毒金魚
日々が喉元にある。
横隔膜は時折に訴える。なにかを、わたしは問う。
えづきは過去をなんとか吐き出そうとするも、酩酊にやられ叶うことはない。
或る朝、首の曲がった鶏がわたしを目覚めさせようと首をつつきながら世界内存在を唱えるも、トリアタマは朝も夜も忘れなければ今を失う。生と死のあいだ、
人生切り売り、千切れた指の記憶は赤子ものこる。
月夜の晩に生まれたんだ。とても、とても泣いた。苦しくて、こわくて。永遠の悪夢のはじまり。原始の記憶はない。
動物ですらない。わたしは、何として生まれたのだろう。月夜に舞う珊瑚の卵。
古今東西、金魚売りとは金魚を売る。
キンギョーャ、キンギョ。
赤い毒飲み込んだら、それは遣瀬ないのだろう。