ノンフィクション系字幕翻訳の落とし穴?!
みなさん、こんにちは!先日、「ノンフィクション系字幕翻訳の落とし穴」という内容の動画を視聴し、今まで主にフィクション系(ドラマや洋画など)の翻訳が多かったのですが、ノンフィクション系(ドキュメンタリーやインタビューなど)の翻訳について改めて、確かにそうだ!とうなづくことが多かったです。
実は、字幕翻訳者としてデビューしたての翻訳者には、ドキュメンタリーものの案件が回ってくることが多いんです。私が翻訳スクールで学んでいた頃、ドラマの他に、ドキュメンタリー系の番組も課題で多く扱われていたのですが、個人的にはドキュメンタリーものって難しいな、苦手だな、と思っていました。というのも、ドキュメンタリー番組を翻訳する際、裏どり(事実確認)がとても重要になってくるので、とにかく調べものが多いし、専門性も高いので、その番組で扱っているもの、例えば「ワオキツネザル」についての番組だった場合、ワオキツネザルについてかなり調べます。当時スクールで教えてくれていた講師が言っていたことが今でも頭に残っています。「私は以前、タコクラゲについてのドキュメンタリーものを受注しましたが、タコクラゲについてとにかく調べたので、“にわか博士”になっちゃいました」と。とても分かりやすく、どれほど調べものをしなければいけないのかが想像できました。ドキュメンタリーもので特に注意が必要なのは”数字”です。番組の中で、例えば「マダガスカルではワオキツネザルが2000頭生息しています」(※数字は適当です💦)と言っていたら、本当にマダガスカルに2000頭生息しているのかを調べます。番組でこう言っているのだから、あっているだろうと思いきや、案外調べてみると数字が微妙に違ったりするんです。こういう場合もあるので、数字は鵜吞みにせず、事実確認は必ずする必要があります。なので、1つの番組を翻訳するのに調べものにかなり時間が多くさかれます。
前置きが長くなってしまいましたが、タイトルにあるように、なぜ「ノンフィクション系字幕翻訳の落とし穴」なのでしょうか?
以下は動画で話していた内容です:
実はノンフィクション系の番組は、ドラマほど早口でやり取りしたりすることはなく、ドラマに比べて割とゆっくりなスピードでナレーションがあります。そして、文字数も(クライアントによって違いますが)一行16文字というところも多く、文字数に余裕があります。ノンフィクション系の番組を視聴する人は、字幕をしっかり読んで情報を得るので、字幕にはきちんと情報が出す必要があり、ドラマに比べて「日本語の圧縮」をする必要があまりないのです。その結果、調べもの力はかなりつきますが、「日本語を圧縮する」技術はあまりつきません。ドラマは逆に「日本語の圧縮」が要のようなところがあるので、ドラマを多く扱っている翻訳者さんは、日本語を圧縮するのも上手だし、語彙力・表現の幅もかなりあります。
そんなわけで、ノンフィクション系ばかりを担当していた翻訳者がいきなりドラマの翻訳をするとなると、この「日本語の圧縮」でかなり苦労する結果となります。もちろん、全員じゃないですが!そして翻訳者として何年かすでにキャリアがあるにも関わらず、「〇〇さんにはまだドラマの翻訳を頼むのは早かったかな?」などと言われてしまうこともあります。
・・・というのが動画でお話しされていたことなのですが、私はこれを視聴して「なるほど、確かに!」と納得しました。
もし、もっと詳しい内容が知りたい!という方がいましたら、こちら↓からyoutube動画を視聴できますので、ぜひご覧になってみてください!