2023年 第27戦 日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯
神谷そらがメジャー初制覇
「海沿いはまかせて」と言わんばかりの自信に満ちたプレー。強かった。
飛距離が武器なのは周知の事実だが、同じくらいパットが上手い。スタッツ見たら、平均パット数1.767は全体の7位。上から山下美夢有、鈴木愛、岩井千玲、申ジエ、岩井明愛、野澤真央(これは意外)そして神谷そら。このそうそうたるメンツのグループにいるのだ。(ちなみに惜しくも1打差で敗れた小祝さくらも神谷と同率7位T)
1打差で迎えた9番、首位の小祝さくらがバーディを逃すのをみて、4mのバーディを見事ゲット。ついに小祝と並んだ。フロントでトップの選手の背中に隠れて後半一気に抜き去るという、前回初優勝したフジサンケイの時の雰囲気が出てきた。次の10番で小祝がこの日初めてボギーを叩いたのをみて、1.5mを確実にしとめてバーディ。これで神谷が首位に立つ。さらに12番で小祝2つ目のボギーが出て神谷と3打差。
これで決まってしまったかと思われた16番。
神谷ボギーで、小祝のパーパットはグリーンの縁6mのところから。外せば3打差のまま残り2Hという現実的には神谷には届かないスコアになってしまう。
しかし彼女はやってのけた。
見事なスーパー・パーセーブで神谷との差を「2」に詰めて17番Par.3へ臨む。1オン2パットで神谷は安全にパーを拾う。2.5mを気合で決めた小祝さくらがついに神谷の背中をとらえた。こうなると流れは完全に小祝に傾いたと誰もが思った。
だが小祝さくらの追撃はここまでだった。
最終ホール、グリーン外からのアプローチはピン横をわずかに通り過ぎて終戦。冷静にパーパットを決めた神谷そらが選手権初挑戦で見事メジャーを勝ち獲った。おめでとうメジャーチャンピオン。
最終日最終組で神谷、小祝と一緒に回っていて、魔の9番ホールに来るまでは首位に並んでいた西郷真央。何を隠そう私は西郷の優勝を予想していたのだ。この大会のプレーは“あの西郷”が帰ってきたと思わせたからだ。
しかし9番でまさかの4パット。
起こってほしくないタイミングで起こるはずもないことが起こる。これだからゴルフは本当にこわい。来季はLPGAのQTを受けるという西郷。メジャーを勝って3年シードを決めてから行きたかったことだろう。だが、まだメジャーはあと2戦残っている。文字通りそれを置き土産にして米ツアーに旅立っていてほしい。
最後に菊地絵理香。2日目+4でホールアウト。この時点で67位T、予選通過ラインは+3。決勝への見込みは薄めなので、うっすら帰り支度などをしていたところ、あれよあれよと+3組が落ちてきて、結果59位Tで決勝トーナメントへ。決勝も完走し、52位Tでポイント5.10を獲得。おつかれさまでした。
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