会社に行けなくなっちゃった
毎朝のことなのに、不安な時や憂鬱になる時がある。時刻は午前5時。リビングのいつもの場所でタオルケットを掛けて寝ていた。
スーツに着替えてタオルとは別にハンカチを二枚。汗を大量にかくからこんなに持参する。
会社のスマホ。画面をチェックして、誰からも着信がないことを確認する。
靴を履き、自転車にまたがる。
空の色は、最近見ていない。
晴れてても、雨でも曇りでも、僕の心はなにも感じない。
道すがら、自転車をこぎながら、
あれをしなくは、これもしなくては。
関係部署への連絡。
業務のスケジュールをザックリと立てる。
見積も手配も溜まっていた。ここ数ヶ月の業務スピードがなんだか落ちていると感じる。気を引き締めなければ、納品に間に合わない。
相談しようとしても、なかなか出来ない自分がいる。
お前は、相談するのが遅いんだよ!
分かっている。だけど、これを相談すると、時系列で答えなければならない。
だから、なんでこんな急ぎの発注を止めといた?そんなに忙しい仕事与えてないぞ!
分かっている。でも、出来ない自分がいる。
おまえ、入社して何年目や?
色々とお言葉をいただき、その度に言い訳の言葉すら口から出てこない。すべて、自分のスピードが遅いから。
部長の前で立たされる。この光景を、年下の人間が見ている。どんな風に見られているのだろう。
じんわりと汗が滲んでくる。