人生初ディズニーシー(2024.11.22 JAL貸切イベント)
ディズニーシーの貸切イベントに行ってきた。嫁のお義母さんがJAL主催の貸切パーティー招待券を抽選で当て、僕ら夫婦にプレゼントしてくれたのだ。
生まれてこの方、ディズニーランドには行ったことがあるが、ディズニーシーは初めてである。どんなところなのか分からない。シーというぐらいだから海が一望できるのか?
何はともあれイベントは19時からだった。貸切イベントに招待されるのは2500組5000人という、普段のディズニーの来客数から考えるとかなり小規模な人数である。しかし、この5000人の目当てはただ一つ。今年6月に誕生した新エリア「ファンタジースプリングス」のアナと雪の女王のアトラクションだ。
地獄の待機時間
わが夫婦は開園3時間前の16時前にシーに到着した。にもかかわらず、入場入り口には数十人の待機者がいた。嫁は恐る恐る並んでいる(シートを引いて座っている)ご婦人に声をかけ、後ろに並ばせてもらった。
ご婦人はたいそう愛嬌が良く、ディズニー愛や飛行機愛(というよりマニア)を語ってくれた。嫁さんとご婦人はすっかり意気投合し、話し込む。女性というのは初対面なのにどうしてこうすぐ仲良くなれるのか。僕とご婦人の旦那さん(パパさんと呼ばれていた)は挨拶程度でその後は口数は少なかった。
嫁たちの話を聞きながら、ディズニー特有の寒さに3時間を過ごした。待機している時間はとても辛かった。地べたに座っているだけでも体温が奪われ、下半身が硬直していく。今回は3時間待機だったが、芸人きしたかの高野さんはABEMAのチャンスの時間という番組でiPhoneを買うために何日もアップルの店舗に待機していたのだから信じられない。芸人ってホントに過酷なロケをやらされていると実感した。
ようやく開園。アナ雪へレディゴー
開園の19時となった。保安検査を経て入場ゲートに並ばされる。まるで競馬の馬みたいだ。待機時間で予習したアナ雪のアトラクションへの道のりを反芻し、いざ、ゲートが開かれた。先に嫁が入場し、僕もQRコードをタッチして嫁と一緒に行こうとした。しかし、大勢の人がすでに入場しており、嫁の姿は見当たらなかった。入場後はテレビでよく見るデパートの大バーゲンセールよろしく、大勢の人がアナ雪に向かっていた。僕は嫁がいない不安はあるものの小走りでアナ雪を目指した。しかし、実際シーに行ってみると分かったのだがアナ雪まではものすごく遠い。走っても走っても新エリアにすらたどり着かない。群雄割拠をかき分け、なんとかアナ雪にたどり着いたが、すでに到着していた嫁は、僕というお荷物に待たされたことに激怒していた。罵詈雑言を浴びせられながらも、アナ雪のアトラクションに乗った。アトラクションは何というか普通だった。こんなもののために、必死に走らされ、怒られたのか。でも、まあ、うん、すごくアナ雪の世界観だったよ。
様々なアトラクションというよりジェットコースター
その後は嫁さんのご機嫌を伺いつつ、様々なアトラクションに乗った。普段のシーとは違って待ち時間は少なく、快適に園内を回ることができた。僕としてはピーターパンの3D映像と乗り物を組み合わせたアトラクションが好みだった。映像では空を自由に飛び回り、まるで浮遊した感覚のVRゲームをしているみたいだった。
嫁さんが「昔乗ったことあるけど、ちょっと揺れのあるアトラクションだよ」といって、レイジングスピリッツというアトラクションに乗った。乗車前には"激しいアトラクションですので、メガネ等は外してください"と書いてあった。嫌な予感がする。キャストの方が「スリリングな冒険へ行ってらっしゃい!」などという。やはり嫌な予感がする。キャストにぎこちない笑顔で手を振り返し、僕は安全レバーを強く握った。乗り物はガタンガタンと上昇していき、そこから一気に急降下。やはり、ジェットコースターだった。僕は昔からジェットコースターが大の苦手で、このアトラクションもずっと目をつぶるしかなかった。激しく降下したあと、また上昇。なんなら一回転しているのが重力で伝わる。僕はほぼほぼ絶叫していたが、隣にいた嫁は「怖すぎる!もうヤダ、降ろして!」と叫んでいた。いや、なんでお前のほうが怖がっているんだよ。"ちょっとした揺れのあるアトラクション"じゃなかったのか?
あとから聞いたが、嫁は17歳で乗ったときは全然怖くなかったらしい。それが数十年を経て運動神経などが衰えたのか、今回ジェットコースターが無理かもってなったのだそうだ。二人とも意気消沈した。
最後はタワー・オブ・テラー
最後に乗るアトラクションを決めかねていたが、当初予定していたタワー・オブ・テラーに乗ることを決意。このアトラクションだけはお義母さんから聞かされていたが、なんでも6階ぐらいの高さから"落ちる"のだそうだ。
僕は嫌がったが、嫁の断固たる決意は変わらず、最後尾に並んだ。その時キャストさんが「これで入場は終了です」と言った。このアトラクション、最後のお客さんとなった僕たち。洋館の扉は閉ざされ、もう後には引けない。嫁さんが冗談交じりにキャストさん聞いた。
嫁「このアトラクションで死んだ人いないですよね?」
キャスト「まさか、そんなことあり得ませんよ。アハハハハ」
アハハハハ、じゃないよ。僕は死ぬ思いでこのアトラクションに挑もうとしているんだぞ。
アトラクションに乗る前、十数人のお客さんとアトラクション概要の映像を観るのだが、記者会見の録音によると「お前らまさか偶像(宝)のために最上階へ行くんじゃないだろうな?行くなよ絶対」みたいなことを言う。はい、行きたくないです。でもやっぱりアトラクションには乗せられる。ダチョウ倶楽部の押すな、押すな理論である。
しっかりと安全ベルトを装着し、真っ暗闇の中いざ最上階へ。そこでまっていたのは偶像ではなかった。「来るなと言っただろ、愚か者めが。」そして、目の前に鏡が写し出される。「さぁ手を振って、この世の自分に別れを告げたまえ」もうやけだ、自分との別れに全力で手を振った。
そして、急落下。
・・・もうほとんど生きた心地がしなかった。
帰宅
こうして閉園時間いっぱいディズニーシーを楽しんだ。あんたが一番楽しんでんじゃんと嫁に言われたが、確かに怖がりな僕が誰よりも一番楽しんでたかもしれない。
日をまたいで、飯も食えず家に帰り、のりたまのふりかけでご飯を食べた。この世で一番おいしい食事だった。
おわり。