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キングソフト社の配膳ロボット「Lanky Porter」の仕組みを徹底解説!技術的な設定から活用シーンまで、ロボットの裏側をまるっと公開します!

こんにちは。採用広報担当の小林です。
ビジネスチャット・社内SNS「WowTalk」や法人向けクラウド型オフィスソフト「WPS Cloud Pro」、セキュリティ&コンテンツブロックアプリ「アドクリーナーPlus」など多様な製品群を抱えるキングソフトですが、近年成長著しい事業としてAIサービスロボットがあります。

<AIサービスロボット>と聞くとピンと来ないかもしれませんが、実は皆さんの身近な所にも数多く存在していて、そのうちのひとつが、レストランやカフェでお客様のもとにお料理やお飲み物を運ぶ「配膳ロボット」です。この記事をご覧になっている多くの方が、飲食店や小売店でテキパキと動く配膳ロボットを目にされたことがあると思います。

そんな配膳ロボットですが、コロナ禍を機に普及が進んだ一方、「どうやってテーブルを間違えずに運べているの?」「どうして人や物を避けることができるの?」とその仕組みについてはあまり知られていないと思いますので、ここでは、弊社キングソフトが提供するAIサービスロボット「Lanky Porter」を例に、どのような設定や確認を経て飲食店等で活躍するにいたっているのかを6つのSTEPに分けてご紹介していきます!

STEP1: 導線の設定 / 配膳ロボットの走行ルートを設定します

導線の設定

まずは、店舗内においてどの道を走行させるかを配膳ロボットに覚えさせます。当然、店舗ごとに導線は異なりますので、導入先の店舗にスタッフが足を運び、走行ルートを設定します。一方通行や双方向の通路、通行禁止など、細かく設定が可能ですので、交通ルールに違反することなく、適切な道を走行することができるようになっているのです。

―どうして人や物にぶつからないの?
配膳ロボットが人や物にぶつからないのは、搭載されているカメラやセンサーにより障害物などの幅や高さ、形状を検知、人や物体との衝突を避けるようになっているからです。
なお、「Lanky Porter」においては、頭部にIRカメラと高解像度カメラが1個ずつ、下部にRGBDカメラとレーザ―レーダーがこちらも1個ずつ設置されており、高い安全性が担保されています。

STEP2: 通路幅の確認 / 配膳ロボットが走行する通路幅を確認・確保します

通路幅の設定

前述のように、走行ルートは自由度高く設定ができるものの、そもそも配膳ロボットの幅に対して、走行する通路幅が狭すぎたら配膳ロボットが通ることは不可能です。「Lanky Porter」の場合は75cm程度の通路幅を推奨しており、最小でも65cm程度の幅が必要になります。

STEP3: テーブル位置の設定 / 運ぶべきテーブルの位置を設定します

テーブル位置の設定

レストランの場合、テーブルごとに番号が割り振られているのが一般的です。テーブル番号にあわせて、配膳ロボットが向かうポイントを個々に登録します。そうすることで、間違うことなく、届けるべきテーブルに届けるべきお料理を運ぶことができるようになります。「これ頼んでませんよ?」「あ、失礼いたしました」誰しもが外食をした際、こんなやり取りをしたことがあると思いますが、配膳ロボットであればこのようなやり取りは発生しません。

―運べる量や大きさは決まっているの?
「Lanky Porter」の配送能力は以下の通りです。

収納:標準3層(最大4層)
単層積載量:10kg
単層面積:50cm×43cm
総積載量:40kg

「Lanky Porter」は振動を和らげるためのサスペンションも備えているため、上記の量や大きさの範囲内であれば、お料理を揺らすことなく、こぼすことなく、安全にお客様のもとに運ぶことができます。

STEP4: 向きや位置の設定 / 配膳ロボットが目標地点に到着した際の向きを設定します

向きや位置の設定

「Lanky Porter」含め、多くの配膳ロボットは指定されたテーブルまで走行することはできるものの、お料理をテーブル上に載せることまではできないため、最後はお客様ご自身でお料理を受け取っていただく必要があります。その際、なるべくスムーズに受け取っていただけるよう、テーブル到着後の「Lanky Porter」の向きや位置をあらかじめ設定しておきます。

ただ単にお客様のテーブルに運ぶだけではなく、お客様にいかに負担をかけないかもしっかりと考慮された設計になっています。

STEP5: 速度の設定 / 配膳ロボットの配送速度と帰還速度の設定をします

速度の設定

「Lanky Porter」はお料理を運ぶ際の配送速度、お届けした後の帰還速度が一律ではなく、秒速0.1m〜1.2mの間であれば店舗ごとにカスタマイズ設定が可能です。たとえば、ドリンクやスープ類の配送頻度が多いお店では少し遅めの速度設定に、一方で定食類が中心のお店ではより効率的に配膳を行うため速めに設定するなどの細かい調整が可能です。

また、区間ごとの速度設定も可能なため、人の往来が多い場所や見通しが悪い区間は遅めの設定にするなど、安全性にも最大限配慮することができます。

STEP6: 待機地点の設定 / 配膳ロボットが待機する地点を設定します

待機地点の設定

一口に配膳ロボットと言っても配送用、下げ膳用、案内用と用途が異なり、用途ごとに待機すべき場所も異なります。ですので、配膳であれば厨房内からお料理があがってくるエリア、下げ膳であればホール付近、案内であれば入口付近など用途に応じて待機させる場歩を設定します。

なお、「Lanky Porter」には以下5つのモードがあり、用途に応じた多様な動きが可能です。

01.配送モード
事前に設定したスタート地点から、任意の地点まで配送を行います。一度の配送で複数地点に配送業務を行うことが可能です。

02.下げ膳モード
下げ膳に特化したモード。お客様が帰られた後のテーブルに向かわせて、洗い場に帰還します。タスク途中でも向かわせたい地点を追加することができます。

03.宣伝モード
任意の画像/動画をディスプレイに表示したり、ロボットが発する音声の設定が可能。利用者に必要な情報を自由にお届けできます。

04.案内モード
事前に登録した地点の中から行先を画面上で選択することで、ロボットが地点まで案内を行います。

05.巡行モード
ロボット上で登録した地点の中から任意の地点を自動で巡回します。巡回中にディスプレイに表示する画像やロボットが発する音声は自由に設定することができます。

おわりに

以上がAIサービスロボット「Lanky Porter」の基本設定となります。自動でスイスイと動いているように見える配膳ロボットですが、そこにいたるまでの裏側がおわかりいただけたのではないでしょうか。なお、「Lanky Porter」をさらに詳しく知りたい!という方は、「Lanky Porter」のWebサイトをご覧ください。

また、今回の記事をきっかけに、キングソフトという会社に興味をお持ちいただいた方は、以下の採用サイトや企業サイトもぜひご覧ください!