スイミングプール(2003)

新作の筆が振るわないイギリスの人気ミステリー作家、サラは、出版社の社長ジョンの勧めで、彼が所有する南仏の別荘にやってくる。静かな土地と自然に囲まれ、執筆活動を始めるサラだが、そこにジョンの娘と名乗るジュリーが突然現れる。夜な夜な違う男を連れ込むジュリーに当初は辟易したサラだったが、彼女の奔放な魅力に注目し、ジュリーを題材にした物語を書こうとするが……。「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督が、シャーロット・ランプリング、リュディビーヌ・サニエという新旧の人気女優を主演に描くミステリー。　映画.com

ずっと気になっていた作品。『8人の女たち』が面白かったので、同じようなミステリーかと思いきやタイプが違いました。

が、タイプは違ってもとても面白かったですね。

スランプ中の作家サラ。シャーロット・ランプリングの信頼感。若い頃も今もとても素敵です。

他にないこの雰囲気と視線。

対抗するはリュディビーヌ・サニエ。出版社の社長の娘ジュリー。

これでもかってくらいに素晴らしい脱ぎっぷりに剥がれたマニキュアのアバ○レ感。　

『8人の女たち』では末っ子役であどけなさが可愛らしかったけど、凄い変化です。ちょっと甘ったれたハスキーボイスがまた何ともエロティック。

この二人の不思議な共同生活の中にどんなミステリーがあるのか。

この先　ネタバレあります!

えー!　っというラストにしばらくブンブン振り回された感じがあるし、不思議なミステリーでした。作品全体がミステリー。

以下、混乱した私のミステリーをつらつらと書いているだけです。

このジュリー。

誰だったん!?　ってコトなのですが、私は社長の愛人の娘かとも思いつつ。

でもでも、連れてくる男がみんなオジサンだったからもしかすると、ジュリーが社長の愛人かなんかだったのか…。

↑出版社の社長。

真ん中は別荘の管理人。ジュリーのことは知っていたから　やっぱり愛人か、愛人の娘か。

一方では想像(小説)の人物ではないかとかもあるようですが、それもなきにしもあらずな感じでしたし。

この時のサラの一人心地な感じは話をイメージ化していたのかな?とか思ったり。

もしかしたら、別荘に行ったのは事実でも到着した時から内容はすべて小説だったのかもしれない。　私小説的な。

小説の中に更に登場人物ジュリーの母親の作品が書かれていたり。

それとも最後にサラに渡したのはジュリーの作品だったのかな?　(社長の愛人だったが出版してもらえなかったとか)

出来上がったサラの新作に対する社長の反応は知ってるような感じではなかった気がしたし。

このサラの表情と、最後のジュリーの面影。

正解はきっとなくて、見た人が自分で話を作っていけるような不思議なミステリーだった感じです。

どうあれ、とてもいい作品でした。

なんかクラシックな印象さえあった感じ。

とにかく二人の雰囲気やセリフのない瞬間の印象が素晴らしかったです。