら、EUは果たしてすべての事業者に同じことを要求するのだろうか。

一方で、実はGoogleやmetaは世界の海底ケーブル整備に対して巨額の資金を投資している。

欧州“だけ“はさらに金をよこせと言っているわけだ

これがフェアシェア、つまり公平な負担である。
もしこの議論が罷り通るなら、GoogleやMicrosoftといった企業たちが欧州の通信インフラ事業者を買収した方が早いではないか。

しかしそんなことをすればEUは猛反発するだろう。
つまり欲しいのは金だ。

EU域内で端末の充電端子をタイプCに統一するという話も同様だ。
アップルのMFi認証に対して、EU域内の事業者がライセンス料を支払うのが耐えられなかったのだろう。

かねてから経済合理性に欠く様々なEUの決断は問題視されてきた。
現時点で、世界のルールに対してかける圧力の強さでは中国を超えているだろう。

ルールが気に入らなければ排除する。
できなければ金を要求する。
これをヤクザと言わずしてなんと表現するのだ。
これが本物の経済ヤクザだ。

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