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しっぽ。

〇〇「今日は夏鈴ちゃん、尻尾付きなんやね」

番組終了後、おなじみのサインタイムを終えて移動するメンバー達。俺は夏鈴ちゃんの後頭部を見てそう言う。

夏鈴「…尻尾?」

先を歩く夏鈴ちゃんが、振り返って聞いてくる。

〇〇「これこれ」

俺は自分の後頭部をちょいちょいと指さす。

夏鈴「あぁ…」

自分の後頭部に触れて、尻尾の意味に思い当たる夏鈴ちゃん。

夏鈴「尻尾って…」
〇〇「なんか駄目やった?」
夏鈴「…駄目じゃないけど」

ちょっと笑いながら、

夏鈴「変なの…笑」
〇〇「変やったかぁ〜」
夏鈴「…うん、変だよ。変…笑」

まぁ、笑ってくれてるしええか。

〇〇「可愛いと思ってんけどな〜、尻尾」
夏鈴「好きなの?」
〇〇「ん?」
夏鈴「尻尾。好きなの?」
〇〇「……そうやね、好きかな」

ちょこんっ。
って感じで可愛いやん?

〇〇「いつもおもってたけど、可愛いやん?」
夏鈴「ふ〜ん…」
〇〇「あら、お気に召さんかった?」
夏鈴「ううん」

夏鈴ちゃんはふるふると首を振る。

夏鈴「そっか。可愛いか…」
〇〇「うん。可愛いで」
夏鈴「…変なの笑」
〇〇「なんでやねん笑」
夏鈴「なんでも笑」

周りから見たら何が面白いのか分からないだろう会話をしながら、俺達は笑う。

〇〇「ちょくちょくやってるから気に入ってんのかなって」
夏鈴「…尻尾?笑」
〇〇「ずっと笑ってるやん笑」
夏鈴「だって…笑」

変なツボやなぁ。

〇〇「で、どうなん?」
夏鈴「う〜ん…。どうかなぁ…。あ、でも」

少し考えるように視線を彷徨わせて、すぐ何かを思いついたようにこちらを見る夏鈴ちゃん。

夏鈴「…気に入った」
〇〇「…今ぁ!?」
夏鈴「…じゃないけど。うん。気に入ってる」
〇〇「…まぁ、ええか」

気に入ってるんやったら。

夏鈴「……ね」
〇〇「ん?」 
夏鈴「…また見たい?」
〇〇「……うん」 
夏鈴「そっか…」

夏鈴ちゃんが立ち止まって振り返る。

夏鈴「…じゃあ気が向いたらね」
〇〇「そこはまたやるねでよくない?笑」
夏鈴「え〜…笑」
〇〇「いじわるやねぇ〜」
夏鈴「そんなことない笑」
〇〇「…いーや、いじわるや笑」
夏鈴「そんなことないって…笑」

他愛もないけど、俺ららしいかなって。

夏鈴「…じゃあ、またやりたくなるようにして」
〇〇「…どうやって?」
夏鈴「自分で考えて…笑」
〇〇「それが難しいんやんか笑」
夏鈴「ちゃんと考えといて…笑」

難しい宿題が出来てしまったなぁ。

夏鈴「あと…、急にするかもしれないから、ちゃんと見てないと見逃すかも」
〇〇「ちゃんと見てるから大丈夫」
夏鈴「…ふ〜ん笑」
〇〇「何?」
夏鈴「…即答だなって」
〇〇「そりゃそうよ」
夏鈴「…笑」
〇〇「なーんで笑うかなぁ笑」


いつもこれを尻尾だと思って見てて、
いつも可愛いと思ってるってわかったら、
もっとお気に入りにもなるよ。

いつも付き合ってくれるから、
わがままもきいてくれるから、
もっと私のこと考えててって思うし、
もっと私のこと見ててって思うのに。


……そんな即答されたら、
嬉しくなっちゃうじゃん。

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