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黄金の腕(1955)
“黄金の腕”とあだ名されるカードの名手フランキーは、六ヶ月の療養所生活を終え、車椅子生活の妻ゾシュが待つ古巣の町に戻ってきた。フランキーは博奕打の暮らしに戻りたくはなく、施設で持ち前のリズム感を生かしドラムの修行を受けていたが、妻のゾシュや売人のルイも目は冷ややかだった。やがて、フランキーにオーディションの口がかかり、彼に好意を抱く酒場のホステス、モリーの部屋で練習を始めるのだったが腐れ縁から受けた賭博が長丁場になり、その間、麻薬を打ち続けたフランキーは完全なジャンキーとなって、楽団入りのチャンスを逃してしまう……。 麻薬中毒者に扮するシナトラの迫真の演技と、映画音楽が初めて本格的にモダン・ジャズを取り入れた先駆けとして高い評価を受けた秀作ドラマ。 allcinema
内容は重い感じなのにジャズのおかげか、すっと入っていけました。
*ネタバレ部分があります!
晴れやかに療養施設を出てきて仕事の面接に向かおうとするも、凄腕ディーラーのフランキーをなかなか手放してくれない怪しい友人達。
真ん中がフランク・シナトラ演じるフランキー。 横の髭が悪友。メガネ君は良き相棒みたいで何かと頑張ってくれる。
フランキーの飲酒運転で事故に遭い車椅子生活の妻ゾシュ。
フランキーがディーラー辞めてドラマーになるのを反対している…。事故の記事をスクラップしていてチョイチョイぶり返してはフランキーに罪の意識を抱かせている。
でも本当は歩くことが出来てフランキーを引き止めるために歩けない振りをしているだけだったんですよ!!
今ならメンヘラとか言われてしまうタイプじゃないでしょうか…。
そしてもう一人の女、友人であり何かあった関係なモリー。
どうやらダメンズをほっておけないタイプ。フランキーの後の男はアル中のダメンズ…。
フランキーが依存症になるきっかけを作った男、フランキーを甘い甘い例えと言葉で引きずり戻すルイ。
何とか誘惑をかわして、ドラムのオーディションを受けることに、でも家でドラムの練習すると妻ゾシュにウルサいだの何だの言われるのでモリーの家で練習。
なのに、なのに!!
フランキーのバカ!!
「“最後の一回”は永遠に続く」
すごく重く大事な事実だと思います…。
そんなフランキーをみて、モリーは愛想を尽かしてフランキーの前からいなくなります。
もうこの辺りからフランキーの葛藤はなくなっていって、ディーラーも受けることに。
フランキーにディーラーをさせ大物呼んで大いに稼ごうとしていたルイ。
途中までは絶好調だったがフランキーの禁断症状が出だした事でディーラーが変わり、相手にどんどん取られていくようになってしまう。
負けを取り戻させるためにルイは寝不足と禁断症状でフラフラのフランキーに「イカサマ」を指示します!
フランキー、実はイカサマは絶対にしない本当の凄腕ディーラーだったようで初めは断るも薬の誘惑に負けイカサマをしてしまうんです…。
とは言えまともな状態じゃないので、あっさり見破られて大損。
約束のお金も薬も手に入らない。
自分の家にもいられない。
もうこうなると悪い事は連鎖反応のように起こっていきます…。
フランキーに会いに来たルイが転落死してしまい容疑はフランキーに。
禁断症状に苦しみながらモリーを探し出し、モリーの家で禁断症状と戦うフランキー。
何とか乗り越えるも最後まで苦しむ事になるフランキー。
エンディングも当然アンハッピーエンドです!
にしても妻ゾシュの悪妻ぶりにイライラしか感じられない(^_^;)
フランキーだけじゃなく周りの親切なご近所さんまで巻き込んで嘘をついていたわけで。ゾシュの治療費の為にも更生しようとするフランキーに一切協力しようとしない。
かたやモリーは更生を支えようとアドバイスしたり、危険を承知で禁断症状と向き合ったり。
男女の仲についてもよく表現されてたと思います(´д`)
ジャズの効果かテンポよく話は進んであまりだれる感じはなかったです。
余談。
モリーがやけにご機嫌なフランキーを不審に思い打ったかどうかをマッチの火で瞳孔を確認する場面があって思い出したこと。
よく相手が自分に好意を抱いているかとか関心があるかとか瞳孔の開きで分かるとか書いてたり聞いたりするけど、青や明るい緑などの瞳に比べて、濃い茶色の瞳は明るいとこで見ても分かりづらいだろうから、よほど近づかないと、ほとんどの日本人には向かないテクニックではなかろうかと思った…。