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本物の粛清さんになるしかない。『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』最終回感想
『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』の感想でこんなことを書いた。
これは僕の妄想なのですが、ちさまひが殺し屋協会に反旗を翻して新たな道を行くというもの。殺し屋協会は体制側として描かれている面があるので、ちさまひが殺し屋協会に疑問を持つこともありえるのではないでしょうか。殺し屋協会の粛清さんとの対決も観てみたいです。
ドラマ『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』でこの予想はだいたい当たってしまった。今回はドラマ後半の「ジョブローテーション編」について感想を述べる。(以降、シリーズを『ベビわる』、ドラマを『ベビエブ』とする)
『ベビわる』の世界には殺し屋協会というのが存在し、そこに所属する二十歳そこそこの杉本ちさとと深川まひろが時にはゆるふわな日常会話を、時には男顔負けのアクション(殺し)を繰り広げていく。
感情がぐちゃぐちゃになる「ジョブローテーション編」
『ベビわる』の殺し屋協会には、殺し屋の仕事だけでは社会人スキルが身につかないということで、「ジョブローテーション」というシステムが存在する。コンビを組むちさととまひろはそれぞれ殺し屋協会の組織に所属することとなる。
ちさとは殺し屋の営業部(殺しの案件をもらう部署)に配属され、まひろは殺し屋の中で邪魔者になったものを処分する"粛清さん"こと日野さんの相棒となる。ちさと以外とコミュニケーションをとるのが苦手なまひろだったが、自分と似た日野さんのことを知るうちに打ち解けていく。一方ちさとは明るく元気な営業部でうまくやっていけるかのように見えたが、無理矢理に殺しの案件を取りに行く営業部の人たちと相容れなくなっていく。
案件一つ取れず、ろくに仕事ができないちさとに対して、営業部の人たちはしだいにちさとに嫌味やプレッシャーを与えていく。ちさとは「頭の中で」何度も営業部の人たちを撃ち殺すことで自制を保つ。
観ている人はちさとがいつおかしくなるか心配になる。今までのシリーズではまひろがろくにバイトができず、ちさとが社交的でどんなバイトもこなせるイメージがあった。だが、今回は違う。ちさとはいつ壊れてもおかしくないのだ。
シリーズ1作目で見せたちさとの狂気
さきほどちさちが社交的と書いたが、ちさとは社交的に振る舞うことに無理をしているのではないかと思う。『ベビわる』のシリーズ1作目を思い出してほしい。お店のバイトでワッフルのホイップで店長にしこたま怒られ、ようやくできたワッフルとホイップをカップルの席に届けると、彼氏が彼女にホイップをいらないと言って渡したとき。ちさとはプツンと切れ、彼氏をお盆で殴り倒し、駆け寄った店長の首をへし折る。
そう、ちさとは笑顔で我慢はできるのだが、閾値を超えると暴走する。
今回のジョブローテーションでもちさとは我慢の限界を超える。営業部に復讐しようとするちさとをまひろは…。続きはぜひドラマでお楽しみください。
結末は・・・
ジョブローテーション編の最後、ちさととまひろは殺し屋稼業を続ける。しかし、条件があり、それは「腐りきった悪いやつ」のみを殺しのターゲットにするというもの。彼女たちは誰彼構わず殺していく殺し屋という仕事を見直し、正義のために殺しをすることを決意する。悪いやつを"粛清"する"粛清さん"となったのだ。
「人殺した後もこうやって家事してると、どんどん人間に戻っている気がする」「それなんか同じこと言ってる人いたよ」
これは『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』野良の殺し屋冬村かえでが言っていたのとほぼ同じ台詞である。彼女たちの物語はまだ続きそうな予感はあるが、このまま正義の殺し屋として活躍することを願いたくもなる。
おわり。