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【常緑樹,落葉樹】【針葉樹,広葉樹】の違い(木を知ろう)

「この木はブナ科の落葉広葉樹で~」
「ヒバはヒノキと同じ常緑針葉樹だから~」
さらっと言われるとその場で聞けなくなっちゃうんですよね。モヤモヤ。
そんな方へ。今回は対になる用語特集でございます。
これでもっと植物に詳しくなるぜ!(何の得があるやら

先にまとめ(読むのめんどくさい人用)

常緑樹→年がら年中葉っぱをつけている木
落葉樹→冬になると葉っぱを落とす木
針葉樹→針のように細い葉っぱを持つ木、裸子植物
広葉樹→広く平たい葉っぱを持つ木、種子植物

【常緑樹(じょうりょくじゅ)】

常緑樹のミヤマシキミさん

常緑樹樹木って書きます。
そのまんま。冬になっても葉っぱが枯れずに残っている木のことです。
ツバキ、サカキ、モチノキ、クスノキ、スギ、ヒノキ等
葉っぱが分厚いやつが多いイメージ。

葉っぱを年がら年中つけている理由は、常に光合成をするねらい。
(光合成=葉っぱで光を受け、ご飯を生み出す能力のこと)
冬の間も光合成ができれば、飢えなくて済む。
それに多くの樹木が葉っぱを落とす冬は、光を独り占めできる大チャンス♪
今まで大きな木の葉っぱに阻まれて、肩身狭い思いをしていた小さい木にも
チャンスが巡ってくるという訳です。

でもデメリットはあります。
それは常に葉っぱから、貴重な水分が出ていってしまうこと(蒸散)。
冬は特に乾燥するし雨も少ないので、樹木にとって水分は貴重なんです。
それを出来るだけ防ぐために、葉っぱを分厚く、油テカテカする常緑樹が多いのです。
ツバキやサカキの葉っぱが分厚くて、パリッとしているのはその為なんですな。
後は葉っぱの強度を上げ、長く葉っぱをもたせるためでもあります。

強度が高い葉っぱがあるといっても永遠ではありません。
葉っぱが光合成をしつづけると、だんだん弱ってきて満足に光合成できなくなります。
その葉っぱを維持するコストが、養分の生産を上回った時点で葉っぱを落とします。
そして、新しい葉っぱを入れ替えるようにつけています。
なかなかシビアに計算されているのですね。


【落葉樹(らくようじゅ)】

落葉したクヌギさん

落葉樹ちるっぱの樹木って書きます。
冬になると葉っぱを落とす木のことです。
ほとんどが落葉樹じゃないかな?
だって、冬になると葉っぱの無い木の方が多いですもんね。
あれ?そうでもない?まぁいいや。

落葉樹は、葉っぱを冬に落とすことで無駄な力を使わない温存作戦に出ます。
葉っぱを落としてしまえば、葉っぱから水分が出ていってしまうのを防げますし、重量も軽くなって栄養分も少なく済みます。
冬眠みたいなもんですね。
そもそも冬は太陽光が弱いので、十分な光合成はできないのですよね。
落葉樹の光合成は冬までが勝負です。
つまり、冬までにどれだけ栄養を蓄えられるかにかかっています。

デメリット葉っぱを毎年作り直さなくてはいけないこと。
だから作り直しても負担にならないように、多くの落葉樹は薄く、広く葉っぱを作っています。
少ないコストで出来るだけ大きな成果を求める!
なんだかビジネスマンっぽいですね。


【針葉樹(しんようじゅ)】

針葉樹はまっすぐ育つ
針葉樹の葉っぱは細い(スギ)

針葉樹っぱの樹木って書きます。
葉っぱが針のように細長く、分厚い種類が多いのが特徴。
また、幹の皮がパリパリにはがれやすいのも特徴。
ほとんどが常緑樹(年中葉っぱがある)です。

そして全て裸子植物です(ソテツみたいな)。
裸子植物とは、種の元になるものが外にむき出しな種類の植物のこと。
シダ類みたいな太古より存在した植物です。

針葉樹の代表的な木にはスギ、ヒノキ、マツ、イチョウなど。
(イチョウは針葉樹の中では珍しい、落葉樹で葉っぱが薄い木です。)

戦略としては、とにかく背を高くして日光にしっかり当たろう作戦。
だから例えばスギとかヒノキは枝分かれさせず、とにかく真っすぐ上へ上へ伸びていきます。
フレッシュな日光を求めてより高みを目指しているのです。
まるで競技者みたい。


【広葉樹(こうようじゅ)】

(画像が入る予定です)please wait…

広葉樹っぱの樹木って書きます。
その名前の通り、広い葉っぱをもつ木です。
あれ、同じこと2回書いている気がする・・・

広葉樹は全てが被子植物です。
被子植物とは!
種の元が皮被って守られているような形態の植物のことです。
裸子植物の進化系です。

広葉樹は木の形を横に広げ、光を出来るだけ集めようとします。
名付けて、光独り占め作戦。
「高くより広く」です。
だから真っすぐではなく、ぐねぐねと枝分かれしながら広い形に育っていくのですね。


(おまけ)【照葉樹(しょうようじゅ)】

カリフラワーみたいな形の木に成長する常緑広葉樹を照葉樹とも言います。
ツバキ、サカキ、サザンカ、カシ、クスノキなど、遠目から見るとこんもりしているので、確認してみてね。


おわりのことば

みてくれてありがとう!
これで常緑針葉樹だとか、落葉広葉樹とか言われてもモヤモヤせずに済みますね!

あと、我々人間は「葉っぱが落ちて冬だねぇ~」とか言ってますが、
植物にとってはガチで命がけの戦いなんですよね。
木を見たら、どの木もがんばってるんだなぁと思ってあげてくださいませ。

おしまい。

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