やめる
親にとっては長い長い学校の夏休みが終わり、やっと日常が戻ってきた。
今年直面したのは夏休みのお昼ごはん問題。
留守番の我が子へ置いていくお弁当。
とにかく暑すぎたこの夏、作り置き弁当には細心の注意を払わねばならなかった。
留守番中、火は絶対に使わせないし、レンジで温めることもやめてもらっている。
温まった食品で火傷などしては大変だからだ。
気の毒だが、保冷剤で冷え冷えのお弁当を食べてもらうしかない。
ここの所よく食中毒の話題を耳にしていた。
老舗だって、マニュアルに則っているチェーン店だって食中毒は発生しているのだ。
食のプロを以ってしても負けることがある。
果たしてただの主婦が家族を食中毒から守れるのだろうか。
しかし、やるしかないのだ。
食器や食品にかかっても大丈夫なアルコールスプレーも買った。
まな板だって包丁だって、やたら熱湯消毒した。
あと大事なのは、おかずやご飯は完全に冷ましてから詰めることらしい。
前の晩に作っておいたおかずも、一度中まで温めてから完全に冷ませと何かで読んだ。
私は忠実にそれを守った。
レンジで熱々に温めたおかずに扇風機の風を当て、皿の下にはアイスノンを忍ばせた。
温めては冷まし、温めては冷まし。
何だろうこれは。
相反する作業。
いったい私は何をしているのだろう。
夏休み中盤、私は弁当の手作りを諦めた。
安全な弁当を作るのはとても難しいし、私の精神衛生上よくないと思う。
自然解凍できる冷凍食品や、冷蔵庫に入れておけるコンビニの麺類、サンドイッチ、菓子パン、そのまま食べられるフルーツなど。
頼れるメンバーがたくさんいた。
もういいじゃない、それで、夏。
その方が安心安全、親も楽ちん。
味に飽きることもあるかもしれないが、腹を壊すよりマシだ。
しかし、手作り弁当ではないという要らぬ罪悪感からか、いつもよりお菓子やアイスを多めに買っていたようだ。
我が子達たちは喜んでいた。
罪悪感は吹き飛んだ。
幸い今年の夏休みは、アイスを食べすぎた者(息子)を除いて腹を壊す者はおらず、無事に夏休みを終えることができた。
皆さん、お疲れさまでした。
今後の日本の夏は恐ろしいほどの暑さとの共存になるのだろうか。
ひと夏で2、3歳老け込んだ気がする。
もうやってらんねえ。
でもビールとスイカの美味さが半端ないところは夏のいいところだと思う。
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