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平井正三(理事長)「一人ひとりの子どもを大事にし、一生懸命に関わっていく」[前編]

 いじめや虐待で傷ついた子ども、発達障害など何らかのハンディキャップにより学校の雰囲気に溶け込めない子どもなど、子ども自身が助けを求めていることがあります。公的な支援の拡充も行われていますが、現代社会では家族の状況も多様化しており、それぞれのニーズに応じた心理的な支援は十分ではありません。
 
 公的な支援の枠組みには乗りにくい子供や家族の支援を引き受けることは、私たち「子どもの心理療法支援会」サポチルの使命の一つだと考えています。サポチルでは、精神分析的な心理療法を無料や低価格で提供していきたいと思っており、みなさまからのサポートを必要としています。

 今回は、認定NPO法人「子どもの心理療法支援会」(サポチル)の理事長を務める平井正三さんに、全2回に分けてインタビューを行っています。

 平井さんは、京都にある御池心理療法センターでは、子どもや家族、大人の心理相談を担当しています。臨床心理士の資格を持ち、日本国内の大学院で修了後、イギリスのタビストック・クリニックにて子どもと青年の精神分析的心理療法の専門訓練を受けました。
 イギリスでの経験において、子どもや家族への心のケアが精神分析的アプローチを通じて無料で提供されている公的支援の一環であることに深く感銘を受け、その経験をもとに、日本でも同様の実践を広めたいという思いから、2005年に「子どもの心理療法支援会」(サポチル)を設立しました。サポチルでは、精神分析的心理療法の普及を目指し、虐待や障害を持つ子どもたちやその家族に対して支援やコンサルテーションを提供しています。また、精神分析に基づく研修や訓練の場も設け、次世代の専門家の育成にも力を注いでいます。

 インタビューの前編では、河合隼雄先生に影響を受けたという平井さんの学生時代の様子から、精神分析的心理療法というアプローチを選んだ理由について迫っています。また平井さんは、サポチルが提供する心理療法が社会において「子どもが、家族、学校、人間関係についてどう捉えているのか、ということについて、決して正解を求めるものではなく、私たちセラピストが関わり合いながら子どもの本当の気持ちに向き合える場」になってほしいと語っています。

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