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「COVID-19のスーパースプレッダーになりやすい人って?」
TONOZUKAです。
COVID-19のスーパースプレッダーになりやすい人って?
以下引用
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において、スーパースプレッダーになるリスクが高い患者の特徴をまとめた論文が発表された。COVID-19患者の中でも、糖尿病、関節リウマチ、脳梗塞の既往がある患者は、これらの既往がない患者と比較して高いウイルスコピー数を有しており、周囲への感染力が強くなる可能性があるという。
COVID-19では、一部の患者がスーパースプレッダーとなり多くの感染を引き起こすことが流行当初から知られていた。このような患者は、体内でのウイルスコピー数が多く、ウイルスの排出時間が長いが、必ずしも本人が重症化するとは限らないと言われている。そのため、無症状または軽症のうちに意図せず感染を広めてしまう。
今回、このCOVID-19患者における基礎疾患とウイルスコピー数の関連について報告したのは東京医科歯科大学教授の藤原武男氏らの研究グループだ(Kawahara T, et al. J Infect. 2021;S0163-4453(21)00656-3. doi: 10.1016/j.jinf.2021.12.036.)。
同研究は、2020年3月から2021年6月に同大学病院に入院したCOVID-19患者のうち、RT-PCR検査にてウイルスコピー数を1回以上測定した患者379例が対象(年齢:59歳[中央値]、女性:33%)。対象患者の電子カルテの情報を基に、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、関節リウマチ、癌、慢性腎不全、脳梗塞、心疾患、呼吸器疾患、アレルギーといった既往歴を調査し、ウイルスコピー数との関連を調べたところ(年齢、性別、喫煙歴で調整)、これらの既往歴を3つ以上重複して有する患者では、既往のない患者と比較して、ウイルスコピー数が87.1倍(95%信頼区間:5.5-1380.1)になっていた。また、糖尿病の既往がある患者では17.8倍(1.4-223.9)、関節リウマチでは1659.6倍(1.4-2041737.9)、脳梗塞では234.4倍(2.2-25704.0)に有意に増加していたことが分かった。
これらの疾患とウイルスコピー数の関連について藤原氏は「糖尿病では免疫機能低下を来すことが知られており、脳梗塞でも脳障害が免疫系の異常を引き起こすことが指摘されている。また、関節リウマチ患者の中には免疫抑制薬を使用している患者が多い。そのため、これらの疾患の既往がある患者ではウイルスの排除が妨げられたのではないか」と考察し、「スーパースプレッダーになるリスクが高い患者を基礎疾患などの情報から特定することで、院内での隔離や注意喚起などの適切な感染管理措置を取ることができるかもしれない」と期待する。
ただし、現段階では、高いウイルスコピー数を持っていた患者が実際に大きな感染源となったかは検討されていないという。
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