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【開催レポート】 石巻キネマティカ映画祭 無事終了
2023年8月5日 石巻市中央一丁目「文化通り」。
石巻最大級の夏祭りのさなか、シアターキネマティカにて、石巻キネマティカ映画祭が開催されました。
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東日本大震災で被災した空き家を活用したシアターキネマティカ。運営の我々だけでなく、多くの方が思いを宿してくれたこの施設の開館1周年を記念した映画祭。(出展者や作品詳細はこちらから)
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昨年、開館した際には想像もしていませんでした。1年後に新しいメンバーたちも一緒になって、この施設で映画祭を開催しているだなんて。
映画祭は「第100回石巻川開き祭り」という石巻市で最大級の夏祭りの期間中に開催され「祭りに集う、エンタメ百鬼夜行」のキャッチフレーズ通り、文化と芸術におけるとっても楽しいカオスのさなか。全18作品の上映(上演)がおこなわれました。
今年はプレ開催という位置付けでしたが、この映画祭運営のために結成した石巻キネマティカ映画祭実行委員会メンバー。
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そしてそれぞれが持つコミュニティや縁のもと、すでに全国区で活躍されている映画監督、新進気鋭の映像作家、映像クリエイター、映画の原作などを務める劇作家、まだ映像は撮ったことがない地域住民など、本当にさまざまな方が境界線なく作品を出展してくださいました!
30分程度までの短編作品を上映する「一般部門」
誰でも気軽に映像を出展できる「スマホ部門」
映像だけでなく生のパフォーマンスも込みの「キネマティック部門」
以上3部門の作品を上映(上演)するのが石巻キネマティカ映画祭。ドラマ、ドキュメンタリー、実験的映像、その日その場所でしか見られない生パフォーマンス。作品の内容もまさしくエンタメの百鬼夜行となりました。
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外観もお祭りに合わせ、普段とはちょっと異質な装いに。ここでも多くのお手伝いスタッフさんが力を貸してくれました。雰囲気ある立札を作ってくださった月日工作舎さん。
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「映画祭」という大きな帆のような旗をかけてくれた、通称「バッチョ」さん。
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施設脇の壁画前では、アーティストの太田和美さんが、南部鉄器とコラボし、お茶を振る舞うスペースを作ってくれたりも。
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確実に、実行委員メンバーだけでは到底作り上げられない船になりました。
当日は施設入ってすぐのカフェ空間をロビーとし、祭り中にフラッと足を運んでくれた方が休憩をしたり、出展者と観客が交流できるスペースに。
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カフェの壁面には、上映される作品の概要と出展者説明のパネルと、大テーブルにはサイネージで映画祭をPR。
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キネマティカの1周年を祝ってお花を届けてくださった方や、1周年を祝うメッセージノートを自主的に作って来てくださった方も。本当に嬉しかったです。
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そんなカフェロビー奥の劇場スペースでは、11時10分から18時30分まで、ずっと作品が上映されています。入り口入ってすぐのところには、キネマティカのルーツでもある「日活パール劇場」のネオン看板。
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こちらのネオンをオープニングで灯し、映画祭はスタートいたしました。
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約30席しかない本当に小さな空間ではあるのですが。
作品ごとに広がる非日常の世界は、スペースの狭さを感じさせない無限の広がりをも生み出してくれました。「劇場」で作品を見るって、こういった没入体験ができることが魅力の一つです。
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途中、お祝いで駆けつけてくれていた映画『有り、触れた、未来』の山本透監督が急遽ご登壇。
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そうしてお祝いのメッセージをくださる場面や、キネマティック部門出展作品として正真正銘の第一号となる『星屑ステージ』の木場明義監督が上映前に登壇。この瞬間のためにだけ駆けつけて、作品にまつわるエピソードなどもお話してくださったんです。
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ただ、プレ開催とはいえ、どんどんやりたい事が膨らんでいってしまう実行委員会の我々。気がつくと、開催直前期には積載量を超える船のようになって、沈みかけたり、思うように進めなかったりもして、多くの方にご迷惑やご心配をおかけしたりも…。反省点が多々あります。
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それでも無事に開催・終了できたことは、お手伝いに来てくださったスタッフの皆さんや、出展者としてもスタッフとしても動いてくださったメンバー、そして暖かく見守り、一緒にエンタメ空間を作り上げてくれたお客様のおかげです。
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反省点はもっと面白く、良くするための課題点とし、来年度の本祭に活かし、良かった点は存分に引き継いでいければと思います。
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かくして今年度のプレ開催。
上映作品ごとの延べ人数で、およそ300名の方に18作品を鑑賞いただけたでしょうか。気になる作品をアンケートに書いてくれたり、監督へのメッセージを書いてくださったりした方も多くいらっしゃいます。こちらはまた取りまとめ次第、なんらかの形で発信もしていければと思います。
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まずは簡単にではありますが、石巻キネマティカ映画祭終了のお知らせまで。本映画祭の実施にともない関わってくださったみなさん、ご来場いただいたお客様、本映画祭を機にキネマティカを知ってくれた方々。暑い中、祭りの賑わいの中へ飛び込みチラシを配ってPRしてくれたみんな。遠くから見守り声援をくださった方々。前日の準備段階から密着してくださっていたメディアの方々。
全員にスタッフ一同、心から感謝申し上げます。
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映画祭って「祭」ですから、何かを「まつる」ものだな・・・なんて思って臨んでおりましたが、なんでしょう、 言葉にできない何か を皆それぞれに共有し、「おまつり」することができていた時間だったんじゃないかなぁと、いま感じています。
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また来年も、想像もつかないような巡り合わせの中で開催できますように。
そして、劇場でみなさんと再会できますように。
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当日の模様を1分ほどのスライドショーにしてみました。
来たくても来られなかった方々に、雰囲気を少しでもお伝えできれば😌
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石巻キネマティカ映画祭実行委員 矢口