ウエスタン/ONCE UPON A TIME IN THE WEST (1969)
マカロニ・ウエスタンで知られるイタリアの巨匠セルジオ・レオーネが1968年に手がけた作品。 大陸横断鉄道の敷設により新たな文明の波が押し寄せていた西部開拓期を舞台に、女性主人公の目を通して、移り変わる時代とともに滅びゆくガンマンたちの落日を描いた。ニューオーリンズから西部に嫁いできた元高級娼婦のジルは、何者かに家族全員を殺され、広大な荒地の相続人となる。そして、莫大な価値を秘めたその土地の利権をめぐり、殺し屋や強盗団、謎のガンマンらが繰り広げる争いに巻き込まれていく。 映画.com
素晴らしかった!
去年のウエスタンブームからずっと観なければ!と思っていた作品。
日本では当時「ウエスタン」の邦題で短縮版が公開された一作。「荒野の用心棒」(64)、「夕陽のガンマン」(65)、「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」(66)で3年連続イタリア年間興行収入ナンバーワンを記録したレオーネが、方向性を大きく変え、自らの作家性を強く打ち出した野心作。
確かに他の3作とちょっと雰囲気は違いましたが、自分たちを追い越していく時代を感じながらも生き方を変えられない最後のガンマン達の誇りと哀愁を想わせる素晴らしい作品でした。
音楽はエンニオ・モリコーネ。
何となく時代劇の道中に流れるようなポコポコしたメロディーだったり、荘厳なメロディーだったり印象の幅が凄かったです。
物語も西部劇らしい復讐や決闘も、泥臭いガンマンの友情もあったりで楽しめました。
出演者もあっ!って人達で何か嬉しかったです(^_^;)
謎の男、ハーモニカ。
飛猿に似てるこの俳優さん、荒野の七人でも大活躍でしたね。
去り際が最高に格好良かった…。
激動の時代をしたたかに生き抜く、ジル。
意志の強い眼差しが美しい女性。にこやかな柔らかい笑顔はほとんど見せませんがそこがイイ。
お尋ね者のシャイアン。
収監される前に逃げたようで手錠を付けての登場。
何のかんのとハーモニカやジルをサポートしていく憎めない悪党。そのラストもハーモニカに劣らず粋で格好良かった。
そして、極悪非道なフランク。
テキサスの五人の仲間でのポーカー狂いなダメ主人役だったあなた!こんな極悪非道になれるなんて。
時代に追いつこうとするも、やはりガンマンはガンマンだった。
綺麗な青い瞳が非道さを引き立ててたように思います。
3時間近い作品でしたが、どんどん引き込まれていきました。
いつか憧れに変わっていく時代を惜しむように流れる美しいメロディーが印象的なラストも素晴らしかったです。