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TRPGって何? 流行りのトーク&ダイスロールゲームを遊び尽くせ!

 みなさん、TRPGって聞いたことありますか?

「は? 知らん」という人も、「あ~あの、よくVtuberとかが配信でやってるやつ」という人も、「やった人がみんなめちゃくちゃ楽しそうにしてるから気になるけど、よくわからん」という人も、今日はこれだけ覚えて帰ってください。

 TRPGは、究極のコミュニケーションゲームです。

  • 誰かと話して、相手の様々な考えを聞くのが好き

  • 誰かと協力して、問題を解決するのが好き

  • 誰かと競い合って、一緒に盛り上がるのが好き

 こういった人には特にオススメできる遊びです。
 つまり、「誰かと一緒に遊ぶのが好き」な人向け、ということですね。

 筆者は陰キャで極めてシャイなのですが、その裏返しとして複数人で集まってワイワイ盛り上がると安心するという性質があり、このTRPGというコミュニケーションゲームを特に愛好しています。
 ボードゲームとかマルチゲームとか好きな人はきっと好きになれると思います。

 ということで、今日はTRPGってそもそも何ぞや? という話と、その魅力についてたっぷりご説明していきたいと思います。

そもそもTRPGって何?

 ウィキペディアを見てみましょう。

テーブルトークRPG、あるいはテーブルトップ・ロールプレイング・ゲーム(英: Tabletop role-playing game)とは、テーブルゲームのジャンルのひとつ。ゲーム機などのコンピュータを使わずに、紙や鉛筆、サイコロなどの道具を用いて、人間同士の会話とルールブックに記載されたルールに従って遊ぶ“対話型”のロールプレイングゲーム(RPG)を指す言葉。

テーブルトークRPG - Wikipedia

 とのこと。

 RPG(ロールプレイングゲーム)をご存じでしょうか?
 ドラゴンクエストやファイナルファンタジーなどが有名ですね。これもウィキペディアで見てみると。

ロールプレイングゲーム(英: Role-playing game, 略称:RPG)とは、参加者が各自に割り当てられたキャラクター(プレイヤーキャラクター)を操作し、一般にはお互いに協力しあい、架空の状況下にて与えられる試練(冒険、難題、探索、戦闘など)を乗り越えて目的の達成を目指すゲームである。

ロールプレイングゲーム - Wikipedia

 要するに、カードゲームやボードゲームなどと同じ「非電源ゲーム」の一種で、「対話型」とされるように、会話によって進行していくゲームです。
 ドラクエやFFと同じように、参加者はおのおの、自分のキャラクターを操作して、さまざまな冒険を繰り広げていく、というわけです。

対話によってゲームをプレイする

 また、「対話型」とはいえ、なにもかも全てが口先三寸で進むというわけではありません。ゲームにはルールがあるものですし、TRPGにはゲーム機の代わりにゲームルールを司る役回りがあります。

 TRPGというゲームには、ゲームをプレイする「プレイヤー(略称:PL)」のほかに、必ず1名程度の「ゲームマスター(略称:GM)」という人物がいます。

 ゲームマスターはルールに則り、ゲームのストーリーを語り、プレイヤーに様々な冒険や謎を提示します。
 プレイヤーは協力して、あるいは競い合いながら、ルールブックに記載された様々なルールに則って解決方法を模索し、ゲームマスターに自分の行動を提案します。
 ゲームマスターはプレイヤーの提案を精査し、判定(ダイスロール)を求めたり、ルールに則って情報を開示したりします。
 こうして、PL同士の相談や、GMとPLの会話によって、TRPGというゲームは進んでいくのです。これが「対話型(テーブルトーク)」を冠する由縁というわけですね。

例:3名のプレイヤーが、それぞれ勇者、魔術師、盗賊の3人のキャラクターでパーティを組み、ダンジョンに挑むというファンタジーTRPGを遊んでいる。

GM「では、ダンジョンに入った皆さんの前には、先の見えない暗く長い通路が続いている。どうしますか?」

勇者「先に進もうか。」
魔術師「待って、暗くて先が見えないんだよね? 先に明かりをつけたら?」
盗賊「ついでに、罠がないか確認したい。」
勇者「わかった。じゃあ、明かりをつけます。」

GM「はい。では、先頭にいた勇者が明かりをつけると、通路はなだからにカーブしていたよ。なので、奥を確かめるためには進むしかない。ただし、明かりをつけたことで、右側にドアがあるのに気が付いたね。
 それから盗賊は、罠がないか確認するために器用さで判定する必要があるよ。サイコロを2つ振ってね」

盗賊「(コロコロ……)3と4、合計で7だ」
GM「では、盗賊は床に落とし穴があることに気が付いた。これでパーティ全員、この通路の罠を避けて歩くことができます。」
盗賊「よし。」
勇者「さすが!」

魔術師「右側のドアを開けられる?」
GM「右側のドアには、鍵がかかっていますね。」
勇者「鍵を壊すことはできないかな?」
GM「それはできないみたいだ。」

魔術師「実は私の魔術師は、最初に依頼を受けたときに、こっそり知らないおじいさんからこの『翡翠の鍵』をもらっていたんだけど。」
盗賊「まじかよ!」
GM「もし『翡翠の鍵』を右のドアに差し込むなら、ぴったりはまって、回すとかちりと音を立ててドアが開くよ。」

盗賊「GM、もうこの『翡翠の鍵』に使いみちはない?」
GM「それは秘密。」
魔術師「盗賊は、鍵が気になるの?」
盗賊「俺の盗賊、ものすごい借金をしていて、この依頼を終わらせるまでに翡翠製の道具を3つ売り捌かないとお尋ねものになっちゃうらしいんだ。」
魔術師「それを聞いたら、私の魔術師はちょっと呆れた顔をするだろうな。でもしょうがないから、使い終わった『翡翠の鍵』は盗賊に譲るね。」
盗賊「ありがたい。盗賊はヘコヘコします。」
GM「では、魔術師はキャラクターシートから『翡翠の鍵』を消して、盗賊はシートの持ち物欄に鍵を追加してください。」

勇者「右側のドアの向こう、部屋の中はどうなってる?」
GM「実は……そこは、全面が翡翠のタイルで出来た部屋で、豪華絢爛な翡翠製の調度品がずらりと並んでいるんだ。美しい部屋の中には、『翡翠の壺』、『翡翠の首飾り』、『翡翠の盾』があるよ。」
盗賊「すごい! 中に入って、その3つを拾います。」
GM「では、盗賊が中に入ると……突然、天井から巨大なコウモリが襲い掛かってくる!」
盗賊「ぎゃーっ!!!」

GM「ということで、3匹の巨大コウモリと戦闘になるよ(コウモリA、B、Cのコマをそれぞれマップに置く)。そして、盗賊はターンの最初に、巨大コウモリAの先制攻撃を受ける! 確定ダメージです。」
勇者「では、アビリティ【かばう】を使います。盗賊をこちら側に引っ張りながら、『危ない!』と言って、剣を抜く!」
GM「よし! では、盗賊の代わりに、勇者がダメージを受けるよ。(コロコロ……)3点のダメージ。ただし、勇者は『銀の鎧』を装備していて、2点軽減できるから、1点のダメージ。巨大コウモリの牙は、鎧を貫通できなかった。勇者は剣を振ってコウモリを追い払い、かすり傷で済んだみたいだ。」
盗賊「た、助かった。この恩はいつか返す。」
勇者「いいってことよ。」
GM「では続いて、『素早さ』の一番高い、盗賊のターンから!」

 こういう感じで、ひとりがキャラクターをひとつ動かして、GMや他のPLと会話しながら進んでいきます。

対応ジャンルが超絶広い!

 ちなみに、TRPGのジャンルはファンタジーだけじゃありませんよ!
 上記の例はあくまでサンプル。

 TRPGの本体は「ルールブック」という、ルールをまとめた書籍です。通称るるぶと呼ばれています。
 TRPGは基本的に人間がいてるるぶがあれば遊べるので、逆に言うとルールブックによってまったく違うあらゆるゲームが遊べます。

 例えば、みなさん、好きな映画、またはドラマやアニメを思い浮かべてください。
 映画を全然見ない人はゲームや漫画、小説でも構いません。
 思い浮かべましたか?

 あなたがいま思い浮かべた物語、それ、TRPGで遊べます。
 ミステリ、ファンタジー、現代ドラマ、青春もの、恋愛もの、任侠もの、ほろりと泣けるやつ、アイドル、動物もの、SF、ホラー、名状しがたいマイナージャンル、冒険もの、スポーツもの、異世界転生、艦これ、エヴァ、SCP、鮫、その他諸々、何もかも全てです。

 全てです。
 もしまだ存在しないものがあれば、それは作れます。

 電源ゲームのMOD(改造データ)を作るより簡単で、自由自在です。
 しかも、その感動は、一緒にゲームをプレイした人たちと共有できます(失敗してうまくいかなくても、少なくともみんなでワイワイする時間が作れるでしょう)。

 例えば「あなたの恋人は突然、事故で記憶喪失になってしまった。あなたの顔すら忘れてしまったが、あなたに贈るために買ったプレゼントだけは『大切なもののはずなんです』と離そうとしない。あなたが恋人であることを伝えると、『記憶を取り戻すのを手伝ってほしい』と頼まれ、毎日会いにくる約束をした……家には恋人との思い出の品がたくさんあり、あなたはその中のひとつを病室に持っていくことができる。どうする?」みたいな、ちょっとした恋愛ものでもよいですし。

「あなたは目を覚ますと、知らない廃屋の中で倒れていた。身体は縄で柱に縛りつけられている。鉄さびのようないやな臭いが鼻につく。目が馴れてくると、隣の柱のほうに血だまりがあるのが見えてしまった。あなたを縛っている縄は、少しほどけかけていて、抵抗すれば外れるかもしれない。さあ、どうする?」というような、ホラーサスペンスでもよいです。

 本当になんでもできます。イマジネーションの限り。

ゲーム体験は無限大!

 でも――カードゲームでもボードゲームでもなくニンテンドースイッチでもない、TRPGの「良さ」って何でしょう?

 これはいろんな意見があると思うんですが、個人的には「人の数だけ物語がある」という「体験の無限大さ」みたいなものがスゲーなと思っているところです。

 そもそもゲームが他の娯楽より「良い」ところって、
 やっぱり「体験できる」というところだと思うんですよ。

 コマンドを入力したり、レベリングをしたり、試行錯誤したり、謎解きしたり。敵を倒して、強くなって、うまくいかなかったものがうまくいくようになって、謎が解けると思いもよらない真実が現れる。
 ゲームは「プレイヤー」の行動を反映して、「体験」を返してくれます。その内容は「増えていくリソース」や「所有感」、「成長」や「勝利」、「物語」などでしょうか。

 TRPGでは、その「体験」は、さらに必ず「対話(コミュニケーション)」を伴います。

 最初に書きましたが、TRPGは「究極のコミュニケーションゲーム」です。
 コミュニケーションは難しいですね。今日はいい天気ですねとか、その服センスがいいですねとか、共通の土台を探ることから始まり、着地点も定められていませんから、ひたすらキャッチボールをすることになります。

 ですが、TRPGには「共通の、明確な目的」があり、「コミュニケーションを中心として、全員でお互いの体験を形作る」という、人生のうちで一般的にはリアルの充実したコミュ強に限定して高校の文化祭ぐらいでしか得られない成分が高い確率で得られます。

 そして、TRPGにはプレイヤーキャラクターという概念があります。ひとりひとりがゲームの主人公です。それを理解し、お互いに尊重し合うことができれば、「コミュニケーションと成功体験がイコールでつながる」という、社会生物である人間にとってはあまりにもヤバい「体験」が、お手軽にできるってワケです。
『TRPGには友達が付属しないから難しい』というよくある説話がありますが、逆です。TRPGを通して、あなたが、誰かの友達になるのです。

 つまり、筆者としては、灰色の青春をTRPGで巻き返そうとしているというわけですね(これは個人の所感です)。

TRPGはいいぞ

 というわけで、非常に主観的ではありましたが、TRPGというものがどういうものなのか、その魅力は何なのか、という内容で書かせていただきました。

 コミュニケーションゲームという側面から、TRPGを快適にプレイするためには、参加者全員にある程度の「心理的安全性(あなたラボワード)」、「場の信頼感」のようなものが必要です。
 ですが、たくさんの人の意見を聞き、無数の点を打ち、それを繋げる楽しみを見出すことができる人は、きっとこの遊びを気に入ってくれるのではないかと期待しております。

 みんな!!
 やろう、TRPG!!!


次回予告

 次回はTRPGを実際にやってみたい人のために、おすすめのルールブックの紹介とか、TRPG特有の用語などをまとめたものを作ったりしようかなと思います。
 最近流行っているTRPGといえば「クトゥルフ神話TRPG」ですよね。あとはTRPGそのものの敷居を下げた「サイコロフィクション」シリーズ、例えば「シノビガミ」や「インセイン」なども、初心者でもかんたんに楽しめてとてもよいですね。少人数でのプレイなら「フタリソウサ」や「アンサングデュエット」もいいし、データが多くて少し敷居は高いですが「ダブルクロス」や「サタスペ」も面白いし、「スカイノーツ」とかは本当に超絶面白すぎてまだGMしたことないのにシナリオ書いてるし、「りゅうたま」も可愛くて本格的でるるぶが無料だし、まだプレイしてないけど「獣の森」もやってみたいし、最近発売した「虚構浸食TRPG」も早くやりたいし……もうお前がやりたいだけだろ!

 あと、最近のTRPGはほとんど対面ではなくオンラインツールを使ったオンラインセッションとして、電子的に行われることが多いです。非電源ゲームって言ったじゃん! うそつき! そうです。ちょっと嘘だったかもしれません。いや! でも電源なしでも遊べますから!
 そういったムーブメントから、オンラインでTRPGを遊ぶ方法についてもいろいろ解説してみたいですね。

 あとはTRPGライツ事務局の制定したSPLLの話とか……
 TRPGの話、したいことしかないのでは!? 困りましたね。このnote、TRPGの話しかしなくなっちまうかもしれねえな……。


サーバー費用で貯金がめちゃくちゃなので、なにかしらサポートしていただけるとちょっと助かります。