天魔。
〇〇「麗奈は悪魔側やねんな〜」
麗奈「そうなんです♡」
〇〇「ちょっと意外かも」
麗奈「そうですかぁ?」
〇〇「天使っぽいかなぁって。勝手なイメージ」
麗奈「天使みたいに可愛いってことですか?♡」
〇〇「ぁ、はい、そうね」
麗奈「あしらい方が冷たーい♡」
めげへんなぁ…。
〇〇「でもまぁ、小悪魔って考えるとあながち間違ってもないか」
麗奈「私ってそんな小悪魔っぽいですかね〜」
〇〇「うーん、まぁ、思わせぶりな感じはあるかも?」
麗奈「え〜、思わされちゃいました?♡」
なんかモヤッとする日本語やな…。
〇〇「まぁ、そういうトコを鑑みれば、悪魔なのも納得ではある」
麗奈「…そう言うことなら、〇〇さんも悪魔側ですね♡」
頭の飾りをなぜか俺に装着する麗奈。
〇〇「…べつにどっちでもええねんけど、理由ぐらいは聞いとこかな?」
麗奈「そうやって自覚がないところ♡」
俺の頬をぷすぷすと人差し指で刺してくる。
ハートマークが付きそうなくらい甘い口調だが、どことなくトゲを感じる。
うーん、雲行きが怪しくなってきたな?
夏鈴「…私も〇〇さんは悪魔側だと思う」
〇〇「え〜、夏鈴ちゃんまで?」
悪魔な夏鈴ちゃんもこっちに近寄ってくる。
夏鈴「……」
〇〇「…まぁ、夏鈴ちゃんは悪魔側ってイメージやなぁ、ぴったりぴったり」
夏鈴「……どういう所が?」
〇〇「え〜と…」
気まぐれなトコとか、たまに辛辣なトコとか、
ツンぽく見せてデレなとことか…。
…そのまま言うと角が立ちそう。
〇〇「……色的に?」
夏鈴「…私が〇〇さんを悪魔側だと思うのは、そうやってすぐ煙に巻くとこ」
夏鈴ちゃんが麗奈と反対側の頬を刺してくる。
そのまま言わなくても角が立つとは…。
保乃「いや!〇〇さんは素直じゃなくて意地悪なとこもあるけど天使側やで!」
ひかる「そーだそーだ。口悪くて意地っ張りだけど天使側だー!」
何やろう。なんか素直に喜べん。
〇〇「ほんまにどっちでもええけど、一応聞こか…」
何故かふふんと自慢げな保乃。
保乃「まぁ、なんやかんや世話焼きさんやし?メンバーのことよう見てるし?優しいとこもあるし?」
指折り数えるひかる。
ひかる「頑張りやでしょ?力仕事率先してやるでしょ?相談もよく乗ってくれるし、あと、いつも元気で明るい」
小学校の通信簿か?
〇〇「あー、はいはい。わかりましたわかりました」
なんか恥ずかしいからやめて。
〇〇「2人は天使側なんはイメージ通りやな」
保乃とひかるは顔を見合わせて、ニッコリ。
保乃・ひかる「理由は?」
〇〇「…明るくて素直で元気で優しい」
麗奈「…ということは私達は」
夏鈴「暗くて捻くれてて元気がなくて優しくない…」
〇〇「言うてへんやろ!」
心なしか人差し指のめり込みが深くなったような。
保乃「というか何で2人はいつまでもほっぺた刺してるん!?」
ひかる「悪魔側の特権じゃないでしょそれ」
2人も寄ってきて、俺の席周辺の密度が濃い。
〇〇「ええい、羽がうっとしいな!散れ散れ!」
4対8枚の羽が大集合すな!
そして天使の羽を頭につけてくるな!
天使と悪魔の融合体みたいになっとる!
綺良「間とって天魔でいいんじゃないですか?」
〇〇「大阪府大阪市北区の地域名みたいになっとるやんけ!……いや、待てよ」
天魔と言えば、第六天魔王のことやん?
欲界の王は曰く、人の楽しみを自分の楽しみとして受け取ることが出来るとか…。
悪くないやん?
ファンやメンバーが楽しければ、自分自身も楽しいってのは、芸事のマネージャーとして言う事無し。
〇〇「ええやん。今日から俺は芸能界の第六天魔王や!」
麗奈「なーんかよくわかんないけど」
夏鈴「これはあれ…」
保乃「うん、間違いない」
ひかる「天使とか悪魔以前に」
〇〇「…なんやねん」
一同「好みが子供」
〇〇「……」
綺良「ぐうの音も出ませんね?」
〇〇「やかましわ!」