わらび

30代/夫と特別養子縁組で迎えた子と3人で暮らしています/日々考えたこと、これまで考え…

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30代/夫と特別養子縁組で迎えた子と3人で暮らしています/日々考えたこと、これまで考えてきたことを書きたくなったときに書いています

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産んでいないが母親になった話

今年の春から子育てをしている。 しかし、私は出産をしていない。 出産せずに母親になった。 一体どういうことかというと、養子を迎えたのである。 特別養子縁組をする予定で、生後間もない赤ちゃんが我が家にやってきた。 法的にはまだ親子ではないので、自分のことを母親と呼んでいいのかは正直わからない。 自分でもまだあまり自覚はなく、さしずめ「子どものお世話をしている人」といったところか。 だが、まだ数ヶ月といえど、子育てをしてきたことには違いないし、病院や公的機関など、対外

    • 進学校がない地域における大学受験のリアル

      夏が終わり、受験シーズンが本格化してきた。 これから追い込みの時期になるので、受験生の皆さんには心と体を大切にしながら、何とか乗り切ってもらいたい。 昨今、大学進学に地方格差やジェンダー格差があることがかなり知られてきた。 そして、これを是正しようという動きも出てきており、とても喜ばしい。 しかし、格差はそれだけではない。 私は「県内格差」もかなりあると考えている。 ところが、これについてはほとんど語られておらず、見過ごされているように思うので書いてみることにした。

      • 育児界隈が苦手

        子どもを育てるようになって1年以上が経過した。 育児そのものはわりと楽しくやっているが、どうもモヤモヤすることがある。 私は育児関連のSNSやコンテンツが苦手だ。 苦手なので自分からは見ないようにしているが、インスタのおすすめ動画やネットニュースなどが流れてくることがあり、まあまあ困っている。 育児に関する対処法や子ども用品を検索することがあるので、おすすめとしてこのようなものが流れてくるのだろう。 実によくできている。 よくできているが、私は別に求めていない。 なぜこ

        • 推しを必要としなくなった

          ここ数年、推し活がやたら持ち上げられるようになった。 メディアで特集が組まれ、100均に行くと推し活関連のグッズがどんどん増殖している。 私は「○○活」という言葉全般が苦手だ。 やったほうがいいといった押しつけがましさを感じるから。 また、○○活と名付けられると、ビジネスにしてやろうという魂胆を察知するからかもしれない。 乗せられてたまるかと思ってしまう。 やりたい人はやればいいが、やりたくない人や興味のない人にまで強いるのはおかしい。 推しはいてもいいし、別にいなく

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          当事者性のなさからくる居心地の悪さ

          以前、特別養子縁組で子どもを迎えた話を書いた。 昨年秋に審判が確定し、私たちは晴れて法的にも親子になった。 無事に1歳を過ぎ、今もすくすくと育っている。 それなりに大変なこともあるが、毎日楽しく過ごしている。 上の記事では不妊のことについて、あえてさらっとしか書かなかったが、自分の中で少し整理したくなったので、今回やや詳しめに書いてみることにする。 結論から言うと、夫は無精子症だった。 最初の検査で精子が一つも見つからず、その後、手術をしてくまなく探したが、やはり見つけ

          当事者性のなさからくる居心地の悪さ

          「虎に翼」を観て思い出したこと

          今期の朝ドラ、「虎に翼」が素晴らしい。 各所で絶賛されているが、毎回神回で、気づきや考えさせられることが多い作品だ。 毎日の楽しみができてうれしい。 と言いつつも、初回からリアルタイムで観ていたわけではない。 3話目が放送されたあたりで、かなり評判がいいことを知り、題材的にも 「これは観た方がよいのでは…」と気になり始めた。 そこで最初に観たのは、1週目のダイジェストである。 かなりコンパクトではあったが、エッセンスは十分盛り込まれていた。 そして驚いたことに、ダイジェス

          「虎に翼」を観て思い出したこと

          ジャニーズ性加害問題に対する、ファンである私の苦悩、反省、そして

          この件についてはずっと、いつか整理して書こうと考えていた。 少し時間がかかってしまったが、自分の中でようやく整理がついたので書き進めることにする。 自分とジャニーズのこれまで 私は長らくジャニーズのファンである。 物心ついた頃から好きだったが、ファンと自覚したのは高校生のときで(KAT-TUN育ち)、それから15年以上ファンを続けてきた。 何度もジャニーズのエンターテイメントに元気をもらい、救われてきた。 同じものを愛する、年齢も職業も住んでいる場所も違う人たちと出

          ジャニーズ性加害問題に対する、ファンである私の苦悩、反省、そして

          ニキビとの仁義なき戦い

          ニキビ。それは思春期に突如として現れる手強い敵。 悩まされた人は多いだろう。私も散々悩まされてきた。 10年以上にもわたる、あやつとの戦いの一部始終について書こうと思う。 ニキビらしきものが現れ始めたのは、小学校5年生の頃。 額に小さなぶつぶつができるようになった。 初めは特に気にしていなかったが、クラスの発育のいい子たちにも同じような症状が出ていたため、「これは成長している証拠だ」とポジティブに捉えるようになった。 小柄な自分が、成長の早いグループに初めて仲間入りできて、

          ニキビとの仁義なき戦い

          名前が遠のくー選択的夫婦別姓を願う理由ー

          離婚をした友人が、晴れ晴れとした顔で言った。 「自分の名前が戻ってきて嬉しい!」  言うまでもないが、結婚して一度改姓した名字が、離婚してもとの名字に戻って嬉しいという意味である。 (※旧姓という言い方は嫌いなので、ここでは使わない。勝手に「旧」にするなよと思う。) 彼女は、もとの名字の保険証が発行されたとき、「おかえりー!」と声に出して喜んだという。   わが国では、夫婦は同じ姓を名乗らないといけないとされ、婚姻届を提出した夫婦のうち、実に95%は女性側が改姓して

          名前が遠のくー選択的夫婦別姓を願う理由ー

          スタバ恐怖症

          スタバはいつも混んでいる。本当に、いつ見ても。 私が通りかかるときが、たまたま混む時間帯ばかりなのかもしれないが。 空いているところをほとんど見たことがない。 「みんな、スタバが好きなんだなあ」と他人事のように遠くから眺めている。 私が店内に足を踏み入れることはない。 他のコーヒーチェーンは一人でも平気で入れるのに、スタバだけはどうしてもダメだ。足がすくむ。人の多さに圧倒されるのと、独特の雰囲気が苦手で。 そう、私はスタバが苦手なのである。 ここからしばらくは、ス

          スタバ恐怖症

          さまようセクシュアリティ

          皆さんは、自身のセクシュアリティと向き合ったことはあるだろうか。 私は何度もある。 異性と結婚しているので、一見ヘテロセクシュアル(異性愛)に見える。 多くの人からそう思われるだろう。 しかし、ヘテロと言い切ってしまうには、引っかかる点がいくつもあるのだ。 子どもの頃から、いわゆる恋バナが苦手だった。 特に好きな人はいなかったが、みんなと話を合わせるために、別に好きでもない人を好きだということにしておいた。 (勝手に好きな人にされてしまった人、ごめんなさい。) また

          さまようセクシュアリティ

          規格外はつらいよ

          「ここには僕のサイズは売っていない」 ABCマートの前を通りかかったとき、夫がこぼした。 夫は足のサイズが大きく、29センチある。 そのため、普段はネットで靴を買っている。 技術職である夫は会社から靴を支給されるのだが、やはりサイズがないらしく、特注しているらしい。 それは学生の頃からで、高校生のときも学校指定のサンダルを特注していたそうだ。 「いつも余分にお金がかかって困るんだ」 と苦笑する。 一方、私は小柄なせいで少々困っていることがある。 それは「フリーサイ

          規格外はつらいよ

          「一人っ子はさびしい」と言ってほしい大人たち

          「きょうだいがいないとさびしいでしょう?」 子どもの頃、親戚や近所の大人たちから幾度となくかけられてきたセリフだ。 このように大人が声をかけてきたとき、どう回答すればよいか。私は物心がついたときから自然と心得ていた。 「うん、さびしい。きょうだいがいたら、もっと楽しいだろうね」 笑顔でそう答えるようにしていた。   しかし、私は生まれてこのかた、一度たりとも、「一人っ子だからさびしい」などと思ったことはない。 両親はたっぷりと愛情を注いで育ててくれたし、遊び相手にも

          「一人っ子はさびしい」と言ってほしい大人たち

          ひな祭りの意外な効用

          ひな祭りと聞いて何を思い浮かべるだろう? ひな人形、ひなあられ、菱餅、甘酒、桃の花といったところだろうか。 例にもれず私も、幼少期はひな祭りならではのごちそうやお菓子を家族に用意してもらったものだ。 しかし、ひな祭りの一番の楽しみといえば、ひな壇を飾ることだった。 飾って人形をめでて楽しむというよりは、飾って片づけるまでの一連の作業そのものがたまらなく好きだったのである。   我が家のひな人形は祖母より贈られたもので、七段飾りの立派なものだった。都会の家だとこれほど大きな

          ひな祭りの意外な効用

          知ってほしい 離人症のこと

          「離人症」という言葉を耳にされたことはあるだろうか。 聞きなれない言葉だと思う。   離人症とは解離性障害の一つ。 (※そうではないとする説もある) ただし、独立した疾患ではなく、その他の病気に伴って起こる、離人感や現実感消失が主症状である状態を指すものとされている。 離人感とは 現実感消失とは このように説明されても、いまいちよくわからないという人がほとんどだろう。 離人症はその他の精神疾患と比べて知名度が低く、文献もかなり少ない。ほとんどの場合、解離性障害について

          知ってほしい 離人症のこと

          初潮にまつわるエトセトラ

          小学校高学年になると、同級生に初潮を迎えた子がちらほら現れる。私を含む、まだ初潮を迎えていないほかの同級生は、「やっぱりあの子か」「あの子が?意外」だのと、彼女らを勝手に評しながらも、一足早く大人への階段を上った彼女らに羨望のまなざしを向けていた。もちろん、早ければいいというものではないが、当時の私たちにとって、初潮とは、子どもから大人へと成長した証のような存在だった。   購読していた女児向け漫画雑誌の裏表紙には生理用品の広告が載っていた。生理にまつわる情報は、ほとんどここ

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