夏に観たい映画
みなさん、おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡
大学時代、僕はレンタルビデオ店でおよそ2年間、アルバイトをしていた。
「TAKAYUKIくん、1回のバイトにつき、1本だけレンタルしていいからネ。そのかわり、新作はダメだョ。旧作のみだからネ」
アルバイト初日に店長から言われた一言。
バイト終わり、僕は棚にぎっしりと並べられたパッケージをガン見していった。まだVHSの時代ですから。悪しからず。
僕はちゃんとルールを守って、レンタル開始から3ヶ月が経過した旧作の中から選んだけど決めきれず、結果、店長からオススメされた映画をレンタルしました。
そんな店長からオススメして頂いた映画が、「ショーシャンクの空に」だった。レンタルしたのは夏。蝉が大音量で鳴いていたお盆前だったと思う。学校は夏休みだったので夜更かしし放題。夕ご飯を食べてお風呂に入ってテレビを見て23時から映画を見るのが、習慣になっていた。
映画は裁判の冒頭シーンからはじまる。妻の愛人の男を射殺した殺人犯として終身刑を言い渡される銀行員の男、アンディ(ティム・ロビンス)。もちろん無実である。
刑務所で一人孤独に過ごすアンディ。でもその姿は飄々としていた。
そんな中、刑務所内で調達屋のレッド(モーガン・フリーマン)と知り合う。彼と知り合うことで徐々に心を開いていくアンディ。
が、刑務所内はそんなに甘くなかった。そもそも時代は1940年代のアメリカ。モラルや秩序などは皆無だった時代。刑務官の言う事が絶対だった時代。
アンディは刑務所内で他の囚人たちから毎日暴行され、屈辱的な数年間を過ごすことになるのです。生傷が絶えない日々。希望はレッドから贈られたマリリン・モンローのポスターのみ。
だけどある日、屋上で塗装をするために人手が必要となった。調達屋のレッドはたばこを刑務官たちに渡し、アンディを含む数人を塗装作業に選ばれるように仕向けた。まさにレッドは策士だ。
鬼刑務官が贈与税で悩んでいると、元銀行員のアンディが彼にアドバイスをした。気を良くした鬼刑務官に対し、アンディは汗をかいたあとのビールは最高だから、ぜひ仲間たちにビールを飲ませてやってくれと願い出る。
結果、あの鬼刑務官がビールを差し入れてくれるようになったのである。作業を中断してビールを飲む囚人たち。アンディは酒をやめたので飲まずにただほほ笑んでいるだけ。安らぎを求めたアンディ。この件を皮切りに、レッドたち仲間との絆がさらに深まったのでした。
でもネ、それ以降もアンディの不運は続くのでした。それも見ている側がしんどくなるくらいに………。
そんなとき、刑務所の所長がアンディを大抜擢。学のあるアンディに図書室の整備をさせたり、自分の秘書にして税金対策を行うなど、アンディは確実に周囲の信頼を得ていきます。
だけどそんな日々も長くは続きませんでした。
あとは映画を見て欲しいので、簡単に記します。
このあとアンディは、無実の罪で投獄されたのを返上できるチャンスが巡ってきます。だけど最終的に所長の許可がおりなかったのです。それどころか、所長が本性を現し、アンディに対する懲罰も日増しに厳しくなり、光を奪われたアンディは、ほぼ廃人となってしまいます。
そこでアンディは最後の手段に出ます!
翌朝、点呼中にアンディの姿が見えません。怒り心頭になった刑務官がアンディの独房の前に立つと、そこには………。
前日にアンディは太いロープが欲しいと仲間に頼んでいた。それを調達屋のレッドに依頼したのではなく、単なる仲間に依頼したのでる。アンディと一番の仲良しとなったレッドさえ、予想だにしなかった結末へと進んで行きます。
僕はこの映画を見終わったあとで、これほどまでに爽快な気分になれることを知りました。絶望の中にわずかに光る希望。このわずかな希望を頼りに諦めない心を持つことを、この映画で学びました。
翌日、アルバイトに行った僕は店長にお礼を言い、映画の感想を伝えました。そして原作者があのスタンド・バイ・ミーと同じ人であると、店長から告げられました。
そうです、この原作者こそホラー作家の第一人者である、スティーヴン・キングなのであります。のちに僕は彼の本を50冊以上読む事になるのです。
以降、僕は洋画にのめり込んでいきました。
あれから20年近く経過しましたが、未だに「ショーシャンクの空に」を超える作品に出会えていません。せっかくnoteの企画で想い出したこの熱い気持ちが冷めないうちに、セミの鳴き声が聞こえているうちに、また映画をみようと思います。
【了】
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