群盗 荒野を裂く (1968年)
1910年代のメキシコ。革命軍と政府軍の戦いが激化する中、チュンチョ率いる盗賊団は、政府軍の武器弾薬を略奪しては革命軍のエリアス将軍に売り渡していた。彼らがある列車を襲撃したところ、乗客の米国人青年ビルも一味に加担し、その後も彼らの仲間に加わる。チュンチョたちは強奪した銃を売るため、革命軍によって開放されたサンミゲルに入り、市民から歓迎を受ける。ザ・シネマ
ずっと気になっていたウエスタン。
群盗 荒野を裂く
勢いを感じるタイトルですね。
主演は ジャン・マリア・ヴォロンテ。
もしゃもしゃおヒゲにカーリーヘアと瞳が印象的な俳優さんです。
盗賊団のボス的存在、チュンチョ。
革命軍と政府軍との戦いの中、男達の友情と使命と思惑が入り乱れて正義も大義もあったもんじゃないくらい混沌としていく感じです。
ハッキリとした悪役みたいなのはなくて、それぞれ勝手に自分の信じる側で戦っていて白黒つけるようなストーリーではないのかなと思います。
そんな中、列車強盗した時に出会うアメリカ青年ビル。
童顔でチュンチョとのコントラストは最大限まで出ているようです。
どうゆう魂胆かチュンチョの仲間になり行動を共にするようになるビル。
政府軍に占領された村を開放したりしながら武器を集めてマシンガンを見つける。
マシンガンは高値になるよう。
そんなお祝い気分の中、開放した村での滞在を楽しむチュンチョと、その仲間たちの間で今後の事で意見が食い違っていた。
そして思わぬ事態に対応しながら政府軍の襲撃を受けてしまうチュンチョ。
この俳優さんの苦悩する表情はとても素敵だと思います。
ウエスタンって銃撃戦ばかりじゃなくて、結構ドラマチックな部分もあると思うんです。
白黒つかないような、正義だとか悪だとかがハッキリしにくい情勢だったり関係だったりで、その中での友情とか情熱があるのかなって。
このチュンチョも、とんでもない大悪党のようだったり、信念があるようだったり、ないようだったり、お金のことばかりかと思えば、貧しく苦しんでる人は見捨てられなかったり、かと思えば勢いで行動してしまったり、友情を大事にしてるかと思えば、裏切ったり。
とても複雑というか、あまり映画でみない感じのキャラクターのように思います。
そんなチュンチョの心情がとても伝わるのは このジャン・マリア・ヴォロンテだったからなのかなと。
チュンチョの複雑さが面白い作品でした。
ガンマンの口髭は 決して毟ってはいけません。