[工場は美しい]
工場に対して美しいと思ったことはあるだろうか。
私は就職活動で実際に工場内部を目にしたとき、その凄さに魅了された。工場では、あちこちで大きな機械が寸分の狂いもなく動き続ける。その様子は、すごいを超えて美しいとすら感じた。なぜそう感じたのだろうか。
美しいものは、基本的に無駄がない。特にデザインがわかりやすい。デザインという言葉は抽象的だが、ここでは製品設計だと定義しておこう。
アップルがあれだけの人気を誇るのは、デザインが洗練されているからだろう。
iPhoneの背面がリンゴで埋め尽くされており、余白が一切なかったら美しいと感じるだろうか。あるいは、iPhone下部にボタンがたくさんついていたら買いたいと思うだろうか。
優れたデザインに共通するのは、プライオリティ(優先事項)が明確であるということだろう。一番大切なものだけを残すから、美しいと感じるのである。
つまり、iPhoneは無駄が無いから美しいのである。私はAndroid派だが、アップル製品のデザインの美しさには感心してしまう。
以上より、[美しいもの=無駄が無く、プライオリティが明確なもの]と定義している。
この定義に乗っ取れば、工場が美しいと感じるのは当然である。なぜなら、できるだけ少ないコストで生産するために、極限まで無駄を減らす努力がされているからである。本当に必要な工程だけが優先されているから、工場は美しいのである。
そして工場は、無駄の削減とプライオリティが、圧倒的なスケールで実現されている。工場以上に合理的で無駄のない、美しい巨大人工物があろうか。あったら教えて欲しいくらいだ。
私は将来、生産技術者としてこの美しさをさらに洗練させたいと思う。ついでに、もっと多くの人に工場の美しさを感じてもらいたいものである。
(まぁ、実際は汚い、臭い、危ないなど色々あるが、そんなことは大した問題じゃない。美しさがそのマイナスを全て帳消しにしてくれるだろう。…頼むから帳消しにしてくれ)
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