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不運はだれかの頭上に降ってくる

先日、note先駆者の方が病を患ったと、斥候から報告を受けた。
「あわわわわ…どうしよう。こういう時って、どうしたらいい?」
と言ったところで詮無きこと。だって部屋には自分しかいないのだから。

そこで僕は人脈を駆使して連絡を試みた。

「ごめんさない。今ネ、みんなでタコパしてるの♪」
「今? 今っておまえ…メンエスの待合室だぞ。ひっひっひっ」
「明日にしてくれョ。飲み過ぎて、ろ、呂律が回らねーからョ」
「ご無沙汰です。自分はいま東尋坊に来ております」

最後の友人が心配だと思った。

いやいやいや、そうじゃなくて、僕の友人たちは一体全体何をしているの?

時刻は17時ですよ。今日は平日ですよ。世間の皆様はようやっと就業時間を終えたところですよ。それがタコパだメンエスだ飲み過ぎだ東尋坊だってサ。全く、相変わらずみんな自由人過ぎて困りますワ。

ってか、誰一人として僕の相談に乗ってくれなかったじゃないか。
えーん。わーん。
絶望します。大いに絶望します!

僕はノートパソコンを開いた。

先駆者のnoteを開いた。相変わらずの人気だ。凄すぎる。

そして僕は、励ましの言葉を書こうと決めた。

2時間が経過した。まだ一言も書けていない。筆が動かないのです。


先月、僕は毎日note365日を達成した、いわば暇人。じゃなくて、いわば書くことを得意としているのに、こういう時になると全く言葉が出てこないのであります。

「嗚呼…19時を過ぎた。ルービーの時間だ。だけどこれを書いてからじゃないときりが悪い。と言うか、散々お世話になった方に対し、励ましの言葉も書けずして、何がkindle作家だ。馬鹿者!」

僕は自分を𠮟咤激励した。


2時間後、時刻は21時を過ぎた。


ようやく僕は、励ましの言葉を書くことに成功した。


「ご、ご自愛くださいませ」


4時間考えて、たったの一言。それも9文字。


「嗚呼…僕はなんて阿保なんだ。頓馬なんだ。ってか、ご自愛ってサ、何か古くねぇ? よく出版社の方が使う言葉だよね。でも、早く元気になって欲しいからサ。この方がいなければ僕はとっくにnoteをやめていた。それは間違いない。だから、だからこれからは、サラダはノードレッシングで食べるんだョ。約束だョ。では送信!」

このあと、僕は幕の内弁当とお味噌汁を喫食した。そしてルービーは飲まなかった。3度禁酒に失敗。これからも禁酒はできないだろうけど、今日くらい飲まないことはできる。


「不運はだれかの頭上に降ってくる」


この言葉は確かにそうだと思う。それも不運はある日突然やってくるのだから始末に負えない。僕も経験した身だ。


だけど、この言葉には続きがある。


「だが、乗り越えられる人にしか不運は降ってこないのだ」


リハビリ中で大変かと思いますが、これを機に更なる飛躍を遂げて頂きたいと心から願っております。


ご、ご自愛くださいませ。



【了】






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