祈り
私はここでは言葉でしかない。
君の中の言葉で解釈されるだけの存在だ。
君に認識された時点で私の言葉は君の言葉となる。
君にとって私が実在しようとしまいと構わないだろう。
特別に何かが変わったりしない。
ここでは私は言葉でしかない。
だからといって悲観しているわけではない。
どういった訳か知らないが君は今、私の言葉をなぞっている。
私の言葉は君がなぞっていく端から君の言葉へ変わっていく。
私だけの言葉は消えていき君のものとなる。
この頁もまもなく終わる。
私の言葉が全て、君の言葉になる前に記しておこう。
私の言葉がいつか君にひとつ幸せをもたらす。
その幸せは私の祈りだ。
君の幸を祈る。
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