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ひかれ、ひかれ、ひかる。

〇〇「お疲れ笑」
ひかる「まだ笑ってる笑」

顔面パイを食らった後、シャワーを浴びて休憩中のひかる。

〇〇「あー面白かった」
ひかる「もぅ〜」
〇〇「お水飲む?」
ひかる「まぁ、飲みますけども…」

グラスに注いだ水を渡してやる。

ひかる「どうも」
〇〇「で、どうやった顔面パイ」
ひかる「なかなか衝撃でしたけど、ちょっと嬉しかったですね笑」
〇〇「ええよなぁ、定番やんなぁ」
ひかる「顔面守って欲しかったですけどね笑」
〇〇「国宝がパイまみれに笑」
ひかる「すごい笑うじゃないですか…!」

思い出し笑いしてしまう。

〇〇「あーしばらくコレで笑える笑」
ひかる「他人事だと思って〜笑」
〇〇「いやー、でもほんとにパイ食らっても可愛いから大丈夫大丈夫」
ひかる「前髪大変なんですからね〜」
〇〇「軽く乾かした現在でも抜かりなく前髪出来てるよ」
ひかる「……イマイチな前髪やったら見せれんもん」
〇〇「ん?」
ひかる「何でもないでーす」
〇〇「そう?」

なんか言いたそうだったけど。

〇〇「しかしみんな面白かったなぁ。夏鈴ちゃんの反省促しながらちょびちょび食べるのとか」
ひかる「……」
〇〇「どうかした?」
ひかる「…今は私しかおらんけん、私のこと褒めてよ」

不服そうな顔でぼそっと言うひかる。

〇〇「…ほんと顔も可愛いけど、拗ね方も可愛いんやなぁ。すごいなぁ」
ひかる「……拗ねてない」
〇〇「そうなん?」
ひかる「…そう。でももっと褒めてくれてええよ?」
〇〇「あんま褒められなれたら、ご機嫌とる時大変やからなぁ…」
ひかる「…そん時はそん時と思ってよ」
〇〇「はいはい」

俺は空になったグラスをひかるから受け取る。

〇〇「そろそろ戻ろかね〜。準備済んだらスタジオ戻って来てな?」

踵を返すとジャケットの裾を掴まれる。

〇〇「どしたん?」
ひかる「もうそんな時間ない?」
〇〇「…そこまでではない、かな?」
ひかる「じゃあもうちょっと一緒におったらよかろ…」
〇〇「……今日はやけに甘えたやね?」
ひかる「…べつにそういうんやなか」
〇〇「ベタベタな方言もめずらしいなぁ」
ひかる「…おるの?おらんの?」
〇〇「はいはい、もうちょっとおろかね」

そこまで言われちゃ、後ろ髪引かれるしね。

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