AIG全英女子オープン 2023
【初日】
イングランドのウォルトンヒースゴルフクラブにおいて、8月10日(木)~8月13日(日)の4日間の戦いが始まった。悲願のメジャー制覇に向けて、畑岡奈紗が好スタート。先週の鈴木愛ではないが、「今度こそ」優勝へ。もちろんカギになるのは最終日だ。それとみなさん大注目の櫻井心那も畑岡と同じく2位Tにつけている模様(8/10 22:00時点)。プレー内容は見ていないが、最近磨きに磨いている100yランチャーがキマりまくっているのだろう。岩井千玲も-1といい位置だ。後ほど民放でも放送してくれるようなので、午後スタート組の西村優菜、勝みなみ、川﨑春花、穴井のアニキのプレーを見てみようと思う。そして山下美夢有が今回どこまで上位で勝負ができるかも注目だ。
13番、西村優菜。バーディ確実のスーパーショットが炸裂。と同時に私にも強烈な睡魔が炸裂したので今夜はこの辺で。おやすみなさい。
【2日目】
日本人参加16人のうち、10人が見事に予選を通過した。1人目は黄金世代、否、みなみちゃん世代の代表勝みなみだ。この日3つ伸ばして2位Tは首位とは5打差ではあるが、このチャンスはモノにしてほしい。続いて畑岡奈紗は-3の9位T。悲願のメジャー獲得までまだまだ射程距離だ。山下美夢有と古江彩佳が並んで-2の18位T。JLPGA女王を狙う申ジエも同じ順位で山下をロックオン中。そして根性娘・西村優菜も-1の28位Tでキッチリ予選を通過した。なんとかベスト10フィニッシュを決めて来季シード権を獲得してもらいたい。以下、櫻井心那、吉田優利、西郷真央と続いて、カットラインの+2に最終ホールのバーディで滑り込んだのは、川﨑春花と岩井明愛だ。最高峰の舞台であと2日戦える、何にも変えがたい経験となることだろう。その2人と対照的に、残念ながらわずか1打足りず予選落ちとなった穴井詩、笹生優花、岩井千玲の3人と、以下木村彩子、渋野日向子、アマチュア馬場咲希の全英は2日目で終わった。
【3日目】
予選通過の日本人10人にとってスコア的に厳しい1日となった。伸ばせたのは畑岡奈紗(Today 1アンダー)と岩井明愛(Today 3アンダー)の2人だけ。その畑岡で首位まで5打差。可能性は残したが11人抜かなければならないのは厳しい。明愛の6バーディ(3ボギー)はたいへん立派。そしてTodayイーブンで堪えた西村優菜以外は、みんな軒並みスコアを落とした。吉田優利、櫻井心那、古江彩佳、山下美夢有の4人は揃って通算+2、44位Tで並び、西郷真央と川﨑春花は大きくスコアを崩してしまった。
川﨑はホールアウト後のインタビューではんなりとこう答えた。「ヘタクソやったから……」言い訳などしない彼女の最終日は最下位スタート。文字通り失うものは何もないはず。今持っている自分の全てをぶつけて完走してもらいたい。がんばれ。
また、首位を狙った勝みなみもポツポツとボギーを重ねたが16番で起死回生のイーグルゲット。しかし6打差13人抜いての優勝の望みは限りなく薄いか。
最後に申ジエだ。Today5バーディ2ボギー、通算-5で7位Tにつけた。初日こそオーバーパーだったが、昨日と今日で完全にアジャストしてきたように見えた。首位までの視界も良好。もし米ツアーメジャー優勝となるとメルセデスポイント800ptをゲット。これは現在首位山下との差150ptを完全に抜き去ることになる。JLPGA女王を悲願としているジエの最終日のプレーはおそらく鬼神の如しとなるだろう。先のアースモンダミンカップ最終日、プレーオフが決まった瞬間に申ジエのスイッチが入った音が画面から聞こえたが、今回もイングランドからスイッチオン音が届くことになるだろう。現・女王山下も「最終日は楽しみます」というわけにはいかなくなった。
最終日、日本勢10人+申ジエのJLPGA魂(?)の爆発に期待したい。
【最終日】
優勝はこの日ベストスコア5アンダーを叩き出したリリア・ヴ(米)。シェブロン選手権に続き今季メジャー2勝目。日本勢最高位は11位Tに岩井明愛と畑岡奈紗。明愛は初日103位Tから巻き返しての、畑岡は逆に最終日伸ばせずの順位。また、古江彩佳、勝みなみ、西村優菜、そして山下美夢有がトータルイーブン21位Tで並んだ。山下はこれで70pt前後のメルセデスポイントが加算されることになる。JLPGA女王を争う申ジエとの差は約150pt差。そのジエはなんと単独3位でフィニッシュ、360ptを獲得した。これはJLPGAツアー4日間大会の優勝分(300pt)を上回るポイントだ。よって山下とジエが入れ替わり、次週以降は山下がジエを追う立場になった。7月の時点で女王レースは山下独走の様子を呈していたが、これでまたツアーを見ていく楽しみがひとつ増えたと言っていいかもしれない。あと最終日特筆すべきは、西郷真央だ。この日5アンダーを出したのは優勝したリリア・ヴと西郷の2人だけ。最終日に伸ばすのがどれほどたいへんなことかは畑岡に聞いてみればいい。日本でも調子の上がらない西郷ではあるが、その実力に疑いの余地はない。
そして最後に最下位からスタートの無敵の人川崎春花。バーディ3つとったもののトリプルを含むボギーを重ねて、トータル17オーバー73位でフィニッシュした。しかし世界の73位だ、胸を張って帰ってきてほしい。