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もしもあの頃。

ひかる「アイドルやってると、なんだかんだ制服着る機会多いですよね」
〇〇「まぁ、普通の社会人に比べればそうかもな」

アイドルとしての制服もそうだが、なんだかんだと学生らしい制服を着る機会も多いアイドル。

〇〇「まだ全然いける気がすんのは贔屓目やろか」
ひかる「贔屓目ですね笑」

即答するひかる。 
そうかな〜?

ひかる「〇〇さんは…」
〇〇「いけるわけ無いやろ」
ひかる「はや笑」
〇〇「どう考えてコントにしかならんわ」
ひかる「食い気味…笑」

そら食い気味にもなるわ。

ひかる「〇〇さんは、どんな学生だったんです?」
〇〇「どーもこーも…。なんてことない、ちょけたバカやったよ」 
ひかる「ちょけるってなんですっけ」
〇〇「調子こいてると思っといて」
ひかる「調子こいてたんですか?笑」
〇〇「こいとったね。こきにこいてたね」
ひかる「…見たかったなぁ笑」
〇〇「なんの得も無いで」
ひかる「……」
〇〇「どしたん?」
ひかる「〇〇さんと同級生だったら、どんな学生生活だったかなぁって」

ひかるはデビュー時、17歳。
アイドルとしては早くも遅くもない年頃。
中学生からデビューを果たす者も少からずいるこの業界、ひかるはまだある程度普通の学生生活も経験しているけれど、周りの友達とはずいぶん違った青春を過ごしていたことは間違いない。

〇〇「…ひかるはぴかぴかした女子高生やったろうし、俺はただのバカやったし、関わりあったかどうか…」
ひかる「…あるよ」
〇〇「……」
ひかる「ある。私が行くもん。〇〇さん…〇〇が私に興味なくても、私が会いに行くし、話しに行く…」
〇〇「……」

茶化すのも悪いかな。

〇〇「…森田は俺なんかに構って楽しいんか?」
ひかる「…楽しいよ。だって皆楽しませようって気持ち、伝わるから」
〇〇「…森田がアイドルなったら、遠くから応援しといたるわ」
ひかる「…遠く?」
〇〇「まぁあんま男友達の影はないほうが」
ひかる「一緒に上京して、マネージャーやればいい」 
〇〇「許されるかぁ!」
ひかる「私が許すけ。問題なか」
〇〇「すごい権限!」
ひかる「やけ、ずっと一緒…」

ひかるは自分の制服眺める。

ひかる「制服デートとか…、人並みに興味あったし」
〇〇「…俺でええんか、それ」
ひかる「……〇〇がいい。〇〇じゃなきゃイヤ」
〇〇「……しゃ〜ないなぁ〜」
ひかる「制服着る!?」
〇〇「いやいやいやいや、流石にちょっと…」
ひかる「え〜…」
〇〇「そんなに…?」
ひかる「そんなに」
〇〇「……澤部さんにしくじり先生の時の衣装お借りしないとかなぁ…」
ひかる「笑」
〇〇「笑とる〜」

もし本当にあの頃一緒に居たら、私はアイドルしてたかなぁ?離れることを覚悟できたかなぁ。
沢山ある好きから、一つを選び取れたかな。
あの頃からずっと一緒なら、それは勿論幸せだけど、好きなことをしながら、好きな人と一緒にいられる今が、一番幸せなのかな?

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