
いつか当たり前に朝食を。
〇〇「顔小さすぎてクロワッサンとほぼ一緒やんけ!笑」
ひかる「そんなウケます?笑」
珍しく、現場に向かう前にひかるとモーニングに舌鼓を打っている。
〇〇「しかし寝坊助なひかるがちゃんと起きて、朝食食べるなんてな〜」
ひかる「いつも寝坊してるわけじゃないですし」
〇〇「でも美味しいご飯となったらちゃんと起きるんやなぁ〜」
ひかる「…ご飯がメインってわけじゃないですけどね」
〇〇「なんか言うた?」
ひかる「い〜え〜笑」
クロワッサンを真っ二つにして笑うひかる。
そんな姿をぼんやり眺めながら珈琲をすする。
〇〇「笑」
ひかる「なんです?」
〇〇「いや、なーんか、和むなぁって」
ひかる「なんですかそれ笑」
うまく言葉に出来ないが、忙しく働く姿に喜びとか、誇らしさとか、そういうものを感じると同時に、こんな何でもない事にゆったりと時間を使えることが、ありがたくもある。
〇〇「日々忙しいからや、たまにはこうやってのんびり朝ごはん食べる時間ってのは、意識して作らないとあかんねやろなぁって」
ひかる「…〇〇さんが誘ってくれなきゃ、そうそうやらないと思います」
〇〇「おーい、意識してやろやうやって話やん?」
ひかる「やけん、誘うてよって話やけ」
〇〇「…ずるくない?」
ひかる「なーんもずるない」
ひかるは微笑みながらクロワッサンを口に運ぶ。
そんななんてことない姿も絵になる。
ひかる「健康的な生活させたかったら、そこもちゃんと面倒見てくれんと」
〇〇「いい大人でしょーが」
ひかる「大人が健康的な生活してると?」
〇〇「…思わんね」
朝早くから夜遅くまで。
そんな事もザラである。
ひかる「やけん、朝から晩までちゃんと見といてよ」
〇〇「…手のかかる子やね〜」
ひかる「…きらい?」
〇〇「……すきですけど」
ひかる「…じゃあ何の問題もなかね」
〇〇「いや、問題やろ笑」
それではごまかせんわ。
ひかる「面倒見てくれた分、ちゃんとお返しするけ」
〇〇「ちなみにどんなお返ししてくれんの?」
ひかる「…幸せにします」
〇〇「……なんか語弊が生まれそうな言い方」
ひかる「一生幸せにしますし、毎日笑顔で過ごせるようにします」
〇〇「…え〜と」
ひかる「なので、毎日私に朝ごはん作ってください」
〇〇「……なんか、逆じゃね?」
ひかる「私は朝は寝たいんで…笑」
〇〇「正直者〜笑」
そんかひかるが、わざわざ少し早起きして、こうやって付き合ってきているのに、感謝せんとな。
ひかる「…特別な日があるのも勿論嬉しいけど、毎日少しずつでもいいから、特別が当たり前になっていったら良いなって」
〇〇「特別が当たり前?」
ひかる「こうやって一緒に朝からご飯食べて、普通に一緒におるの」
〇〇「……」
ひかる「そういうのが当たり前の毎日になったら、幸せかなって」
〇〇「……そう」
ひかる「……照れとる?」
〇〇「照れとらん!」
ひかる「アハハ笑」
〇〇「なーにわろとんねん!」
ひかる「可愛いな〜と」
〇〇「可愛ない!」
ひかる「可愛い可愛い」
〇〇「お前のがよっぽど可愛ええわい!」
ひかる「……どうも」
〇〇「普通に照れんなや!」
ひかる「まぁ、一番可愛いですから」
〇〇「…そういうとこも好きやねんなぁ」
ひかる「…知ってる」
〇〇「はいはい笑」
こういうのでいい。
こういうのが毎日、当たり前になって。
当たり前に、一緒にいたいなって。
これからもずっと、この先もずっと。
立場や関係が変わっても。
朝起きてご飯食べる時から、
夜ご飯を食べて眠る時まで。
そんな何気ない毎日を。
当たり前に一緒にいたいな。
そんな特別が、毎日なったら、素敵だなって。