見出し画像

不動産登記の印紙代の減税とは?


不動産登記には登録免許税がかかる!

不動産登記を申請する際は、登録免許税(収入印紙代)を納付しなければなりません。この登録免許税は、どんな申請をするか、によって計算方法が異なってきます。
一般的な申請とその登録免許税の計算方法については以下のとおりです。

登録免許税は税金。必ず納付してください。

これは税金ですから必ず納付しなければ登記申請は完了してもらえません。
ただし、ケースによってはこの登録免許税が軽減または免除される場合があります。これについて今回は解説していきます。

減免される場合 その1

住所の変更が自己都合ではないケースの住所変更登記
⇒この代表例としては「住居表示実施」というものがあります。不動産は土地ごとに地番、建物ごとに家屋番号が振られています。これらは不動産を識別するための番号ですが、地方ではこの番号がそのまま住所表記になっています。
この表記を新たにいわゆる住所専用の表記を作ってそれぞれの振り分けることを「住居表示実施」といいます。都市部ではほとんどがすでに住居表示実施されていますので、不動産の表記と住所の表記が異なっている場合が多いです。
この住居表示実施は、不動産の所有者自身の都合による変更ではないため、これによる住所変更登記の登録免許税を不動産所有者に支払わせるのはあきらかにおかしいので、非課税になっています。また、市が合併したり、区制が施行されたりなどの際に住所表記が変更された場合も同様に非課税となります。

その2

居住用の建物を購入した場合の売買による所有権移転登記(建物のみ)
⇒マイホーム購入の促進を目的として導入されているのが「住宅用家屋証明書」です。この住宅用家屋証明書を取得できる場合には、建物の所有権移転登記が「不動産評価額×1000分の20」から「不動産評価額×1000分の3」に軽減されます。仮に、1000万円の評価額であれば、住宅用家屋証明書の取得ができなければ、登録免許税は20万円かかりますが、取得できる場合には3万円に軽減されるのです。大きいですね。
さて、「住宅用家屋証明書」の取得条件ですが、一般的には以下の条件に当てはまっていれば取得できる見込みが高いといえます。
ア.居住用として購入(売買)したこと
イ.床面積(延べ)が50㎡以上あること
ウ.居宅部分が建物全体の90%を占めていること
 (店舗併用住宅などは注意)
エ.昭和57年1月1日以降に建てられた建物であること
 (別途、耐震適合証明書を提出できる場合を除く)
オ.取得後1年以内に登記申請をすること

通常のマイホームとして購入する住宅の場合には、多くの場合にこれらの条件が適合するケースが多いかと思います。

ちなみに、新築の建物だと

また、新築建物の場合は最初に行う所有権の登記ですので、「所有権移転登記」ではなく「所有権保存登記」といい、登録免許税は不動産の評価額×1000分の4です。住宅用家屋証明書の取得が可能な場合はこれが1000分の1.5(長期優良住宅の場合は1000分の1)まで軽減されます。

その3

抵当権設定登記(マイホーム購入にあたって住宅ローンを担保する場合)
⇒上記②のマイホーム購入にあたって行う所有権移転登記と同様にマイホーム購入を促進するために、住宅ローンを担保するための抵当権設定登記についても、住宅用家屋証明書の適用があります。通常は、債権額(借りた金額)×1000分の4が登録免許税になりますが、住宅用家屋証明書を添付して行う登記申請では、これが1000分の1まで軽減されます。
つまり、例えば債権額が3000万円とすると、本来の登録免許税が12万円かかるものが、3万円まで軽減されるというわけです。
また、所得税においても住宅ローン控除の利用にあたっては、この住宅用家屋証明書の取得が関わってきます。

その4

評価額100万円以下の土地の相続登記
⇒相続による所有権移転登記(通称:相続登記)においては、登録免許税は不動産評価額×1000分の4と規定されていますが、土地の場合において、その評価額が100万円以下である場合には、非課税とされました。(租税特別措置法第84条の2の3第2項)
例を挙げてみてみましょう。
(相続した不動産)
A土地 評価額850万円
B土地 評価額86万円
C建物 評価額70万円
この場合は、100万円以下の土地にあたるのはB土地のみですから、この土地については登録免許税がかからず、非課税になります。
つまり、A土地+C建物=920万円 これに1000分の4を乗じると、
36800円となり、これが登録免許税の額です。

※相続登記においては、ほかに「いったん死者名義にするための土地の相続登記」についても非課税とされていますが、ここでは死者名義の相続登記の解説が必要となりますので、ここでは割愛させていただきます。

このように不動産登記においては、いくつかの減税または免除の制度が設けられています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?