「年収103万円の壁」見直しで岐阜県は税収が330億円減る試算…それって多いの?少ないの?
2024年11月29日、『岐阜県で330億円の減収 「103万円の壁」見直しで試算』という見出しのニュースが配信された。
なにを隠そう私は岐阜県民なので、岐阜県のニュースは気になるのだ。
ただ、このニュースは岐阜県民以外も気になったのではないかと思う。
最近なにかと話題の「103万円の壁」見直し議論。
もちろん、一般市民としてはこの壁は高ければ高いほど良い。
で。
今回の試算。
103万円の壁を見直すと、岐阜県の税収が330億円減る見込み。
正直、岐阜県にとってこの330億円というのが、どの程度の重みをもつ金額なのかがよく分からない。
というわけで、ちょっと調べてみました。
岐阜県の収入ってどれくらい?
岐阜県の収入は、県公式ホームページ公表されている。
『R5年度 一般会計決算見込み』を見ると、県の歳入全体は約9,170億円。
ここから繰越金・繰入金を除くと約8,917億円となる。
内訳はこんな感じ
![](https://assets.st-note.com/img/1732969930-KsX1YohNPDFtiW4ec5k6Irx7.jpg?width=1200)
岐阜県の歳入は3.7%減る見込み
繰入金・繰越金は除いて計算すると、
減収見込み330億円 ÷ 元の歳入8,917億円 = 0.037。
つまり3.7%減る見込みである。
3.7%の減収ってヤバいの?
岐阜県の古田知事は、減収を発表する記者会見でこう言ったそうだ。
「これだけの規模の減収をまともに受けては、県も市町村もこれまでの行政サービスを十全に提供することは大変難しい」
11/29(金) 20:42配信
ぎふチャンDIGITAL
そうなのか?
3.7%の歳入減少で、行政サービスの提供が難しくなるのだろうか?
それではここで、岐阜県の歳入が年ごとにどの程度変動するものかを調べてみよう。
![](https://assets.st-note.com/img/1732971620-nymdlPU0tR6MF4N2gWj8wDeq.jpg?width=1200)
10年前までの岐阜県の歳入をまとめてみた。
先の表と同じく、繰入金・繰越金は除いてある。
コロナ禍の時期に歳入が増えているのは、コロナ対策事業が県を通して実施されたからだろう。
その時期は除いて考えるにしても、県の歳入はそれほど一定しているわけではないことが分かる。
※どの項目が変動しているのかまでは調べていない。
歳入全体を見る限り、330億円・3.7%の減収が、「県の行政サービスを提供し続けることが難しくなる」というレベルの金額ではないように感じられる。
たぶん、古田知事は話を盛っている
ちょっと調べただけなので、実際には違う可能性もある。
しかし、私の気持ちとしては「古田知事(あるいは岐阜県)は収入減を嫌がるあまり、話を盛ったのではないか」という感じている。
規模の小さい市町村にとっては、減収は結構な重大事になるかもしれない。だから、知事は県内市町村のために発信したのかもしれない。
もしそうなら、良い行動である気もする。
しかし県自体は平気だろう。
「岐阜県は330億円減ったところでビクともすまい」というのが、一岐阜県民としての正直な感想である。