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おかえりなさい、鈴鹿さん
鈴鹿景子さんを知っている人が少なくなってしまった。
1976年にNHK朝の連続テレビ小説『火の国に』のヒロインとしてデビューした女優さん。
僕らにとっては、石巻市・中央の橋通り出身で東京で活躍する女優さんでもあった。そんな鈴鹿さんが昨夏、亡くなってしまった。
存在はずっと知っていて、劇場を作ってからは特にお会いしたいと思っていた。震災後に石巻で活動をはじめた際に、思い切って事務所宛にメール
キネマティカ二期工事、新しい施設を作るためのご寄付・協賛チャレンジをスタート
自分たちの本気でやりたい事が、もしかしたら、石巻という街のほんの一部の、劇場文化のあった小さなエリアの、賑わいのためになるかも知れないと思ったので、本気で時間を費やすことにしました。
「石巻ブンカボックス」ご寄付・協賛チャレンジ
https://www.r-ishinomaki.com/bunka-box/challenge
工事はDIYでなるべくお金をかけず、ご寄付・協賛でお預かりしたお金は
【開催レポート】 石巻キネマティカ映画祭 無事終了
2023年8月5日 石巻市中央一丁目「文化通り」。
石巻最大級の夏祭りのさなか、シアターキネマティカにて、石巻キネマティカ映画祭が開催されました。
東日本大震災で被災した空き家を活用したシアターキネマティカ。運営の我々だけでなく、多くの方が思いを宿してくれたこの施設の開館1周年を記念した映画祭。(出展者や作品詳細はこちらから)
昨年、開館した際には想像もしていませんでした。1年後に新しいメンバ
映画『有り、触れた、未来』で魂がロケンローして来た件、あるいはシアターキネマティカでの世界最速上映について云々 (矢口)
おそらく長文になるので今のうち一言でまとめておくと、キネマティカで3/3(金)の朝8:30〜世界でどこよりも早く、ぶち込む作品があるので同席して一緒に魂をセッションして欲しいんです! というスピリチュアルな告知となりますこと、先にお伝えしておきます。
【長文】
劇場を運営して毎日アホのように忙しくしているとたぶん。寿命が縮まったり、足腰がグラついてきたり、毛髪に来たりするわけなのですが、とい
石巻ニューキネマパラダイス最終回 「ザッツ・エンターテインメント」
2022年12月17日0時。一年三ヶ月書いて来た『石巻ニューキネマパラダイス』最終回の原稿締め切り日。夏以降、毎日が文化祭の前日のようで、毎日が文化祭のようでもある。笑えるくらい忙しい。
2020年12月23日、今からちょうど二年前のこと。僕ら矢口・阿部は中央一丁目にあった空き家と出会い、その1分後にここを劇場にしようと決めた。たった1分であったけれど、それまで数年間で起こった出会いや別れや
石巻ニューキネマパラダイス第15回 「NO KINEMATICA NO LIFE」
「映画と演劇を楽しむラジオ!劇場キネマティカ!」
このフレーズに聞き覚えのある方々もいらっしゃると思う。ラジオ石巻FM76.4MHzで絶賛放送中のラジオ番組「劇場キネマティカ」が始まるときのいつものセリフだ。ご存知ネモこと阿部拓郎とチンこと矢口龍太のあの二人がパーソナリティとなり、毎週金曜日12時30分(再放送は土曜日17時)に放送している。唐突に宣伝をいれたような形になってしまったが、今回話し
石巻ニューキネマパラダイス第14回 「City Lights」
誰しもが一度は憧れたことがある夢といえば、自分の趣味で溢れ返る店を持つこと。好きな音楽をかけ、来客対応もほどほどに、気の置けない仲間と酒を酌み交わす。そんな映画やドラマのような素敵な空間をつくること。
2022年8月に石巻の中央一丁目に劇場をなんとかオープンさせることができたが、その翌月に、そんな夢のような妄想を叶えることになるとは、少し前まで夢にも思っていなかった。劇場ではあるが、複合エンタ
石巻ニューキネマパラダイス第13回 「慌ただしさは日常へ」
遂に、映画と演劇が楽しめる複合エンタメ施設「シアターキネマティカ」が8月5日にオープンした。たくさんの幸せに包まれたオープニングセレモニーの余韻に浸る時間はなく、すぐに次のイベントが待っていた。そう、映画上映のこけら落としイベントである「いしのまき こども映画祭」である。株式会社ポプラ社共催による子供のためのアニメ映画上映会。張り切って臨んだ当日、予想通り想定通りにはいかないのが我々だ。
万
石巻ニューキネマパラダイス第12回 「8月5日」
石巻の街なかに劇場が出来た。演劇ができる小劇場であり、映画が観られるミニシアターだ。震災後、旧市街地において最後の映画館となった日活パール劇場の隣でオープンした。
開館日が当初から決まっていたこともあり、全員が等しく追い込まれた。初めからお金も時間もない状況の中、一方でプロにはプロなりの美学やこだわりがある中で、やり方の分からない素人が、決して上手ではないDIYで施工をする。建築物が作品でもあ
第11回 カウントダウンは進み、僕たちは亀のように前へ
今回はこれまでの話だ。
来たる2022年8月5日は僕らの複合エンタメ施設であるが「シアターキネマティカ」がスタートする日。カウントダウンは無慈悲に進み、時計の針は僕たちの手をがっちりとつかんで離してはくれないので、限られた時間とは常に殴り合いで、何とかかんとか踵を鳴らして前へ前へ向かっている。
思い出すのは、初めてシアターキネマティカとして生まれ変わる前の、元「清野ふとん店」であり元「千人風
石巻ニューキネマパラダイス 第十回「あてのない手紙」
予定とは、予定通りいかないためにある。予想外の出来事が起こるからドラマは生まれ、主人公たちを困らせる。映画や演劇のストーリーならばそれでいいのだが、僕らにも多くの予想外が起こり、たくさんのドラマが生まれている。
改修していく中央一丁目の空き家。建築士さんや消防にも相談し、法律的に安心して営業するために、増築部分の切り離し工事が必要となった。建物の切り離し…!そう、お金がかかるのだ。
クラウド
石巻ニューキネマパラダイス 第九回「蜃気楼の先にある劇場という不定形」
「石巻の中央一丁目で、もう一度劇場文化の灯をともしたい」という思いで始まったシアター・キネマティカプロジェクト。その日々の出来事をご紹介する「石巻ニューキネマパラダイス」も第9回を迎えたわけだが、このコラムを始めてから9か月も経過したという恐るべき事実に愕然としている。月並みだが時の流れはあまり早い。プロジェクトを始めたころ靄がかかっていた劇場の姿は、中々その先の姿を見せてはくれない。
しかし、
2022.4月 石巻ニューキネマパラダイス第八回「バックトゥ・ザ・フューチャー」
4月21日は「R」vol.1を開催したあの春の日からちょうど丸々10年になる。東京から地元石巻へ通い続けるきっかけとなった企画だ。
演劇や音楽を石巻でやり続けようと思い、ライフワークのようになった。当時は「こんな状態の石巻で、表現活動なんてやれるのだろうか」と開演直前まで悩んだものだ。覚悟をしなければならないと思い、「10年目の2021年までやります」と言って始めた。
あれから10年が経過した
2022.3月 石巻ニューキネマパラダイス第七回「そこにあるもの、通りがかる人」
「石巻の中央一丁目で、もう一度劇場文化の灯をともしたい」という思いで始まったシアター・キネマティカプロジェクト。その日々の出来事をご紹介する「石巻ニューキネマパラダイス」も第7回を迎えた。
僕の好きな数字である第6回を矢口さんに取られてしまったことを悔しく思ったが、よく考えたら1回目を僕が担当した以上、このままいけばずっと奇数のままだということに気が付いた。算数は難しい。
さて、2月~3月は再
2022.2月 石巻ニューキネマパラダイス第六回「時をかけるアラフォー」
石巻中央一丁目の空き家を活用し、映画・演劇を楽しめる「劇場」を作るシアターキネマ・プロジェクト。現在までに、DIYで行う解体部分の作業を終えた。今後は4月ごろに業者さんに入ってもらい、大きな工事やインフラ整備に入っていく予定だ。先日、若い夫婦が子連れで中庭の芸能神社にお参りにしに来てくれた。小さい子が楽しそうに施設内を走りまわる様は、疲れた体に一番効く。
DIY解体作業中には、通りがかりの地域
2022.1月 石巻ニューキネマパラダイス 第五回「The Days Of NEKOMACHI」
随分と今さらですが、明けましておめでとうございます。本年も石巻ニューキネマパラダイスとシアター・キネマティカをよろしくお願いいたします。
さて、「石巻の中央一丁目で、もう一度劇場文化の灯をともしたい」という思いで始まったシアター・キネマティカプロジェクトをご紹介する「石巻ニューキネマパラダイス」。まだまだ寒いこの季節。身体を震わせながらも解体作業は進めていけなければならない。
しかし、津波