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盗み聞きから共感したこと

みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡

過日。営業部の若人が営業部長に話しているところを、僕は通路で盗み聞きをした。

「ぶ、部長、営業トークを教えてください!」

通路は静かで社員の往来も無い。トイレに行った帰りに、たまたまこの言葉が僕の耳に届いたのです。これは最後まで聞かずにはいられないじゃないですかあ。

「無いよ。営業トークなんて無いよ」

サラッと答えた営業部長。ちょっと冷淡じゃないかと僕は感じた。

「で、でも部長は取引先や個人客まで色々な営業トークを展開されているじゃないですかあ」

若人の語尾が上がったのを確認した。ってか、僕も普段興奮すると語尾が上がってしまう癖がある。おそらく若人は入社1年目でまだまだ尻が青い。だからある程度許されているのかも知れない。現に部長は注意しなかった。

だけど僕はおよそサラリーマン歴20年の齢40越えのメタボ。経験値こそ高いが尻は真っ白でダルダルだ。そんな奴が未だに語尾が上がってしまうような言葉遣いをしていて、果たして今後どうなってしまうのだろうか。考えただけで僕の背中に悪寒が走った。


語尾は上げない。上げるのは口角と尻肉だ!

「俺の場合はその都度、対象者ごとに営業トークを展開しているから、営業トークのような決まったマニュアルは無いよ。いずれ分かるサ」

2人の足音が聞こえたので、僕は大急ぎでポケットからハンケチを取り出し、濡れてもいない手を拭きながら歩き出した。

すると僕に気づいた2人が軽く会釈をしてくれたので、僕もハンケチをアッピールしながら会釈をした。自分でもとてもスムーズに事が運んだので、早速来週にでも『俳優オーディション』にエントリーしようと思った。マジで思った。


デスクに戻った僕は、先ほどの営業部長の話しを回想した。これは文章を書く際にも適用できるのではないかと。文章を書くと言ってもそこには当然ジャンルが存在する。主に小説、ノンフィクション、ビジネス書、自己啓発、哲学、エッセイなどだ。

小説を除いたジャンルについては、同じ感じで文章を書いているように見えるけど、実は異なるのです。対象者によって、読者によって文章の書き方を変える必要があるのです。

例えばノンフィクションの場合、ハードボイルド的に書くと臨場感が増して面白くなるとか、ビジネス書なら経営者向けに書く場合と、20代の若人向けに書く場合、同じ文章や比喩を用いるかと言えば、僕はノーです。経営者向けにはそれなりに頭を使わせるような書き方をするでしょうし、逆に20代の若人向けには簡潔に、また絵を用いるかも知れません。

エッセイも同様です。万人に向けて書く必要は全くありません。同年代に向けて書くのもヨシ、若人向けに書くのもヨシ、目上の世代にはあえて嫌味を込めて書くのもヨシなのです。


営業部長もトークを使い分けているのでとても楽しいだろうし、僕だって、僕ちゃんだって書くジャンルが変われば、文体も変わるのでそこは大いに楽しんでいます。

これが営業トークとの共通事項、共感した部分だと思うのです。

「嗚呼…いかん。いかん。仕事をしよう。そうしよう」


「TAKAYUKIさん、なんですか?」


隣のデスクの若人が聞いてきたので、僕は髪を触りながら答えた。


「別に!」


あの、沢〇エリカを彷彿とさせる僕の演技に、社内が笑いに包まれた。


そして僕はマジでガチで、『俳優オーディション』を探そうと決意したのであった。




【了】



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