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「ゴジラと戦ったメカゴジラ」を作りたかったオヤジモデラーの物語~「MFS3/3式機龍」制作記④

 noteの世界のみなさん、ごぶさたしています。きんぐじょーです。さて、ちまちまと書き綴ってきた「メカゴジラ制作記・物語風」も今回が一応最終回となります。ボディの足腰部分、腕なども組み上げた主人公の「男」の制作も最終盤へ。それでは、今回もこのかけ声から。
 「行くよ!機龍」ー。

ボディ電飾…光る、ばっちり光る

 出来上がった足腰部分のコードをボディ経由のコードにハンダ付けして、コード2本にまとめた男は、ここでもまた電飾の光り具合をテストしてみたくなった。バックパックも連結して電池をつなぐ。

足腰とボディを連結。尾がとりつく部分からコードを引き出した状態
電池をつないで、スイッチオン。写真でもかなり良い光り具合

 光る。ばっちり光る。
 接触不良もないようだ。しばしその点灯状態に見入った男はニヤリと笑みを浮かべた。

間違えずに組み上げるためには?

 頭・首部、バックパック、ボディ、手足と作り進み、組み立て説明書のページも残りわずかになった。制作の最後は、機龍の姿を形成するうえで大きな特徴である「尾」部分に取りかかる。
 ボディから伸びる長い尾は、同形態のパーツが先端に向かうに従って徐々にサイズダウンしていく。それぞれが鋭角的なパーツがつながり、滑らかな曲線をつくりだし、存在感のある尾が出来上がる。
 「これ、隣り合ったパーツの大きさが微妙に違うから、間違うと面倒なことになりそうだな」

尾部分の組み立て工程。似たようなコマが並ぶ

 組み立て説明書を見つつ、男はそんなことを考えていた。以前に手がけた「機龍・改」でも同じ作業があったはずだが、どういう手順で進めたかなんぞ、もう忘れてしまっていた。歳を重ねる、とはそういうことなのかもしれない。

少しずつサイズの異なるパーツが連なる尾

 まずは個々のパーツを組み上げる。左右のパーツを組み、背びれ部分を上からかぶせていく。パーツは最初にひととおり濃緑色をエアブラシで塗装していたが、尾の中央部から先端にかけてを構成するパーツはそれぞれの関節部分につや消し黒を筆塗りしていく。

尾のパーツの「関節」部分にはつや消し黒を筆塗り

 部品が分からなくなってしまわないよう、男は個別のパーツを組むたびに塗装用クリップに挟み、マスキングテープを貼って、そこにパーツ番号を書き込んでいった。
 「これなら後で間違わないだろう」
 男のプラモ制作は一気には進まない。手間はかかるが、後日の作業の際に、どれがどのパーツか分かるようにしておく必要があった。

パーツ番号を書き込んだマスキングテープで分別

 尾のパーツすべてを作り終えたときには、パーツを挟んだクリップがクリップスタンドにずらっと並んだ。
 「よし。塗料が乾くのを待つか…」

「固い」ポリキャップを慎重に

 マスキングテープに書き込んだ番号のおかげで、尾のパーツ組みはサクサクと進んだ。ボディ内部でハンダ付けして集約した電飾のコード類も、思い通り、尾の中央部から引き出すことができた。
 次はいよいよ、腕をボディに組み付ける。それによってメカゴジラの姿が完成する。
 「こいつが、なかなかやっかいなんだよな」
 機龍の腕、脚部もまたポリキャップで連結されるハメ込み式だが、このキットのはめ込みはややキツいのが難。慎重に進めないと思わぬトラブルを生みかねない。男は慎重に慎重に、そしてしっかりと力を入れながら、両腕のパーツをボディに取り付けていった。
 ただ、まだ作業は終わっていなかった。オリジナルのゴジラ同様に、背中には複数の背びれが並ぶ。1枚の背びれは左右に分かれたパーツを組むが、合わせ目はやすりがけで出来るだけ消し、濃緑色を再度筆塗りしていく。

背びれパーツも丁寧に合わせ目を消す

 こうして、すべてそろった背びれを、背部にはめ込んでいく。最後の組み立て作業だ。そして、ボリューム感たっぷりの「3式機龍」が姿を現した。
 「うん、いいな」
 組み上がった姿を眺め、いつものことだが、男の胸は何ともいえぬ達成感で満たされていた。

追加デカールと汚しで「戦闘」感を

 組み上げは終わったが、まだ「完成」ではない。男が今回目指しているのは「自衛隊の兵器として、ゴジラとの戦闘で傷ついた機龍」。
 前回作った「改」とは異なる姿を再現するために、再び手にしたキットだ。より本物の兵器らしくしたかった男は、「英数字」のみのデカールをAmazon経由で購入していた。機体にそれらしい装飾を施すためだ。「MFS」「03」といった表示をデカールから切り出し肩やバックパック、大腿部などに追加していくが、控えめ、最小限にとどめた。
 「あまり増やしても、ゴテゴテしちまうからな」

バックパックや肩に追加したデカール

 デカールで雰囲気を増した「機龍」に、いよいよ汚しを施すことにした。
スポンジをちぎって塗料のシルバーをつけ、ペーパーで色を落としてからボディの角など塗装が剥げそうな部分になすりつける「チッピング」。戦闘によるダメージや塗装の剥がれ、経年劣化を表現していく。胸部や腕には「ゴジラに掴まれ、引っかかれた痕」を、電動リューターの回転ノコなどを使って、それらしく傷つけ、むき出しになった金属部をシルバーで塗っていった。

胸部に施した「ゴジラの爪痕」。右腕には「爪で掴まれて開いた穴」

 最後に土汚れや油漏れ、錆などの汚れを、茶や黒のウェザリングカラーで塗っては綿棒でぼかしていく。
 「よし、いいだろう」
 再制作した「3式機龍」が仕上がった。

 メカゴジラの尾の中央部から引き出したコードに電池をつなぐ。額、目、胸部の武器「アブソリュート・ゼロ」、背部と大腿部のバーニア、そしてバックパックの「照準レーザー」とバーニア…完成後も思い通りに光りを放ってくれている。
 「ふう、頑張ったな。良い出来だ」
 出来上がった「3式機龍」を、男は前後左右からじっくりと眺め、満足げに深いため息をついた。
 「さあて、じゃあ記念撮影といくか」
 完成したばかりの「3式機龍」、そして前作の「改」を撮影用の台に並べ、あれこれポーズをつけながら、カメラのシャッターを切り始めた男はつぶやいた。
 「いいねえ、機龍!」   (おわり)

電飾スイッチオフ
スイッチオン!バックパックの照準レーザーはクリアレッドで着色
「機龍・改」VS「機龍」
形状が異なる胸部の「アブソリュート・ゼロ」
例によっていつもの「アイツ」も
戦闘態勢!「いいねえ機龍!」

 「『ゴジラと戦ったメカゴジラ』を作りたかったオヤジモデラーの物語~『MFS3/3式機龍』制作記」(物語風)は、これにて終了です。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。次はどのキットに手をつけようか、どんな記事を書こうかと、いつものように思案中です。
 そのうちに…としか言えませんが、また書きますので、よろしくお願いします。では。 

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