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2023年 第23戦 NEC軽井沢72ゴルフトーナメント

ついに勝ったよ
プレーオフ1ホール目。菅沼菜々のティーショットは左ラフへ。木がグリーンへの道を塞いでいる。フェアウェイに戻して勝負の3打目はピンまで7m。神谷そらの3打目は2.5m。今日の神谷なら間違いなく決める距離。菅沼はこの7mを決めないと初優勝はほぼなくなる。しかし無情にもボールはカップのわずか数センチ左を通り抜けた。「ああ、終わった」と誰もが思い、神谷のウイニングパットを見つめた。神谷の打ったボールは真っ直ぐにカップへ向かったのだが……

菅沼の大好きなハチワレ(「ちいかわ  なんか小さくてかわいいやつ」より)

カップに落ちそうなボールは、何かのチカラで弾かれるように右へくるりと回って外へ。これでプレーオフは2ホール目へ突入することとなった。
今日1日フェアウェイを捉えるのにたいへん苦労した菅沼だったが、最後はフェアウェイ右から2mへピタリ。しぶとくパーを拾って食い下がる神谷(これもすごい精神力だった)を振り切って、ついに、ついに勝った。最終ホールで追いつかれるというしびれる展開だったが、終始冷静に(そう見えただけだが)マネジメントできていた菅沼が、プロ6年目にして初優勝。
多くの人をずいぶん長い間待たせたが、すぐにステージに現れないのがアイドルなのである。原英莉花の復帰と合わせて、またJLPGAがひとつ明度を上げた日になったといえよう。優勝スピーチで自身が“広場恐怖症”であることを伝え、同じ症状に苦しむ人たちに元気と勇気をあげたいと言っていた。菅沼はその症状により、北海道や沖縄という車での到着が困難な場所で開催される大会には出場できない。シード選手でありながら5試合を欠場しなければならないのだ。その境遇がどれほどのものかは私などが測れるはずもないが、それでも笑顔でプレーし続ける彼女に元気をもらっている人は大勢いることだろう。「元気をもらう・与える」という言葉は、リアリストを気取っていた今までの私にとってあまり好きな言葉ではなかった。ただ元気をもらってしまった今日から、少し考えを改めようかとも思った。
菅沼菜々選手、初優勝おめでとう。すばらしい試合でした。

おめでとう
菅沼の両親、同期の稲見萌寧に混じってなんと菊地絵理香。実はやさしく素敵な先輩なのだ
ホステスの安田祐香は14位。責任は果たした。次は優勝だ

2023.8.13.15:59責了

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