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【創作百合】One I love, two I love (一つ私愛してる、二つ私愛してる)【1・22今日の百合 せつない百合】

 

 その子は本当に自分に自信がない子で、ずっとずっと悲観的にものごとを延々と考えているような子だった。延々と、延々と。


 本当にかわいいのに自分はかわいくないと嘆いて、
 本当は優しいのにそんなことはないと言って泣く。

 それはきっと謙遜の気持ちからの言葉とかではなくて、心から自分には価値がないと思い込んでいるように、それらの言葉をいつも吐き捨てるように言うのだ。


 眉間に皺を寄せて、
 くちびるをへの字に曲げて。

 どうしてこんなにひねくれちゃっているのかなあ、と口には出さずに頭の中で考える。

 何がいけない? 何があったの? 何がそんなに? ねえどうして?

 四六時中あの子のことばかり考える。これはきっと恋ではないのだけれど、あの子のことを考えてしまう。


 幸せにしてあげたいなあと思うよと伝えたら、じゃあ幸せにして。結婚してって言われて。
 じゃあ、女同士でも認められてるところ探しとくって言ったら、冗談だよって、泣きそうな顔して笑ってた。そんなことできるわけないじゃんって笑ってた。

 幸せ=結婚なんて誰が言いだしたんだろう?
 一緒に居るってだけじゃだめなのかな。わたしがそばに居るだけじゃだめなのかな?

 そばに居るよ。頭をなでてあげるよ。抱きしめてあげるよ。話しを聞いてあげるよ。
 自分に自信を持って。価値がないなんて思わないで。こんなにあなたを大切にしているのに、あなたはそれを受け止めてくれているのに、どうして不幸だなんていうの。どうして人間が嫌いだなんていうの。


 一人分だって、二人分だって、何人分だって愛してあげるのに。

 私が男の子だったなら、彼女を幸せにしてあげられたのだろうか?
 私が女の子だったから、彼女を幸せにしてあげられないのだろうか?

 男の子じゃなくてごめん。そう言って泣いたら、あやまることじゃないよって言われた。
 彼女と私の世界は、すごく近くてすごく遠い、と、そう思った。



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