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スペイン旅行記【4日目】

お久しぶりの海外旅行、
行程4日目、滞在3日目の記録です。

【4日目(7/20)】

●この日は午前中頑張ることになってたので早めに起床して朝食会場に突撃。前日ソファーが設置されてたリラクゼーションスペースは、この日なにか講演でもあるのか、パイプ椅子で埋め尽くされていた。
●この日もこの日で朝食を満喫。各テーブルにメニュー表がおいてあって一品オーダーできるのだけど、“タマゴはどうだ?”って薦め方をしてくるから前日はゆで卵とポーチドエッグ、この日はオムレツとスクランブルエッグを発注。料理上手で美味しいんだけど、実は他のメニューも頼めるんじゃないか?という疑問に翌日挑戦することに。


毎朝ホールで置いてあるチーズケーキが美味しい。太る。

●9:00過ぎに活動開始。この日はガイドブックに掲載されていた“世界遺産通り”ことプラド通りをなぞる行程。本日最初の目的地はレティーロ公園。この公園にはRPG世代の厨二心を刺激する「クリスタルパレス」なる硝子張りの宮殿が存在する。さらにその道中には、同じく厨二心を刺激する「堕天使の噴水」が待ち構える。絶対中ボスとして出てきてファンの間でカルト的な人気になるやつだ。
●そんなガイドブックには特に載ってない中ボスとのエンカウントを目指して世界遺産街道を征く。この時間はまだ気温が比較的低いからか、犬の散歩がたくさん行われている。お互いにめっちゃ吠え合うのがスペインスタイルらしい。のはいいんだけど、歩きタバコが横行してるのだけはご勘弁いただきたい。死刑で。
●レティーロ公園はジワジワと坂道を登った先の少し小高いところにある。セミと犬の声をBGMに到着すると、木陰で日差しから逃れながら、ヤツの元へ。いた。

≪レティーロ公園≫

Fuente de Angel Caido

●周りには平穏に朝の散歩に勤しむ市民たち。その真ん中に、ややグロテスクな装飾を施した片翼の天使がひとり佇む。噴水と名乗りながら水はなく、道路はヒビ割れ、周辺は夏の日差しも相まってひどく枯れている。…何この厨二感。ちなみにびっくりするほど誰も注目はしていない。
●碁盤の目のように道が張り巡らされているレティーロ公園内は、交差点にこうした噴水などのモニュメントがちらほら置かれていた。公園内交通の要所のようです。
●中ボスとの激闘を終えた我々は、疲弊した身体を引きずりながら最後の決戦の舞台へ歩みを進める。…見えてきた。あれがこの過酷な旅の終着地点。その名も、「クリスタルパレス」。


水晶宮殿。絶対ラスボスに有効なアイテムとか手に入る。



●ちなみに念のため補足しておきますが、我々は激闘していなれば身体を引きずってもいないし、旅の終着地がここなわけでもない。あしからず。
●クリスタルパレスが何であるのかはいまいち定かではない。ただ、ガラス張りで作られた厳かな宮殿は、夏の日差しによる反射と空の青とのコントラストで、とても雰囲気がある(中二病的な)。
●クリスタルパレス前の池のほとりには黒鳥…いや、ここは雰囲気に則りブラックスワンとお呼びしよう。きっとこの宮殿に挑んだ冒険者の変わり果てた姿に違いない、とか、いちいちRPG的な設定を脳裏で考え(つつ口に出し)ながらものの見事に雰囲気に飲み込まれる。
●奥様から、池を挟んで噴水を入れて撮るのがいい感じの写真スポットであります旨仰せつかり、池の反対側へ。外周には様々なモニュメント。いずれも夢破れた冒険者たちの以下略。対岸にたどり着くと、目の前には池+木+噴水+クリスタルパレス。とても雰囲気がある(もはや何のとは言うまい)。


Black Swan

●そんなこんなクリスタルパレスをたっぷり堪能した我々、10:00から中も無料開放されるらしいけれどいっこうに開く気配がないが「透明だから中に入っても大して変わらない」という謎の(私の)理屈で重い腰を上げることに。ちなみにすでに事前に立てた予定的にはものの見事に押している。

≪プラド美術館≫

●クリスタルパレスを後に我々が向かうのは、プラド美術館。世界遺産街道のメインである、スペインを代表する美術館。まぁただやっぱり芸術ぼんやり層である私には何がどのようにすごいのかわからない。奥様曰く「展示品に収奪物が一つもない」というのが自慢らしい。…大航海時代にあれだけのことをやったスペインでそれは、確かにすごいのかもしれない。


プラド前の広場



●ここで今再び取り出したるは「パセオ・デル・アルテカード」。渡欧前は本当に使えるのかどうか訝しんでおりましたが、ちゃんと訪れた最後の使用機会。プラド美術館では、チケットカウンターに持っていくことで引き換えに入館チケットをくれる仕組みになっていました。
●世界で人気の観光施設なだけあって、プラド美術館までもまた入館までの列&スペインクオリティの列捌き。待機列用に日陰を作るパラソルがあるので若干マシではありますが、やっぱり暑いは暑い。
●列が進まない要因はおなじみの手荷物検査。どこもX線を通すのですが、プラドでは予め飲料等はクロークに預けるよう指示されます。館内はカフェ以外飲食不可のようなので、致し方ないにせよちょっと窮屈さを感じる。館内広いし。
●収奪品のないことがウリのプラドですが、もちろんそれだけではなく、有名画家たちの絵画が広大な美術館中にズラリ。そしてミロとか印象派みたいなエンターテインメント性がほとんど差し込まれないので、とてもずっしりしている。館内は撮影禁止。芸術ぼんやり勢にはかなりヘビーな構成です。でもなんかたっぷり出てきたルーベンスの絵に関しては、他の宗教画や同年代の作品に比べて圧が強かったりして、作品のクセ(魅力というべきか)を感じることができた。
●目玉のもう一つは、ベラスケス作「ラス・メニーナス」。マルガリータ王女を囲む女官たちの様子を描いた、欧州芸術史の中でも重要な作品とされている絵画。何故重要なのか芸術ぼんやり勢の私には定かではないのだけれど、この絵を見た意味は後々別のところで表れる。
●有名作家や有名作品が出てくると芸術ぼんやり勢にもやや落ち着きが出てくるところで、その後は上階の宝物コーナーみたいなところにでてきた煌びやかな装飾品や食器をみて「すごーい」「きれーい」を発動。2時間弱ほど我々なりにプラドを楽しみ退館。即、水分補給。

≪教会・アルカラ門≫

●プラド退館後は近くの教会で一息。休息場所ではないことは理解しているんだけど、安定して日影が担保される無料の座席が多い公共の建物。しかも立派。信徒の皆様には申し訳ないけれど、クーリングシェルターとして教会が機能しまくってる。

外観
教会はもれなくかっこいい



●教会内の観覧と休息を終え、プラド通りへ帰還。次の目的地である「アルカラ門」を目指す。マドリッド到着時に下車したシベレス広場を通って進むと、遠目に見える門のシルエットを発見。かなりの大きさを感じる…が、何かがおかしい。あれは…絵?


まさかのハリボテだったアルカラ門

●マドリッド有数のモニュメントである、約20mからなるアルカラ門。そんな街のシンボルはなんと、絶賛工事期間中。門の前後は目隠しするようにアルカラ門が描かれたカーテンが下りていました。残念。ある意味貴重だけれども、と思い直しながら門を横目に通り過ぎ、改めて、今度は本日のランチ捜索へ。

≪昼食≫

●向かったのは「ラ・ジェラルダ」これもるるぶに載っていたという評判のお店。落ち着いた店構えで、店の外にはレストランメニューとバルメニューが掲載されている。事前にここでGoogle翻訳で黒板に記載のメニューを翻訳。どれもおいしそうです。

ラ・ジェラルダ

●入店すると、広い店内は中々に空いていた。まぁ、平日の昼間(シエスタ中くらい)ですものね。手前がバルスペース、奥がレストランスペース、だけど我々は当然レストランスペースに通される。ですよねー。店員さんは観光客の相手に手慣れているようで、スッと英語メニューを持ってきてくれた。しかし、これが返って我々に混乱を与えることになるという。
●ということで早速英語メニューにGoogle翻訳をかざす我々。しかし、日本でもよくあることではありますが、道路上ではつながったWiFIが屋内に入ると一気に貧弱になり、全然読み込めない。しばし試しても反応がないため、英語メニューを読み込む。しかし今度はメニューの多さ&有名なスペイン料理まで英語に翻訳されていた(と後でわかった。例えば「Broth Rice」。直訳だと「出汁ご飯」=炊き込みご飯=パエリヤ。わからん)ため、逆に「これは…なんだ?」ってなる。困った。
●対応に窮した我々は、ぎりぎり何が来るか「わかるもの」を頼む方向に方針転換。「Shrinp & Garlic」「Shrimp Omlet」そして唯一無翻訳だった「Paella」を注文。実は前日、食事選びについて「料理縛り」もアリではないかと、一番有名料理であるパエリアを狙い撃ちすることを提案していたのですが、狙ったわけでもないけど結果的に、どうやらパエリアにありつけることに。
●お通しには小さなイカを何かした料理が出される。おいしい。この時点でここはちゃんと美味しいことが分かったので安心した。前日のレストランではパンが出てきたけど、ここでは各テーブルに箸休め的なプレッツェルの袋が置いてあるだけで、パンは無し。頼めば出てきたのかもしれないけれど、値段のわからないものを頼むのはちょっと怖い。
●まず出てきたの「Shrimp Omlet」。たぶんちゃんと現地の料理名があるんだろう。オムレツというか、小さなエビを卵の衣に混ぜ込み、薄く揚げたかき揚げのような料理。おいしい。続いて出てきた「Shrinp & Garlic」は…小エビのアヒージョだった。それはもうそう書いてほしい。っていうのも酷か。もちろんこちらも、おいしくいただきました。


おまちかねのヤーツ


●最後に出てきたのはお待ちかねのパエリア。…なんか、すごいサイズで出てきた。ちなみに注文は2人前からになるので、このサイズが2人前。でかい。奥様、早々に任せた宣言。コメに強い私、任される。しかし、これが後々私にダメージを与えることに。
●見た目通りのオーソドックスなパエリアは、鍋の底は浅いため見た目ほどのボリュームではない(けど十分多い)。大皿からとりあえず1/6ずつ、それぞれの皿に盛ってひとさじ。おいしい。望んでいた、名物料理の味わいが口に広がる。いやースペイン来たわー(いまさら)。全体の2/3ほどを食べたところで、概ね残りの1/3ほどを引き受けて大きいスプーンでほおばる私。うまうま。この時はのんきに食べていた。ほどなく完食すると、会計は必殺のチェックプリーズ。異国のご飯を満喫した。

≪お買い物≫

コロン広場(たぶん)

●そのままさらに通りを進む。アルカラ門あたりから伸びる通りはちょっとしたショッピングストリート。有名ブランド店などが軒を連ねてます。その通りの入口にあたるのか、地下鉄の駅前に謎のモニュメントを発見。なんだかはわからないけどみんな写真に撮ってるので、便乗して撮る。ここはいったい何だったんだろう、後で調べようと思ってたけどそのまま放置していた(コロン広場というらしい)。
●今回の旅は、奥様がスペインの有名ブランドである「LOEWE」「LLADRO」を訪れる(買うかどうかは気分次第)を一つの目的としていて、この通りに店舗があることはもちろんリサーチ済み。街道を進む。
●先に現れたのは「LOEWE」のマーク。明るい店内にLOEWEのシャツ着た店員さんがお出迎え。ある程度の入店制限を設けているようで、店内で待つこと4,5分、店員さんに名前を告げて店内を眺める。日本の店舗だとあったりなかったりするという人気商品「puzzle」は、さすがは本場、充実の品ぞろえで見つかった。旧モデルと新モデル、そして様々なカラーバリエーションがある中で、奥様、大本命が見当たらないこと、そしてまだこの先(防犯的に)危険な行程の残る旅の前半から高額商品に手を出すことに、大いに葛藤する。悩め悩め(そして買え)と私は心の中で悪魔のささやきを送る。あとLOEWEはスマホカバー(象)とか小さいバッグ(フグ)とかでたまに超奇抜なデザインを放り込んでくるの何なんだろう。
●結局この場は手を出さなかった奥様、通りを進んで続いて入った「LLADRO」でも大いに悩む。LLADROの場合は店内に様々な色姿形をした陶器が並び、さながら美術館の気分で楽しい。ここも移動リスクを省みて、今回は見送ることになりました。
●また少し先に行ったところに「INGLES」というスペイン唯一のデパートグループの建物が出没。ちなみにこのデパートはバルセロナにもある。マドリッドで立ち寄った店舗は小さめで、規模感的には丸井くらい。ここにもLOEWEが入っているということで、ちょっと立ち寄って覗いてみたら、あった。「puzzle」。奥様、再び大いに悩む。
●しばしの葛藤の末INGLESを辞してUターン。コロン広場→アルカラ門を通り過ぎて、始まりの地・シベレス広場に帰還。ここから見えるシベレス宮(旧・市庁舎)も人気観光スポット。中を観覧できて、展望台やレストランもあったりするらしい。しかし、目の前のバス停に表示された現在の気温は41℃。もう、そんなに展望している状況ではない。慌ただしくホテルに避難。


41℃

≪王立植物園≫

●ホテルでサクッと部屋着に着替え、一時クールダウン。と、奥様が今日の行程の中で、プラド通りにある王立植物園を飛ばしたことに気づく。ちなみに年のせいか暑さのせいかと思いながら、私はベッドの上でくたばっていた。
●私がくたばっていた大きな要因は、昼のパエリア。芯を残して焚き上げるため日本で言えば「生米」の状態であったパエリア。それを一人でおよそ2/3皿平らげたことで胃の中で急速に水分を吸収し、膨れ上がっていた。単純にお腹いっぱいなことにプラスして、消化不良という形で私に襲い掛かる。どうやら睡眠リズムは現地時間に追いついても、内臓時間は追いついていなかったようだ。ちなみに私個人的には消化不良=内臓不良状態だと考えていて、何かしらの不調が起きている前触れとしてよく症状が出る。そんなわけで、若干危機を感じ始めていた。


王立植物園

●1時間程度の休憩ののち、ホテルからほど近い王立植物園へ。道中、奥様に不調である旨を白状する。大食漢である私が食事をパスしたいと提案したことでものすごい大変な事態だと思われたようで、いたく心配をおかけいたしました。旅行先なので不調の芽を早めにつぶすことが目的でしたが、結果的に無理しなくてよかった。
●王立植物園ではそんな私くらいに夏の日差しに弱った植物と、その陽射しに負けずぐんぐん葉を伸ばす植物とがしのぎを削っていた。花の咲くシーズンだともっと映える景色になったのかもしれない。植物園併設の博物館や、日本人庭師のプロデュースによる枯山水の展示など、植物以外のみどころもございました。
●1時間弱くらい庭園を回って、プラド通り予定の行程=マドリッドでの旅程を終了し、ホテルへ帰還。帰還前に、前日立ち寄った100 Montaditosの隣に別のチェーン店があることに気づいた我々は、「ジュースくらいなら飲めるだろう」と、そこでフレッシュジュースを買って帰還することに。
●立ち寄ったのは「Faborit」というスペインの自然食チェーン。メインは色とりどりのフルーツor野菜スムージーで、他にも軽食なんかも取り扱ってる。異国の店で希望通りの注文を通せるかがとても難関ですが、今回も失敗。ベリーのスムージーを頼むつもりが、両方ともバナナベースのスムージーになりました。無念。でも、この時の内臓状態にはこれくらいの飲食物がちょうどとてもよかった。


バナナ×バナナ



●19:00ごろにホテルに戻り、マドリッド最後の一日を終える。我々頑張りました。冷蔵庫の余っている飲み物を片付けながら翌日の予定を確認した後、私はいまいちいつ寝たのかが思い出せない。そう。寝落ちた。

➡5日目に続く

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