hegemony攻略:中産階級

【はじめに】

hegemonyをプレイする上で、中産階級は初心者向けとされていない。確かに中産階級は初心者向けとされる労働者階級や資本家階級と異なり、できる行動の幅が広いことや二重のリソース構造、盤面に合わせた政策賛同など、他階級の理解が無ければ、上手く使いこなすことはできないだろう。
但し、使いこなせれば、盤面に左右されない強さがあり、恐らく最強の階級と言える。

【得点構造】

メインの得点源は繁栄トラックを進めることだ。この繁栄トラックを進めるにはリソースが必要で、リソースは自己生産又は購入して入手する。購入のための資金は、ワーカーを資本家階級や国家の会社で働くことで、賃金として獲得することとなる。
おまけ的な得点源として、海外市場へリソースを売却することで、取引毎に1VPが得られる。売却するリソースの多くは繁栄トラックを進める用途で使用するため、得点源としては弱い。

繁栄トラックは毎ラウンド2スペース後退するが、完全運用会社の数に応じて、得点フェイズに繁栄トラックが前進する。

【政策】

中産階級は政策へ影響力が低い。労働者階級は組合を設立することで、影響力の定期収入が得られるし、国家も正統性の進み具合で影響力が得られる。資本家階級は会社を設立することで、他の階級より投票キューブを多く投入できる。中産階級は影響力を得るには影響力を生産する会社を設立する必要があり、その場合はリソースを生産する会社が少なくなってしまう。投票キューブの投入量も人口を増やさなければ増えないし、資本家階級が最大6個となるが、中産階級は最大5個、それも人口が9〜10の状態なので、あまり良い状況ではない。
但し、中産階級が有利となる政策はBが多く、他階級の綱引きの結果、Bで落ち着くことが多い。そのため、法案を提出することは少なく、Bに動く法案に賛成し、BからA/Cに動く法案に反対することとなる。
以降はこれらを踏まえてのポイントとなる。

中産階級で重要な政策は、1財政、4医療・福祉、5教育、7移民の4種類が上げられるが、他階級に比べると、政策の重要性はあまり大きくない。個人的には1財政がポイントとなる政策だと思っている。

1財政は、公開会社数と国家のローン許容数に影響を与える政策だ。但し、この2点は中産階級にとってはあまり関係がない。では何故、ポイントとしているかというと、特定のアクションカードの使用条件となっている政策だからだ。具体的には「小規模企業向け助成金」、「輸出補助制度」、「雇用補助金」の3種計6枚のカードが1A/1Bで使用可能となる。
それぞれ10〜15金分の恩恵が得られるカードで、中産階級にとっての15金はかなり大きい。

4医療・福祉、5教育については、共にBで落ち着くことが多い。これらの政策で重要なのは、同じレベルの政策となっていることである。偏った政策だと、手番順の影響で労働者階級だけが、その恩恵受けることとなるため、揃えておきたい。

7移民については、A又はBが望ましいが、正直どうとでもなる。5R目時点で人口8までに収めると繁栄トラックが上げやすい。というのも中産階級のストレージ上限が8であるため、自己生産量より人口が多くなってしまうからだ。
但し、「移住」のカードアクションでも、ワーカー数は減らすことができるため、焦るほどのことではない。7Cとなったとしても、7Bの法案を出す手番が勿体無いというのが正直なところである。

その他の政策については、政策に合わせて動くこととなる。
他階級が争っている2労働市場や3課税が高ければ、他プレイヤーの会社で働いて賃金を得れば良いし、低ければ、自分で会社を設立するし、6外国貿易が高ければ、食糧生産の会社を優先して設立し、自己供給できるようにすれば良い。

政策のまとめとしては、初期配置から1Bと5Bさえ通ってしまえば、後はバランスを見ながら賛成/反対をすれば良い感じである。
2労働市場や3課税が偏っていたら、他階級を焚き付けて、法案を出させることもポイントである。

【カードアクション】

リソース購入では「医療給付」や「国家奨学金」は国家からのリソースが半額で買える非常に強いカードであるし、「公共事業の時間外労働」も獲得した賃金でそのまま購入できるため、実質タダとなるカードだ。但し、国家からしか購入できないため、中盤以降は若干の不便さがある。
その他、「個人消費」は終盤でリソースをかき集める際に手番を圧縮できるので便利なカードだ。

会社設立では、政策制限はあるが国家が費用負担してくれる「小規模企業向け助成金」は、15〜20金の恩恵があるカード。「投資機会」はデッキサーチで会社を設立できるので、中産階級だけで完全運用となる会社が設立しやすい。「成長事業」は追加ストレージと会社設立ができるカードで、資本家階級と異なり、フリーアクションでストレージが追加できないので、自身の生産量が多いリソースのストレージを追加しておきたい。

その他のカードでは、移民を減らす「移住」や労働者階級のワーカー割り当てが可能な「専門化」は、初見では分かりずらいが、共に強力なカードである。

国家への攻撃カードである「健康危機」、「高等教育プログラム」は強そうに見えるが、中産階級にとってみればリソースはVPとなるので、さほど強くないし、中産階級のリソース生産は4の倍数であることが多いため、6個という個数が中途半端である。

【具体的な動き】

メイン得点源の繁栄トラックを上げていくのだが、完全運用会社の数と繁栄トラックを調整して、得点フェイズで繁栄トラックが確実に上がるようにしなければならない。また、準備フェイズで繁栄トラックが2下がるため、1R目は無理に上げなくても良い。
中産階級はラウンドが始まったら、まずは国家のリソースを購入しよう。これは労働者階級との取り合いになるため、4医療・福祉と5教育の政策は、両方Bにしておきたい。
ラウンド毎に1〜2社設立したいが、繁栄トラックと会社カードの引きによるところが大きい。会社カードは、中産階級のみで完全運用が可能な会社を優先して設立する。それらの会社でも、食糧/教育>贅沢品>健康>影響力の優先順位で、影響力の会社は状況に応じて、中産階級のみで運用する会社以外の方を優先した方が良い。それ以外の会社は、労働者階級のワーカーを割り当てれる場合のみ設立していく。

セットアップ段階では、自身の会社カードと資本家階級の会社カードを確認して、熟練ワーカーの色を考えよう。中産階級のみで完全運用可能な会社があれば、その色の熟練ワーカーを選ぼう。資本家に先に割り当てられるかもしれないが、「次のラウンドで辞める」と圧力をかけておこう。

1R目は、とりあえず国家から健康を買おう。但し、使用するかは、このラウンドで何回繁栄トラックを上げれるか、完全運用会社が何社となるかをよく考えよう。焦って使うと繁栄トラックが完全運用会社より多くなり、得点フェイズで繁栄トラックが進まない。そうすると、次のラウンド開始時に2つ戻されるので、結局は0となってしまう。
また、リソースの価格調整は初手番で行っておこう。とりあえず最大価格としておけば大丈夫だ。
会社は1〜2社設立したいが、25金で2社は無理なので、カード等での臨時収入があり、かつ完全運用会社とできる場合は、2社設立を目指そう。なお、自身の熟練ワーカーは割り当てられないように資本家階級に先述の圧力をかけておくことも必要である。
法案は1Bと5Bを出したいが、もしかしたら労働者階級が出してくれるかもしれないので、5Bは最後の最後で出すようにしたい。手番が余れば、追加シフトでリソースを生産しておこう。中産階級にとって「することがない」なんてことはあり得ないのだ。

2R目も開始時は、国家のリソース購入から始まる。5Bが通っていれば、教育を優先して買おう。1R目で手がつけられていなければ、12個あるはずなので、労働者階級が購入後でも残っているはず。ラウンド開始時に人口分が購入可能で有れば、基本的に最優先で国家のリソースを買おう。
可能であれば、得点フェイズを含め、繁栄トラックは4進めたい。必要なリソースは12個で良くある組み合わせとしては、教育4と健康8となる。そして完全運用会社は4社必要だ。もし完全運用会社が3社しかない場合は、リソースで繁栄トラックを進めるのを2回にしておき、得点フェイズで上がるように調整すること。なお、リソースは教育優先で健康は人口を見ながら使用していく。

3、4R目も開始時はお決まりのリソース購入だ。ラウンド開始時にアクションフェイズ終わり時点での完全運用会社数がある程度わかるため、それに合わせて繁栄トラックを進める。
この辺りから、国家と労働者階級の得点が先行するため、国家は労働者階級を叩き始める。労働者階級の得点状況にもよるが、6Aや2Cへの政策転換が懸念されるため、食料会社の設営と自身の会社で働かせるように動いていこう。
会社が増えると税金が辛くなってくるので、資本家と結託し、課税を下げていきたい。

5R目では、完全運用会社8社設立と繁栄トラックをカンストさせる。そのため、メインアクションで会社の設立と繁栄トラック用のリソースを確保し、フリーアクションで繁栄トラックをひたすら進める。
このラウンドで気にしなければならないのは、労働者階級の労働者を移動されて完全運用会社が減らされることだ。これにより得点フェイズでの7点が削られてしまう。対策としては、カードアクション「専門化」とフリーアクションの「賃金を調整する(上げる)」の2種類が挙げられる。「専門化」は労働者階級のワーカーを割り当てるカードアクションで、「賃金を調整する(上げる)」ことで、労働者階級のワーカーをコミットさせることができる。
しかしながら、共に使用できない状況がある。カードアクションはそもそもカードを引いていなければ、使用できないし、「賃金を調整する(上げる)」についても、既に2Aで賃金が最大の場合は使用できない。
もう1つ問題があり、アクション数的に余裕がないことだ。中産階級は最終ラウンドでしなければならないことが多く、特にフリーアクション数はカツカツとなることが多い。
そのため、完全運用会社の維持に固執し過ぎず、単なる7点行動として、アクションの組立てを行うと良い。
これらを総合すると、最終ラウンドのメインアクションは、リソース購入×3、会社設営、「専門化」、フリーアクションは、「賃金を上げる」(専門化がない場合)、繁栄トラック×4、という組み立てとなる。

【このアクションを使いこなせ!】

「追加シフト」は、会社によってはノーコストでリソースを生産することができ、「賃金を調整する(上げる)」は最終ラウンドでの得点確保に繋がるフリーアクションであることは、前項で述べた通りだ。これら以外のアクションで、重要なアクションがある。それは「会社を設立する」だ。
「使いこなすも何も絶対実行するアクションだろう」と思うかもしれないが、このアクションで重要なのは、どこからワーカーを割り当てるかということだ。
このアクションの内容は、会社をコストを支払って設立し、失業者エリア又は他の会社のコミットしていない自身のワーカーを割り当てるというものだ。お気付きかもしれないが、割り当てるワーカーは失業者エリアに限定されていないということがポイントとなる。
特に資本家階級にとって、運用されている会社からワーカーが取り除かれることは、死活問題である。そのため、割り当てを阻止すべく、賃金調整やボーナスの支給を行うかもしれないが、それはそれでアリである。

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