シーバース(1975)
人間の内臓の代りとなるべく研究されていた寄生虫には、人の理性を失わせるという隠された目的があった。寄生虫は人から人へ移っていき、舞台となるマンションの住民は次々と支配され仲間を増やしていく。デヴィッド・クローネンバーグ初期の作品。 allcinema ONLINE
クローネンバーグ監督作品です。
この作品が長編デビューとの事ですが、デビューから斬新ですね~。
ブルードの時もですが、医療からの発想が変態的。的ではなく変態なんでしょう!
でもそこがイイのです。
今回は 内臓と同じ機能を持つ寄生虫を研究云々…。
再生医療とかじゃない、寄生虫でカバーしようって何で思いつくの…。
でも実際は、人の理性を解放させてもっと本能的にさせるために研究されていた寄生虫だったと…。
(ネタバレだしちょっとキモイ注意です)
人間は思考し過ぎる動物だ
催淫効果と性病を併せ持つ寄生虫で世界を快楽の渦に巻き込もう
そんな計画に巻き込まれた高級マンションの住人達。
実験台にされたマンションの女性から次々に寄生虫を移されていった男性達。
この男性は複数匹 お腹で飼っていた。
そして出てくるのは 口から…。
体外に出たら自由に動き回って、排水溝の栓をも押し上げて侵入してくる寄生虫!
穴という穴から入っていくようで、口から口だと気付かないほどスムーズに入るみたい…。
その寄生虫に対応しようとする医者達。
しかし為す術のないまま瞬く間に寄生虫はマンション中に広まっていきます。。。
あらゆる性と癖が解放されて組んず解れつの酒池肉林。
そういえば、バタイユの本にも死とエロティシズムについて書かれていたような。
タブー無き世界でエロティシズムは成立するのでしょうか。
後半ゾンビ映画みたいになりますが、死体になったり、ぐちゃぐちゃしてないので、これはどんな結末なんだろう…と不思議な気分で終わりました(^_^;)
グロい感じは少ないし、肉体破壊も少なめですが、寄生虫の形態が卑猥で気持ち悪いです…。
でも それがクローネンバーグ監督なのでしょう。
そして何故かハマってしまうのです。