ごじゃ。
小西「…ん、今日は早いやん」
〇〇「え…、えぇ…?」
何故メイド…?
小西「…ん?あぁ、これはあんたのためじゃなくて友達とのパーティー用のを試着してるだけやから」
〇〇「ハッ、ハァッ!?別にそんな事思っとらんし!?」
小西「なんの焦りなん、それ」
〇〇「別に焦ってへんし!?」
小西「ウケる」
全然ウケてるようにみえんのやが?
〇〇「……」
とは言えよ?
とは言えこれは流石にな?
小西「…何ヘラヘラしとんの?」
〇〇「いやいや、流石に友達とのパーティーって言い訳は苦しない?笑」
小西「…ふぅ〜ん笑」
小西はニヤニヤしながらスマホを操作する。
小西「向こうも準備万端みたいやけど?」
スマホの画面には共通の友人である清水のメイド姿。仲ええね、君ら。
小西「…で? 自意識過剰で恥ずかしないん?笑」
〇〇「……」
死ぬほど恥ずい。
マジで。
いっそ殺せ。
〇〇「……というか、清水メイド似合うなぁ!なんかメイド喫茶とかおっても違和感ないなぁ!」
…ちょっとこのごまかしは苦しいか?
小西「……」
え、何その反応。
小西「ほぉ〜ん?“ご主人様”はそういうメイドさんが好きなんやなぁ?」
〇〇「…えぇ〜」
小西「“ご主人様”は彼女の猫耳にも、メイドにも対した感想出んかったのになぁ?」
〇〇「……」
めちゃくちゃやなコイツ。
どんな反応しても八方塞がりやん?
小西「はぁ〜あ〜!甲斐がないなぁ〜!」
わざとクセェ!
しかも俺のためやないって言うたんそっちやん!?
小西「あぁ〜あ〜!おもんないなぁ〜!」
チラッチラッ。
わかりやすく視線を送ってくる小西。
〇〇「…………いい」
小西「え!?なんて!?聞こえへんかったわ!笑」
耳元に手を当てて、へらへらしとる。
わざとらしいねん!
〇〇「……小西のがかわいいです」
小西「へぇ~!?そうなんやぁ!?彼女にメイドの格好させてご主人様って言わせるのが好きなんやぁ!」
〇〇「捏造が過ぎる!」
小西「はぁ…、しゃあないなぁ〜。そんなんに付き合ったる小西の優しさったらないよなぁ…」
〇〇「恩着せがまし過ぎる……!」
小西「え、何か言うた?“ご主人様”?」
〇〇「何も言ってないです…。勘弁してくれ」
しばらく小西のご主人様イジりは続いた。
もちろんそう呼ぶだけで、ご主人様扱いするわけではない。
ない。
もちろん。
ない。
数日後。
小西『ご主人様にお土産やで』
〇〇「マジで向こうでもその呼び方してへんやろな…!」
……。
とりあえず、そっと、間違えて消さんよう、フォルダを分けて保存しといた。