第101回箱根駅伝6区野村昭夢選手と7区佐藤圭汰選手の凄さを偏差値から考える

第101回箱根駅伝の復路において絶大なインパクトを残したのはこの2人ではないでしょうか.タイムを見ただけでも凄さはわかりますが,この2人のタイムを偏差値を用いてより深掘っていきたいと思います.

まず6区の青山学院大学4年生野村昭夢選手のタイムについて短くご紹介します.第96回箱根駅伝において東海大学当時4年生の館澤亨次選手が打ち立てた区間記録57分17秒を30秒更新する56分47秒で6区を走破しました.

この2大会における6区の平均タイムは
第96回 59分28.55秒 舘澤選手は平均タイムより1分54.55秒速い
第101回 59分8.90秒 野村選手は平均タイムより2分21.90秒速い
この平均値と分散を利用すると,以下のように舘澤選手と野村選手の偏差値を計算することができます.
第96回 舘澤選手 70.65
第101回 野村選手 73.10
偏差値として70を超えてくる場合は箱根駅伝においては数少なく,それだけで驚くべきことですが,野村選手は舘澤選手よりも高い偏差値で走っていることからより突出していたといえるかもしれません.56分台は人間をやめているといわれるだけの理由がここにもありますね.いずれ平均タイムが58分30秒を切ってくれば…55分台が見えてくるでしょうか.

同様に7区の駒澤大学3年生佐藤圭汰選手のタイムについて短くご紹介します.第96回箱根駅伝において明治大学当時4年生の阿部弘輝選手が打ち立てた区間記録1時間1分40秒を57秒更新する1時間43秒で7区を走破しました.

この2大会における7区の平均タイムは
第96回 1時間4分17.25秒 阿部選手は平均タイムより2分37.25秒速い
第101回 1時間3分51.95秒 佐藤選手は平均タイムより3分7.95秒速い
この平均値と分散を利用すると,以下のように阿部選手と佐藤選手の偏差値を計算することができます.
第96回 阿部選手 76.24
第101回 佐藤選手 70.82
阿部選手の偏差値はやはりおかしいですね.第96回は区間18,19,20位の選手のタイムが第101回のタイムより良く,分散が小さいのもあって,佐藤選手の偏差値があまり伸びない結果となりました.この結果は意外ですね.一方で佐藤圭汰選手も怪我明けで10割ではなかったでしょうから,まだ伸びしろがあったという捉え方が正しいのかもしれません.そう考えると全体的な底上げの末に今の佐藤圭汰選手レベルの選手を7区におけるようになれば1時間切りも夢ではないのかもしれませんね.ちなみに阿部選手の偏差値を今年佐藤選手が出したとすると59分50秒を切ってこれることになります.

区間記録を出す選手はやはり偏差値で見てもとびぬけている結果となりました.どちらの記録も96回大会の記録を101回大会で破るということで奇妙な一致を感じます.この2つの記録が110回大会までに破られることは想像もできませんが,そんな時代は案外早いのかもしれません.また,5区については別にまとめようかと思っております.今回は以上となります.お読みいただきありがとうございました.

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