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超絶に分かりやすい積立NISAの説明 その2

しかし、ドルコスト平均法を用いた積立NISAが万能で長く続ければ必ず利益が出る、と一概には言い切る事はできません。

パターンBを見てください。

1ヶ月目から3ヶ月目までは、リンゴ1個あたりの価格が200円でしたが、
4ヶ月目に100円、5ヶ月目50円と値下がりし、50円の時に売却した場合は、大幅な損失が出ます。

当面の株価が高値で推移し、売却時にかけて値下がりしていった場合は、マイナスになる可能性がある、という事です。

経済のプロである経済アナリストの意見は、積立NISA賛成派と反対派の両極に分かれます。積立NISA賛成派の人は、アメリカや世界経済は長期的には上昇するので、S &P500やオルカンで積立NISAをすると資産が増えると言います。

一方反対派の人は、特にアメリカの株価は既にかなりの高値であり、今後大幅に下落し、株価が長期間戻らない可能性がある。またアメリカの株価の下落をきっかけに、それが世界に波紋し、世界的に株価が下がる可能性があると予測します。

どちらの意見が正しいかは、その時になってみないと分かりません。

一つ言える事は、経済のプロでさえ、同じ経済指標を見ても意見が両極しますので、我々一般人が経済の先読みをする事は不可能に近いと思います。

ではどうしたら良いのか?

ドルコスト平均法を用いた積立NISA自体は良い制度なのですが、メディアの情報を鵜呑みにして一点張りをしない事。積立NISA、その他金融商品、不動産や元本保証型の商品(預金)等に資産を分散して持っておく事をお勧めします。

先が分らないからこそ分散するのが鉄則です。

先が分かるなら一点張りをしたら良いのですが、それは博打に近いと言えます。

ちなみに、投資信託自体が資産分散の効果はあります。S &P500はアメリカ企業複数社、オルカンは、アメリカの企業とその他の国の企業複数社の株式がパッケージ化されており、分散効果が期待できます。しかし、株式のみで分散を図っても、世界同時株安のような事態には対応できません。

また、所得の高い方で老後資金を目的とした積み立てをお考えであれば、積立NISAの前に、iDeCoをするのが良いかと思います。iDeCoについてはまた改めて投稿します。

【今まで投資信託をしなかった理由は何ですか?】

積立NISAは投資信託です。通常の投資信託は利益に対して課税されますが、積立NISAで投資信託をした場合は利益分について課税されない、という事がメリットになります。

積立NISAがメディア等の影響で流行り出してから投資信託を始める人が増えましたが、投資信託自体は昔からある金融商品です。今まで投資信託をしてこなかった人は、利益に対して税金が取られるからやらなかったのでしょうか?おそらくそうではありませんよね。積立NISAが流行っているから、著名人が簡単に利益が出るっぽい事を言っているから始めた、という感じかと思います。

積立NISAで投資信託をしてもリスクはありますから、仕組みをきちんと理解した上で、覚悟を持って始めるのが良いかと思います。

ドルコスト平均法で積立NISAをしても、株価が下落したタイミングでは、運用途中で含み損が出ます。含み損は毎年大きくなり、また、何年にも渡ってマイナスになる可能性もあります。

仕組みを理解せずに参入された方は「このまま下り続けるのではないか」と不安になり、価格が下がった状態で耐えきれず途中売却し、大きな損失を被ります。

一方で、仕組みを理解して参入した人は「株価が下がって含み損になっている、という事は、多く株式を買えているので、少し株価が戻ったらプラスに転じるので継続しよう」という考え方になります。また、投資している銘柄については、長期的に見ると上昇する、という自分なりの根拠を持っています。

そのような経済や投資に関する知識に自信がない、という方は、積立NISAではなく、元本保証型の商品や、利回りが確定している商品で積み立てを行う方が良いかと思います。

これらの商品は、運用リスクは金融会社なりが負ってくれる分、利回りは低くなりますが、将来設計がしやすい、というメリットがあります。

例えば、積み立て保険に30年加入し、30年後の解約金の率が110%の商品があるとします。30年も掛けたのに110%かよ、、、と気持ちも分かりますが、逆にいうと、110%は確保されているわけです。

一方、積立NISAの場合、30年後に200%増えているかもしれませんが、元本の50%までマイナスになっているかもしれません。

どちらが良いとか悪いとかではなく、あなたの性格や知識、目的に合ったもので運用商品を選択すべきかと思います。

メディアの解説者は、少なからずポジショントークをしますから、参考にしても鵜呑みにしない事をお勧めします。





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