人間万事塞翁が馬 計画的偶発性理論との関連
中国の故事で、次のようなお話がもとになっています。
ある時、塞翁(さいおう)さんの馬が、逃げ出しました。
近所の人たちは、慰め、励ましました。
塞翁さんは、平然としていました。
何日かすると馬が戻ってきました。しかも、たくさんの馬を引き連れて。
近所の人は喜びました。「よかったねえ」と。
塞翁さんは、平然としていました。
また、しばらくすると、おじいさんの息子が、その馬から落ちてけがをしました。
近所の人は見まいに行き、慰め、励ましました。
塞翁さんは、平然としていました。
しばらくすると、戦争が起き、若者たちが兵たちに駆り出されました。
しかし、塞翁さんの息子は、けがをしていたため、戦争にいかずにすみました。
何が起こるか分からないし、起こった出来事も、何が将来の幸せや不幸につながっているかも分かりません。だから、一喜一憂しないでいこう、あるいは、幸せや不幸は、後になってみないと分からない、というような意味があるそうです。
私は、塞翁さんみたいに平然とはしていられませんし、出来事自体を自分でコントロールすることもできませんが、出来事から何かを学んだり、次に生かしたりはできそうです。
何かつながりがあるかもしれません。
最近、「計画的偶発性理論」というキャリアの考え方を知りました。
この考え方によると、個人のキャリアの8割は、偶然の出来事によって決定されるそうです。簡単な要約は次の通りです。
「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)は、心理学者のジョン・D・クランボルツ教授によって1999年に発表されたキャリア理論です。クランボルツ教授がビジネスパーソンとして成功した人のキャリアを調査したところ、そのターニングポイントの8割が、本人の予想しない偶然の出来事によるものだったそうです。
学校でも「キャリア教育」が行われ、いろいろな実践がんされています。その考え方の一つが「何か目標を決めて取り組む、達成する」です。将来の目標を決め、計画を立て、それに向かってキャリアを積み重ねていくという考え方が背景にあります。目標をもつ(決める)、目指したい方向性を決めることで、関連する情報も入手しやすくなります。ただ「目標に固執する」と、逆に目の前に訪れた想定外のチャンス(多くは、不幸?トラブル?の形でやってくる)を見逃しかねません。目標に固執して可能性を狭めるより、目の前のチャンスに気づけることがキャリアの成功にもつながるのかなと思いました。
皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです